夢見る子供達
アウトサイダー 陰陽の人の列 半月の影が落ちる夜
エピキュリアンの垂らす媚薬は 喉ごし麗し 香しい
毒を振りまくアゲハの群れに誘われた あの子供達
夢見る子供達は 黄泉の国に立ち並ぶ 灯篭の灯を頼りにして
口を大きく開いた 蛇の喉元深くへ墜ちて行く
夜はまだ続く どうしようもなく暗い
そんなことを嘆いている合間に 本当に人の命は
火の粉のように 無情に 瞬く間に消える
僕はラム酒の海に 命を落とした子供達の 骸を浮かべて ただ嘆くしかない
「あんなに綺麗な夢を見ていたのに 僕らはどこで道を踏み誤ったんだ?」と
シリアルキラー 神風の人の群れ 半月の雫が零れ落ちる夜
嘯く道化のもたらす妙薬は 見るに誉げ 美しい
幻覚を振りまく見世物小屋に誘われた あの子供達
夢見る子供達は 黄泉の川に流れる 灯篭の灯を手掛かりに
鉤爪を大きく立てた 邪鬼の胃袋深くに墜ちて行く
真夜中 救いようがなく暗い時間が続く
そんなこと憂いている合間に 本当に人の愛は
花火のように 無常に 振り返る間もなく消える
僕は葡萄酒の海に 命を落とした子供達の 亡骸を浮かべて ただ嗚咽するしかない
「あんなに綺麗な夢を見ていたのに その行き着く先は邪鬼の愉悦だったとは」と
朝方 僕は扉を開け放ち 悪い夢から覚める
それはたしかに手応えのある夢で 手触りのあるものだったけど
夜明けは それが悪夢であったことを知らせてくれる
僕の小さな部屋の 古びた本棚が立ち並ぶ部屋の
その片隅に 寂しげにぶら下がる鳥籠
その鳥籠に 差し伸ばした掌から 白い鳥は 今飛び立つ