『 蒼露様とセツナ 』
* ロシュナ視点
苦悶の表情で眠っている奴隷商人。
そして、その前には少し距離を開けて森には不似合いな椅子に座り
俯いているセツナがいた。
悪魔と呼ばれても、最後まで何の感情も見せなかったセツナ。
ただ、必死に叫ぶ奴隷商人に綺麗に笑っただけだった。
彼の言葉の全て、どれが本当でどれが嘘なのかがわからなかった。
目の前にあった結界は、とうになくなっているというのに
私も、ハンクもディルもエイクでさえ一歩が踏み出せない。
セツナに、どのような言葉をかけていいのかが思い浮かばない。
奴隷商人から聞かされた、同族の行く末に
腸が煮えくりかえる以上の憎悪を抱きながら
終わるまではと、自分に言い聞かせながらセツナを見ていた。
セツナの言葉に、説明にどんどんと追い込まれていく奴隷商人。
当然の報いだと思いながらも、私は彼が……セツナが
最初から、奴隷商人の行く末を決めていたとしか思えない言動に
鳥肌が立った。
何処から何処までが、計画していたことなんだろうか……。
同郷に悪魔と呼ばれる青年。同族を容赦なく追い詰める事が出来る人間。
彼に……頼んだのは間違いだったかもしれない……。
サクっと枯葉を踏む音が私の思考を中断させる。
蒼露様が、セツナの元へと歩いていくのが見え後を追おうと足を踏み出すが
足の先が何かに当たり前へと進む事が出来なかった。
手を伸ばしてみると、先程と似たような結界が張られているが
手を触れなくても中の様子が見れるようだった。
おそらくは……蒼露様が張ったものだろう。
蒼露様の気配に、セツナが顔を上げる。
その瞬間、あの冷たい瞳があるのかと緊張したが
感情は乏しいが、その目の中にはかすかな光が見えたことに安堵した。
椅子から立ち上がろうとしたセツナに、「そのままでよい」と
蒼露様が留める。
軽く微笑み、頷いたセツナ。
椅子に座るセツナの前に立つ蒼露様。
視線はセツナが蒼露様を見上げる形になっている。
「そなたは人でありながら、人が嫌いなのか?」
蒼露様の問いに、セツナが微かに笑った。
セツナが纏う雰囲気は、今だ冷たいままだ。
「その問いは、先程も答えたと思いますよ」
「では、質問を変える。
そなた、人が好きか?」
「できれば、今の僕に答えを求めるのは
止めていただきたいんですが」
「……」
彼の返答に、周りがざわめく。
嘘をつくことが出来ないから、質問するなという事だろう。
それは……嘘をつく気があるということだ。
「薬が切れるのを待てというのか。
最低でも3年後に質問せよというのか?」
「いえ、明日の朝になれば薬の効果は抜けますし」
「奴隷商人達に言った言葉は嘘か」
「彼等に言った事は本当です」
矛盾している答えに、蒼露様が眉を寄せた。
「どういう意味じゃ」
「あの竜の血に限っては、僕には作用しないんです」
「……それは……」
何かに気がついたように、自分の考えをセツナにぶつける。
「おぬし……竜騎士契約をしておるのか……?」
「ええ。あの血は僕の騎士のものなので」
「なるほどの……。竜の血をわけてもろうたか」
彼の言葉に、思わず周りを見渡す。ハンクも私と同様に周りを見ていた。
竜騎士……敵に回すと村が滅ぶ。余りの衝撃に嫌な汗が背中を伝った。
竜の加護と竜騎士契約では、重みが違う……。
「おぬしの周りに竜が居ないのは何故じゃ」
「隙を見せれば殺されそうなので
国に帰ってもらっています」
セツナの説明に、微妙な表情を作る蒼露様。
とりあえず、彼の傍に騎士はいないようだ。
自然と安堵のため息が漏れた。
こちらを少しも気にすることなく
セツナの、先程よりは感情のこもった声があたりに響いた。
「僕は、その質問より
神の信仰の有無を聞かれてると思ってました」
「……そなたは神を信じていないであろう?」
「……」
蒼露様の断言した返事に、私達は絶句し
セツナは苦笑を浮かべる。
「昨日までは、存在自体を信じていませんでした。
