『 プロローグ 』
第二章ものんびりですが頑張ります。
よろしくお願いします。
-……助けて……。
殴られた、頬が熱を持っている。
殴られたときに、口の中を切ったのか血の味がしていた。
怖くて声が出ない。
体の震えが止まらない。
これからどうなるのだろうという恐怖と与えられた痛みで
涙が止まらない。
お父さんとお母さんを、心の中で呼ぶ。
助けてと心の中で繰り返す。
カタカタと震える私に視線を向けて
私を殴った人間とは違う人間が、言葉を吐いた。
「おい、商品に傷を付けるな」
-……商品……?
私を見て、商品と言い切る人間。
その人間に、不満をこぼす私を殴った人間。
「こいつが、俺の手を噛みやがった」
「もたもたしているお前が悪い。
さっさと、薬を飲ませて袋に詰めろ
追っ手が来る前に、逃げるぞ」
「ちぃ……」
渋々と、瓶のような何かを懐から出し荒々しく私の口に押し込む
抵抗しようにも、力の差は大きく無理やり何かを飲まされた。
体の力が抜けて行き、私は意識を手放した。
そして、目が覚めると私の首に知らないものがついていた。
それが、奴隷の首輪だと知るのに時間はかからなかった……。
読んでいただき有難うございます。