とある1日 ~焼き鳥が食べたい~
久しぶりの投稿です。今まで通りにざっくりしています。
はあ、暇だな~。それにお腹すいたな~。
なんか久しぶりに焼き鳥が食いたいな~。でも、門から離れたりしたら、門番長から五時間程の説教だしな~。しかも正座で。
でも、焼き鳥食いたいな~。
そういえば屋台の焼き鳥っておいしいよな~。俺、屋台の焼き鳥なら塩派なんだよ。居酒屋ならタレの付いた焼き鳥と供に酒を飲むのが最高だけどな。
ああ~、そんなこと考えていたら余計に焼き鳥が食いたくなってきた。
おっ、空に一羽ちょうど鳥が飛んでんじゃん。とりあえずあいつを焼き鳥にして食うか。
そうと決まれば手に持った槍を、
【火焔族魔法:着火】…物に火を着ける。消費魔力、少ない。
で、火を着けて、それから~。
ていっ。 ビュー-ーン。
“壁にもたれかかった状態のまま門番さんは槍を放った。
放たれた槍は秒速500㍍の速さで目的の物に迫っていった。”
※ただの身体能力です。
──ドスッ。 ギュエエエ。
んっ? ギュエエエ?
鳥ってそんな鳴き声だったっけ?
──ドスンッ。
うわぁ。焼き鳥を食べようかと思ったのに、出来上がったのは焼きワイバーンだよ。いらね~。
※飛竜、通称…ワイバーン
デカイ、空を飛ぶ、火を吐く。
以上ざっくりとした説明でした。
俺は焼き鳥が食いたかったの!
まあ、出来てしまった物はしょうがない。とりあえずこれで我慢するか。
いただきます。──パクッ。
…。
……。
………。
マッズィ!! ペッ!ペッ!
なんだよこれ。何なんだよこれ。
肉は硬いは、皮は変な食感だは、血の味しかしないはで食う価値すらね~よ。
うわぁ、コレどうしよう。まだいっぱい残ってるよ。
「先輩、交代の時間ですよ~」
「ん? おお、後輩氏ちょうど良いところに来た」
「うわぁ、先輩明らかに胡散臭いです。面倒事押し付けてきそうな感じぷんぷんですよ」
ヤッベ、もっと自然にいくか。
「いや~、ちょっと困ってたんだよね」
「ひとりで何とかしてください」
「……困って「ひとりで何とかしてください」」
なん…だと……。俺の必殺“頼み込み”が効かない…だと…。
『そうゆうのいいんで』
『あっ、ハイ』
こいつ直接脳内に…
「んで、どうしたんっすかコレ」
「よくぞ訊いてくれた」
「うわっ、めんどくさっ、訊かなきゃよかった」
「そうゆうな。コレはな、俺が焼き鳥が食いたくなってとりあえずコイツで我慢した。おまえも食いたきゃ食ってイイゾ」
「ちなみに材料は?」
「ハハハ、トリニクニキマッテイルジャナイカ」
「怪しい。けどまあ一口位なら」パクッ
「…。」
「……。」
「………。」
「マッッッズッッッ、」
だよね~。
よっしゃ! これでマズくて辛い思いしたのは俺だけじゃなくなったぜ。
「オエッ、なんすかコレ。最早食べ物にもなってないですよ。コレ、ホント何の肉ですか?」
「ワイバーン」
「ああ、なる程道理でマズいわけだ」
「んっ? ワイバーンってマズいもんなの?」
「常識じゃないですか……」
「……」
「……」
「とりあえずコレ、先輩が処分しといてくださいね」
「マジか…」
※ワイバーン追記
肉はとても不味い。コレ、世界共通の常識です。(この世界において)
門番長にも食わしたかった…。
「おう、お前ら。真面目にやってるか? んっ? なんだ旨そうな肉だな。ひと口貰っていいか?」
「止めといた方が…「どうぞどうぞ」」
「そうか、じゃあ貰うぞ」パクッ
「あっ、門番長。………次なる犠牲者が」ボソッ
ナイスタイミングですよ、門番長。
後輩クン、犠牲者とはそんな失礼な。
「オエエエエッ、マッッッズッッッ、なんだコレ」
キタコレッ!
「先輩が言うにはワイバーンの肉らしいですよ」
「ゲテモノじゃねぇか!!」
wwwww
ヒィー、お腹痛いww
門番長吐いたww
「…おう、テメェ、なに笑ってやがる」
ヤッッベww、腹抱えて笑ってたら門番長に目ざとく見つかっちまったww。
「俺がこうなった元凶は貴様だからなぁ。覚悟は出来てんだろうなぁ」
あっ、これマジなトーンだ。
「天!誅~!!」
うわっ、こっちきた。
門番長、コッチくんな。
「テメェ、俺の愛の鉄拳くらいやがれ」
「丁重にお断りしますぅ~」
「まてや~、今日という今日は許さねぇからなっ」
「まあ、先輩の自業自得ですよね…。ナム~」
「おい、俺はまだ死んでないぞ!」
「生きては帰さん!」
「何故に!?」
俺はただ、焼き鳥が食べたかっただけなのに~。
─────
───
─
門番さん達が勤める門がある国のとあるお城の一郭にて、
「んっ、あれは!? 大変だ! 騎士長に知らせねば!」
「騎士団長様~!! 大変です」
「なんですか、騒々しい」
「南側の門の方に飛竜が!」
「そのことですか、ここからもそのことは見えています」
(えっ?! ここから門までだいぶ遠くて、門すら肉眼では見えないのですが…)
「飛竜は手練れの冒険者でも苦戦を強いられる魔物ですからね…」ボソッ
「いかが致しましょう?」
「今すぐ南側の警戒を強化したほうが良さそうですね…。 んっ?」
「どうしました?」
「…飛竜が落ちていきますね」
「ええっ?!」
「嘘だと思うのなら門のほうをご覧なさい」
「は、はぁ?」
(…マジで落ちてるやん?!)
「槍…が刺さっていますね」
(だからなんで肉眼で見えるんですか…騎士団長様…)
「南側の門で一体何が?…まさか、私より強い人が」ボソッ
(あ~ぁ、こうなった騎士団長は誰も止められないぞ)
「少し南側の門の様子を見てきます」
「どうぞ、いってらっしゃいませ…」
「では、後は頼みますよ」
(ホントあの人は強い人好きだよな~。闘いにしか興味ないんだもんな~。もったいないよな~)
(美人なのに……)
消費魔力がざっくりになりました。
最後の美人さんは、多分次の話で出てくる…かなぁ?