今は違いますよ。貴方という存在が神が居るのだと証明してくれましたから」
「それでも、祈るつもりはないのであろう?」
「……」
セツナは曖昧に笑い、はいともいいえとも言わなかった。
俯きため息をつくセツナ。そして顔を上げて蒼露様を見る。
「僕は、人間を好きでも嫌いでもない。
そして、同族だと思ったこともない。彼等が死のうが生きようが
僕には関係ない。だからといって、獣人が好きなのかと問われても
同じような答えしか返せない。僕は自分の大切な人以外興味がない。
この村は、僕の大切な人が守った場所だ。アルトの事もある。
だから、手を貸したに過ぎない。この2つがなければここまで
首を突っ込む事はなかったでしょう」
「……」
「正直、アルトとクッカ、アイリとユウイ以外の獣人を
この場で皆殺しにしても、ほんの少し罪悪感を感じるかも知れませんが。
それが、殺した事による罪悪感なのか、アイリ達が悲しむ姿を見ての罪悪感なのか
この段階では、よくわかりません。実行してみたらわかるかもしれませんが……」
そう言って、薄紫の目を細めるセツナに今日一番の恐怖と警戒を抱く。
「それが出来ないのは……する必要性を感じない事と
僕自身、理由のない殺すという行為が好きではないという事。
そして、ラギさんやアルトという枷があるからにすぎません」
「……」
「僕のこの感情は……。多かれ少なかれ誰でも持つものですよね?
獣人が人間の生き死にに興味がないように……。敵である
人間が生きようが死のうがどうでもいいでしょう?
だけど、同族にこの感情は向けられない。
普通は人間もそうなんでしょう。彼等が言っていましたし
同郷だろう? 同族だろう? 同じ神を信仰しているだろう? と。
獣人はどうか知りませんが、人は人をも奴隷にしようとする。
それでも、許せるものなんでしょうか?」
「許せはしないが……獣人に重要な情報を渡そうとはしまい」
「そうなんですか。そういうものですか……。
僕にはわかりません……。僕にとって、同族であるとか同郷であるとか
同じ神を信仰しているだとかは、何の価値もない。
何の歯止めにもならない。その言葉に何の意味も感じない」
セツナはそこで一度目を閉じ、大きく息を吐き出す。
「それでも僕は、人にしろ、獣人にしろ
よい関係を築いていけたら、良いという気持ちも持っている。
受け入れたもらえたら、嬉しい気持ちもあります。
だけど、それと同じぐらい受け入れてもらえなくても
いいという気持ちもある。矛盾していることはわかっていますが」
「……」
「それが僕です。僕は人間だといいながら、人間を同族だと思えない。
こんな僕は、本当に悪魔かもしれません」
彼の言葉に、全員の身がすくむ。
「人間から、悪魔と呼ばれるのは2度目ですしね」
「そなたは、悪魔などではない!!」
声を荒げる蒼露様に、セツナが驚いた表情を見せる。
「僕は悪魔の定義をしらないので……。
不快にさせたのなら申し訳ありません」
少しの沈黙が降りた後、蒼露様が口を開く。
「よい……。そなたの生まれはガーディルなのか。
両親は、神を信仰していなかったのか?」
「生まれた場所は知りません。
両親もしりません。気がついたらガーディルに居ましたから」
彼の告白に、私とハンク以外の者が驚きに目を開く。
「育ててくれたものが居ただろう。
そのものは神に祈っていなかったのか?」
「さぁ……?」
セツナの曖昧な受け答えに、蒼露様の目に苛立ちが見えた。
「もうよい!」
そう一言告げると、セツナの頬に手を伸ばし何かを呟く。
セツナは黙ってそれを受け入れていた。
そして、蒼露様がセツナを凝視して呟くように言葉を落とした。
「……おぬし……記憶が……ないのか?」
「記憶を覗かれるのは……好きじゃないですね」
そう言いながらも、蒼露様の手を振り払う事はせず
今だ凝視している蒼露様に、苦笑を返した。
「覚えている事もありますよ」
