~第十幕~ 「二択鬼〈ギルティ〉の章」其の伍
「面白く無い訳じゃ、ないんだもーん!!」
……そう言って上司は、この場を泣きながら去って行った。
「はぁ……。やっと終わったよ、しんどかったなぁ、もう……。」
……やれやれ。
定時になったので、僕は疲れて家に帰ろうと着替えに更衣室に入っていった。
「道頓堀にて、散るがよい!!」
──キリッ。
……そこには、また上司が居た。げんなり。
僕は、げんなりするしか無かった。
……何なんだよ、もう。
「よろしい。……では三問目だ。」
「はあっ!?まだ、やるのっ?……もう止めようよ、二択なんてあんまりだよ!!」
僕は必死に訴えるが、聞いては貰える筈が無かった……。ちょっと酷過ない?ねぇ、そう思うよね?……皆?ブラック企業過ぎるよね。
「この世で最強の武器は?……どっち??"丸太"もしくは"チェーンソー"。……どっちが最強の武器か分かるかな??」
「……え?」
何で、丸太やチェーンソーが最強武器になるんだよ?
他にも強い武器は、もっとあるだろうに……。
ミサイルやレールガン、正宗にエクスカリバー、ヒノカグツチとか……。丸太やチェーンソーより強い武器なんて、数え切れない程あるよね?
……何で、その二つなんだろう??
「…………。」
……あれ?そう言えば、お爺ちゃんが「丸太は最強の武器だ」って言ってた様な……。言って無かった様な……。
……うーん。
僕は悩みに悩んだ末に、こう答えた。
「丸太は最強の武器だよ。」
……うん、そうだよね。丸太は最強の武器だよね。多分、これであっている筈。
「…………。」
「…………。」
長い、長い沈黙が続き。只時間だけが、刻々と流れていった。……嵐の前の静けさなのだろうか?拭い切れない程の恐ろしい恐怖が、僕の体を包み込んでいった。
「あれ?……違ったのかな?丸太は最強の武器だよね?」
……わなわなわな。
「ガ……ガ……ガガ!?」
……上司は突然、異常な程ガタガタと震え始めた。
「み……。」
「……み?」
「みんな、チェーンソーは持ったな!!行くぞォ!!」
──ドドドドドドド!
「道頓堀にて、散るが良い!!カー○ルサンダー〈特級呪物〉!!!」
──スパーン!!
「ギャース!!」
僕は上司の持っていた丸太で、脳天を叩き割られた。
……いや、そこはチェーンソーじゃないのかよ。何で、丸太なんだよ……。
「すまぬ……すまぬ……すまぬ……すまぬ……すまぬ……すまぬ……すまぬ……すまぬ……。」
──ゴスゴス。
上司は僕の頭を謝りながら、何度も丸太で叩き続けた。
「すまぬ……すまぬ……すまぬ……すまぬ……すまぬ……すまぬ……すまぬ……すまぬ……。」
──ゴスゴス。
……うん、何これ?何の儀式なの?
……フーフー!!
血の海で横たわる中……。上司の発する荒い息づかいが、只僕の耳に残り続けていた。
怒りに震えながら、その場を立ち去る上司。そして、恐ろしい形相で僕を睨み付け……。
──上司は振り向き様に、こう言い放った。
「神をも殺す武器……。それがチェーンソー!!」
〈男子生徒〉
仁科択一、一問正解。
猛虎大河、一問正解。
早乙女大好、一問正解。〈社会的に死亡。〉
錬金術師、一問不正解。〈勘のいいガキだった為、死亡。〉
一津凪、一問不正解。〈夢は終わらない為、死亡。〉
零史州人、一問不正解。〈中に人など居ない為、死亡。〉
〈女子生徒〉
美星味子、十問正解。〈無事生還、多分エスパー。〉
〈妖怪枠〉
二択鬼〈ギルティー〉、四問不正解。〈
メンマを割り箸と思っていた為、死亡。
撃たれる覚悟が無かった為、死亡。
カンストしているだけだった為、死亡。
チェーンソーは神をも殺す武器だった為、死亡。
ただし、不死身なのでセーフだが。……時給二十円、減給処分〉




