その1
5月6日 晴れ
友人であるペギーの家で見た日記が、とても興味深かったので日記を始めてみようと思う。
忘備録としても役立つのではないかと思う。
三日坊主にならなければ、だけど。
5月7日 曇り時々晴れ
ジャガイモが数個。しなびた人参1本。カビのはえたパンが一枚。
これでどうやって一週間を生き延びよう。
と、ペギーに言ったらジャガイモを一袋、恵んでもらった。
持つべきは友達ってことかな。
思えば、この世界に来てからピーピー泣いていた私。
荒波にもまれ、逞しくなってきたものだ。
5月8日 晴れ
特筆することは起きなかった。
そういえば家の前にある橋の下に、綺麗な花が咲いていた。
(花の絵を描こうとして失敗した様子)
絵を描こうかと思ったが、才能がないのを忘れてた。
5月10日 雨
食べられるものがあるだけマシかもしれないが、いくらなんでも毎日ジャガイモ2個ではお腹が減る。
このままでは飢え死にだ。
だから仕事を探してみようと思って、ギルドに立ち寄ったら職員の募集をしていた。
ダメモトで面接を受けてみたら即日採用だった。
明日から来て欲しいらしい。頑張ろう。
5月14日
最悪の職場だ。
8月15日 雨
日記を書く暇すらなかった。
家に戻ってないから当たり前か。
3か月しか勤めてないのにベテランって、どうなのよ。
激務すぎて同期に入った人が私以外全部辞めてるんだけど。
そういえばマスターを1度も見たことない。
私が仕事を辞める前に、会うことは出来ないのか。
とりあえず、辞めた人の恨みも合わせて、ぶん殴りたいんですけど。
9月22日 晴れ 隕石でも降ってくれ。
飲み会。
なんだかみんなに一目置かれるようになったが、どういうことだろう。
いったい昨夜の私、何をしたんだ。
仕事が円滑に進むようになったから良いけどさ。
9月25日 晴れ 午後から雨
半魚人がきた。
めっちゃ可愛い。
なんだこの生き物。
ぜったいに他のギルドには渡さないぞ。
出来うる限り、最高のおもてなしをさせてもらった。
また来てくれるかな?
ついでに自称勇者も来た。
「お前は俺のものだ」
ジャイアンか。
なぜかデートにも誘われた。
セクハラ野郎は去れ。
それとなく他のギルドを勧めてみたが、その気はないようだ。
勇者のくせに、私の残業を増やすな。
10月4日 晴れ
出勤途中の道端で、焼き芋を作っている人に遭遇した。
物欲しそうな顔をしていたのか、1個くれた。
焼き芋、超美味しかった。
10月6日 晴れ
焼き芋をくれた人がギルドに来た。
眼鏡のお兄さんだ。
ムラタって名前らしい。
畑の芋が盗まれるので、捕まえて欲しいとのこと。
この世界では珍しい名前だと思ったら、なんと私の同級生だった。
彼が言うには、私のクラスメイト全員が、この世界に転生したそうだ。
そうだったのか。
10月8日 曇り
今日のムラタさん:すごい癒される。
10月9日 曇り
今日もムラタさん:歓迎会もどきになっていたが、酔いつぶれたムラタさんが可愛すぎる。
10月20日 死ね
今日の勇者:
くっそむかつく。
あの上から目線は何様だ。むかついたから難易度高いやつを渡してやった。
「嫁になれ!」
と言われたけどお断りだ。
誰か腕のいい暗殺者知りませんか。
10月21日 晴れ
今日のムラタさん:何か挙動不審。そんなムラタさんにも癒される。
10月22日
まさかのことが起きた。
10月23日
どうしたらいいんだ。
10月24日
まさかのムラタさんヒロイン化。
芋泥棒が魔王って、どんな展開なの。
ちょっと魔王討伐に行ってきます。
泣く泣く古本を売って、旅費の足しに。
人の命には代えられません。
生き残ったら、また日記を書きます。