肯定する言葉に、今度は私もハンクも息を止める。
ラギールの手紙には、そこまでは書かれていなかった。
もしからしたら、ラギールもしらなかったのかもしれない。
「僕自身に関する記憶が、希薄なだけで
生活に困った事はないし、それにもう諦めましたから」
「諦めた?」
「……」
諦めたといった時のセツナの表情は
俯いてしまった為に見えなかった。
「少し大人しくしているのじゃ」
そう言って蒼露様はまた何かを呟き始める。
今度は蒼露様のてのひらから淡い光が生まれた。
その光が消えたと同時に、蒼露様の瞳の色が、蒼から真紅へと変わっていた。
そして次の瞬間、蒼露様の瞳から涙が落ちる。
「誰じゃ! 誰がそなたの魂をこのようにした!」
そこにあるのは、哀しみと怒り。
いきなり、その感情を怒りに染めた蒼露様に
私達は驚く事しか出来ない。
「答えよ! 嘘つく事は許さぬ。
真実のみを答えよ。誰がそなたに魂の隷属魔法をかけたのじゃ!」
魂の隷属……?
答えないセツナに、業を煮やしたのか
セツナの胸倉を両手でつかみ、真直ぐに視線を合わせる蒼露様。
「ロシュナ。魂の隷属魔法とはどういった魔法だ」
ハンクが私に聞いてくるが、私も耳にしたのは初めてだ。
ただ一つ言える事は、碌な魔法じゃないという事だけ。
少し離れた所に居た、もう1人の精霊に眼を向けると彼女もまた涙を落としていた。
私と目があうと静かに魔法の説明をしてくれた。
その言葉は、私達が知っている言葉で精霊語ではなかったので安堵する。
「……。生き物の魂というのは神からの贈り物。
帰る場所の導ともなるものです」
「帰るための?」
「神から祝福……。この世界に生まれてきたものは
必ず安らぎの水辺へとかえります。そこで魂を癒しまた祝福を受け
この世界へと生まれます」
「……」
「魂の隷属魔法は……。魂を引きちぎりその導をそぎ落としてしまう。
そしてそこに、魔法で別の物をつけるのです。そう……貴方達が言う
奴隷と変わりはない。その魂の主の意思を無視して強制的に従える魔法。
違うのは、千切られた場所を魔法で無理やり補う事によって
その者は普通ではありえない力を得る事が出来る。魔力だったり、力だったり。
魔法をかけられたものは、契約者からの魔法の供給を断たれると命が終わる。
契約者が死んでも命が尽きてしまいます」
不快そうに眉を寄せる精霊。
「この魔法は、無理やり魂を千切る。
そこにかかる負荷は本来耐えられるものではない……。
ほとんどのものが、発狂し、苦痛に耐えることが出来ずに命を落とす事が多い。
耐えたとしても……待っているのは服従……」
まるで見てきたかのように語る精霊。
いや……見てきたのかもしれない。
「そして……。この魔法をかけられたものは……」
そこで口を閉じてしまう精霊。その言葉を引き継いだのは
蒼露様に胸倉をつかまれているセツナだった。彼の目はこちらを向いてはいない。
「かけられたものは、安らぎの水辺に行く事はできない」
その言葉に衝撃を受ける。蒼露様の瞳はますます紅味を増していく。
「わらわの問いに答えよ」
「……」
答えるつもりがないのか、セツナは蒼露様を見つめたまま微動だにしない。
苛々とした感情そのままに、何かを口にする蒼露様。
その言葉に反応したのは、私達の傍にいた精霊だった。
「駄目です! 蒼露様! 彼が壊れてしまう!!」
そう言って、飛び出し結界をすり抜け、蒼露様とセツナの間に入る精霊。
セツナは歯を食い縛り、苦しそうに頭を抑えていた。
一瞬の出来事に、何が起きたのかはわからない。
椅子から崩れ落ちるように、地面に手をつきセツナは歯を食い縛っている。
「邪魔をするでない!」
「駄目です! 駄目です!」
涙を落としながら、セツナの傍を離れようとしない精霊。
セツナの周りを、数種類の光の玉がぐるぐると回っている。
もしかすると、彼女以外の精霊もセツナを守っているのかもしれない。
「こやつが答えぬのならば!
