~第十一幕~ 「大尻 莉名の章」其の弐
「って事があったんだよー。酷いよねー。」
「……そうだね。」
傷心の私は、悩みを友達に打ち明けていた。
「ギルティーも、そう思うよねー?」
「うん。僕も、そう思うよ。」
私は人間関係に疲れ果て、妖怪のギルティーと友達になっていた。柵がある人間よりも、分かり会える様な気がしたのだ。
……いや、きっとそうなのだろう。この妖怪さんは、きっと人間よりも優しいのだ。
……私は、そう心に強く思った。
「では問題です!」
──!?
……え?こんな傷心の私に、いきなり問題出して二択で殺しに来るの?
ちょっと酷くない?……友達でしょ?
「大丈夫♪大丈夫♪安心して?友達だから、簡単な問題を出して上げるよ。大サービスだよ♪」
「……本当?」
「本当だよ?……そうだね、前に一度出した問題なら簡単に解けるんじゃないかな?」
──!?
前に一度出した問題!?……それなら簡単かも?答えは、もう知ってるしね。
ありがとう、ギルティー。
……私は瞳を閉じ、友達に感謝をした。
「では行くよー♪」
ギルティーは踊り出し、凄く楽しそうだ。
「さあ、いつでも来てっ!」
私も意気揚々と身構える。
「"おしり"と"おぱーい"どっちが好き?」
「……おしり。」
──!?
今、その問題出す必要あったかなー?
いや、確かに一度出した問題だけどさ……。その事で悩んでる傷心の友達に、それを出すのは酷いんじゃないかな?ギルティー。
あー、やっぱり妖怪だよね。分かり会う事なんて、出来っこ無いよね。
……私は、がっくりと肩を落とした。
「じゃあ、次の問題行くよー♪」
ギルティーは、とっても楽しそうだ。
「……え!?もう二問目?早くない?」
「大丈夫、大丈夫♪次の問題も大サービスだからさ♪」
……まあ、それなら良いかぁ。
そう言いながら……。ギルティーは恐ろしい形相でこちらを睨み付け、死の二択を私に突き付けた。
「"阪神"と"巨人"どっちが好き?」
あー、これも前に出たよね。簡単、簡単♪
「…………。」
……あれ?
私は答えが、どちらなのかを忘れてしまっていた。どうしよう……。野球なんて興味無いから、どっちがどっちなんて区別つかないよ……。
「えーと……。」
「どっち?」
……わくわく。
ギルティーは、とても楽しそうだ。
確か、答えは───。
──!?
「巨人!」
そうだ、思い出した。確か答えは巨人だった筈だ。私は意気揚々と答えを出した。
「…………。」
「…………。」
其処は長い、とても長い静寂に包まれていた───。
……あれ?おかしいなぁ。答えは合ってる筈だよね?……え?もしかして、逆だったのかな?
……わなわなわな。
「ギ……ギ……ギギ!?」
二択鬼は突然ガタガタと震え始め、鬼の形相で私の事を親の仇の様に睨み付けていた。
……二択鬼の目から、激しい憎しみと憎悪が溢れ出ていた。
〈男子生徒〉
仁科択一、一問正解。
猛虎大河、一問正解。
早乙女大好、一問正解。〈社会的に死亡。〉
錬金術師、一問不正解。〈勘のいいガキだった為、死亡。〉
一津凪、一問不正解。〈夢は終わらない為、死亡。〉
零史州人、一問不正解。〈中に人など居ない為、死亡。〉
〈女子生徒〉
美星味子、十問正解。〈無事生還、多分エスパー。〉
大尻莉名、一問正解。
〈妖怪枠〉
二択鬼〈ギルティー〉、四問不正解。〈
メンマを割り箸と思っていた為、死亡。
撃たれる覚悟が無かった為、死亡。
カンストしているだけだった為、死亡。
チェーンソーは神をも殺す武器だった為、死亡。
ただし、不死身なのでセーフだが。……時給二十円、減給処分〉




