断罪夜話 〜王都裁判記録より〜
最終エピソード掲載日:2026/04/08
退職した王立裁判所第三法廷記録官グンネル・ヴァト、六十二歳。
北部の自宅で、彼女は十二夜にわたって古い裁判記録を一人で書き直している。三十二年の勤務で立ち会った、四十一件の重い判決。
そのうち十一件で、彼女は判決文の余白に書けなかった真実を抱え続けてきた。
毒殺未遂とされた薬師令嬢、王子に剣を向けた剣士、敵国に通じたとされた翻訳者――判決の言葉と、彼女が記録席から見ていたものは、いつも食い違っていた。
十二夜目、最後の綴りに彼女が書くのは、誰の事件でもなく、自分自身の選択の記録である。北方の沈黙の修道院から届いた一通の手紙が、彼女に書く意味を初めて与える。
北部の自宅で、彼女は十二夜にわたって古い裁判記録を一人で書き直している。三十二年の勤務で立ち会った、四十一件の重い判決。
そのうち十一件で、彼女は判決文の余白に書けなかった真実を抱え続けてきた。
毒殺未遂とされた薬師令嬢、王子に剣を向けた剣士、敵国に通じたとされた翻訳者――判決の言葉と、彼女が記録席から見ていたものは、いつも食い違っていた。
十二夜目、最後の綴りに彼女が書くのは、誰の事件でもなく、自分自身の選択の記録である。北方の沈黙の修道院から届いた一通の手紙が、彼女に書く意味を初めて与える。
第一夜 銀の匙
2026/04/08 12:29
第二夜 雪夜の剣
2026/04/08 12:29
第三夜 翻訳者の沈黙
2026/04/08 12:29
第四夜 帳簿の継娘
2026/04/08 12:29
第五夜 庭の毒草
2026/04/08 12:29
第六夜 仮面の告発
2026/04/08 12:29
第七夜 聖堂の結界
2026/04/08 12:30
第八夜 最後の侍女
2026/04/08 12:30
第九夜 北の花嫁
2026/04/08 12:30
第十夜 法廷の少女
2026/04/08 12:30
第十一夜 沈黙の修道院から
2026/04/08 12:30
第十二夜 記録官の罪
2026/04/08 12:30