その魂に刻まれたものを読むしかなかろう!」
「駄目です! 蒼露様……彼の魂はもう……酷く傷ついています。
これ以上……苦しめてはだめで……す」
「くっ……」
罪悪感をその瞳に乗せ、蒼露様が俯く。
「……」
「何故答えぬ……」
私もそして、この場に居る者たち全員が
蒼露様に逆らうセツナが信じられなかった。
答えよといわれれば、私達ならすぐに答えるだろう。
「僕……が……答えたら……」
苦しそうに言葉をつむぐセツナの背を精霊が優しくなでる。
「……貴方は……何をするつもり……ですか?」
「そなたには関係のないことであろう!」
「関係がないとは……言わせない……」
セツナの反抗的な返事に、周りのものが眉を顰めるが
それはすぐに驚愕に変わる。
「……僕が……答えたら。貴方は……。
ここから……でていくで……しょう?」
「……」
無言は肯定。
「貴方が居なければ……サガーナが……落ちる。
そして……あなたは……罰を受け……消える。
だから……言いません」
言えないではなく、言わない……。
セツナの言葉に、蒼露様はただセツナを見ていた。
「……」
「……」
「何処の国が落ちようが、そなたは関心がないのではないのか」
その瞳を赤から蒼に変えて、少し落ち込んだようにセツナに問う蒼露様。
セツナの背をなでている精霊に、セツナが「もう大丈夫です。有難う」といい
そのまま地面に足を投げ出して座りなおした。
「流石に、僕が理由でサガーナが滅びるのは……。
それに、クッカも悲しみますし、僕を守ってくれた精霊達も悲しみます」
「……」
「僕が落とすのと、僕が理由で落ちるのとは違います」
「……」
「それに……僕の為に泣いてくれた貴方に消えて欲しいとは思わない」
「……そうか」
「そうです」
「……」
「……」
「……すまなかった……」
「……いえ」
蒼露様は、何かに耐えるように目を閉じ
そして、ため息をつき蒼露の樹を見上げる。
「その魔法はの、エンディア神が創った魔法じゃ。
色々と手が加えられておるようじゃが……。
サーディア神は、その魔法を嫌っておった。わらわも好かぬ。
様々なものを犠牲にし、封印したはずの魔法の1つが
まだこの世界にあることが耐えられぬ。人が使う事を厭うた魔法じゃ」
体に違和感が残るのか、自分の掌を見つめつつ
セツナが蒼露様に問う。
「蒼露様。僕は死んだらどうなるんでしょう?」
まるで他人事のように聞くセツナ。
想像しただけで、恐ろしいと感じる事を平然と口にする。
「……」
「教えていただけませんか?」
「……孤独に苛まれながら……。
魂の消滅を……待つ事しか出来ぬ……」
蒼露様の苦しそうな声に、その告げられた内容に
誰もが顔色をなくしセツナを凝視していた。
「そうですか」
「……そなた、怖くはないのか……」
「特には」
「……」
「帰りたいところに帰れないのなら
何処にも帰れなくていい」
「どういう意味じゃ」
「……」
セツナは、その問いに答える事はなかった。
少し寂しそうに笑っただけだった。
蒼露様は、その笑みに深く追求するのを諦めたようだ。
「本来ならば、その魔法は解けぬ。
死ぬまで、いや……死しても解けぬ魔法じゃ。
だが、そなたの魂は……」
「蒼露様」
セツナは、蒼露様を真直ぐ見て首を横に振った。
「そうか。そなたは全て知っていて
