~第十一幕~ 「大尻 莉名の章」其の壱
私の名前は、大尻莉名。
この前、全校生徒が集まる全校集会の時。ドジな私は全校生徒の前で盛大に転け、パンツを丸出しにしてしまった。
頭を打って気絶した私は、パンツ丸出しのまま担架で保健室まで運び込まれる事となった。
……正直死にたい。
それ以降、クラスの男子から呼ばれる私の"あだ名"は「おしりーな」に決定した。完全にセクハラだよね?これ。
……ほんと、正直死にたい。
男子は皆、死ねば良いのに……。
特に同じクラスの早乙女君ときたら、もう……。私の事を「おしりーな様」って呼んで、神様みたいに崇めてくるんだよ……。
セクハラだよね?これ。
……ほんと、死ねば良いのに。
あー、そんな事を考えると悩みの種の早乙女君が私の方にやってくる。
「今日も、ご機嫌麗しゅうございます!おしりーな様!!」
うん、挨拶は良いんだけど……。何処見て言ってるのかな?
普通、挨拶って正面からしないかな?どうして背後から挨拶するのかな?
……ほんとに、死ねば良いのに。
「おしりーな様、一目見た時から俺は貴女に惚れました。俺と結婚して下さい!!」
うん、求婚は良いんだけど……。何処見て言ってるのかな?
普通、求婚って相手の顔を見てしないかな?どうして座って背後からするのかな?
……ほんと、死ねば良いのに。
「はぁ……。」
私は深いため息を付き、逃げる様にトイレへと駆け込んだ。
するとトイレから出ようとする私の耳に、ひそひそと私の陰口が聴こえてくる。
「やーねぇ、男子生徒からちやほやされちゃってさ……。」
「パンツで男子を誘ってるなんて、嫌らしいわ。」
……酷い。好きで、こんなあだ名を付けられてる訳じゃないのに……。
しかも、こちらを見てわざと聞こえる様に言ってくるなんて……。
「私も全校生徒の前で、パンツ丸出しで転けようかしら?」
「クスクスクス……。」
何も言えず、私は泣きそうになりながら震える事しか出来なかった。
「ならば、やって貰おうか!」
──にゅ。
お尻の事なら、たとえ何時如何なる時も現れる変態紳士早乙女大好。
──たとえ火の中、水の中。
「きゃ、きゃー!何よ!?」
「さあ、やって貰おうか!今すぐ、ここで!……さあ、恥ずかしがらずに!是非!!カメラの用意は任せてくれ!この変態紳士早乙女に一切の抜かりなど無い!レッツ、カモン!オープン・ザ・ヒップ!!」
何か大切な物を失った早乙女君は、あの日から変態と成り下がってしまっていた。
……失う物が無い人間って、凄いね。
「きゃ、きゃー!変態ー!!」
「フッ……。貴様如き尻貴術で、おしりーな様を侮辱する事は許さん。」
早乙女君の、あまりにもの変態振りに意地悪していた女子生徒達は何処かへ走り去ってしまった。
……え?もしかして、私を助けてくれたのかな?
「あの、早乙女君。その……。」
「お礼など、不要でございます。おしりーな様。私めは、当然の事をしたまでです。」
……これは当然の事なのかな?
「オープン・ザ・ヒップだと、意味が違わないかな?それだと"見せろ"じゃなくて、"開け"にならないかな?」
「……俺は一向に構わん!」
──キリッ!
うわぁ、駄目だ。変態だぁ……。
〈男子生徒〉
仁科択一、一問正解。
猛虎大河、一問正解。
早乙女大好、一問正解。〈社会的に死亡。〉
錬金術師、一問不正解。〈勘のいいガキだった為、死亡。〉
一津凪、一問不正解。〈夢は終わらない為、死亡。〉
零史州人、一問不正解。〈中に人など居ない為、死亡。〉
〈女子生徒〉
美星味子、十問正解。〈無事生還、多分エスパー。〉
〈妖怪枠〉
二択鬼〈ギルティー〉、四問不正解。〈
メンマを割り箸と思っていた為、死亡。
撃たれる覚悟が無かった為、死亡。
カンストしているだけだった為、死亡。
チェーンソーは神をも殺す武器だった為、死亡。
ただし、不死身なのでセーフだが。……時給二十円、減給処分〉