受け入れたのだな」
「……」
「……」
「僕は……」
「いや。よい。口に出すべき事ではなかった。
詳しい事はわからぬ。わらわが読めたのは
アルトと出会う少し前からだからの。
それでも、そなたの絶望と孤独は深いものだと知った」
「……」
「セツナ。サーディア神は全てを慈しんでいる。
この世界で生まれし者を、神は愛しておられる。
それだけは、疑わないでほしい。祈らずともよい。
だが、神を厭う事だけはしないでくれるかの」
「……」
「わらわは、精霊になったといっても神の子じゃ。
親を嫌われるのは辛い」
「申し訳ありません」
私には、その謝罪がどういう意味を持っているのかはわからなかった。
「……ゆっくりでよい。今すぐでなくともよい。
大切なものを、そなたの枷となるものを増やしていくのじゃ。
そなたが、この世界を愛せなくとも……」
「……」
足を投げ出して座っているセツナの前に、蒼露様が膝をつく。
両手でセツナの頬を挟むとセツナの額にそっと口付けを落とした。
「……」
「そなたの魂に、わらわの加護をつけた。
そなたが死を迎えた時、わらわがそなたの魂を抱いていてやろう。
消えるまで。孤独を感じぬように。
わらわは……魂を癒すすべを持たぬから……」
哀しみと慈しみが混ざったような目で告げる蒼露様に
セツナは目を見開きただ、かすれた声で言葉をこぼした。
「あ……りがとうございます」
セツナの頬から手を離し、蒼露様が立ち上がろうとした瞬間
小さな音が響く。控えめな可愛らしい口付けの音。
音のしたほうへと視線を移すと、頬を染め顔に手を当てたもう一人の精霊が
小さな声で「キャー」と言って悶えてた……。
「……」
「……」
「おぬしは何をしておるのじゃ」
「頬に、祝福を付けてみました」
恥ずかしそうに小さい声でそう告げる精霊。
セツナは唖然とした表情を作っていたが、表情を柔らかく崩す。
「よくわかりませんが……。有難うございます?」
「お礼なんていいの……」
「待つのじゃ。なぜそなたは、わらわの加護より
この精霊の祝福のほうが嬉しそうなのじゃ!」
「……え……別に……そんなことは」
じとっとした空気をかもし出す蒼露様に
視線を彷徨わせるセツナ。
「そうか、そうだったの。そなたの好みは……」
「蒼露様!? 人の記憶を暴露するのはどうかと思いますが!?」
「恋人に告げ口するかの」
「僕は何もしていませんし!」
意地の悪い笑みを浮かべる蒼露様に、焦っているセツナ。
先程の、排他的な空気が一瞬で変化していく。
私が彼ならば、今すぐここで笑えるだろうか……?
否……笑えない。彼の心は、精神はとても強いのだろう。
全てを乗り越えて、生きていく糧にかえれるほどに。
彼の告白には、ある意味警戒する内容もあるのだが
見方を変えれば、彼は人間も獣人も同列に見ているということだ。
信じられない事ではあるが……。もしかすると、この国を救った
人間と同じ感性の持ち主かもしれないとも感じた。
この先どうなるかはわからない。
だが、今は……私達をいい方向へと導く風になってくれている。
蒼露様とセツナのやり取りを、呆れたように見つめながらも
周りに笑いがこぼれはじめるのは、もう少し……。
ラギールからの手紙も忘れ、私も一緒に笑うまで……あと少し。
読んでいただき有難うございました。





