~第十幕~ 「二択鬼〈ギルティ〉の章」其の参
「…………。」
十問正解の生還者を、簡単に出してしまった。
……どうしよう。
十問正解する確率は約0.1パーセント。……つまり生還者は、だいたい千人に一人の計算になる。
……どーしよ、どーしよ。そんなに簡単に達成者出したら、僕また上司に怒られちゃうよ。
「……はぁ、大丈夫かなー。」
……そわそわ。
「まっ大丈夫、大丈夫♪上司、馬鹿だし。」
──ガラッ。
「おはよう。」
「あっ、おはようございます先輩。」
「……誰が、馬鹿かね?」
……どうしよう、聞こえてたみたいだよ。
僕はまた、しこたま怒られた。
「じゃあ、罰ゲームだな。」
「ええっ!?……そんなの、あるんですか?そんなー!」
「大丈夫♪大丈夫♪簡単な二択だから、大丈夫だよ?問題無いよ、只五十パーで死ぬだけだよ。」
「五十パーで、死ぬなんて酷いよ!止めてよ!!」
鬼か!?この上司は!!
結局……。僕の意思とは裏腹に、二択が始まってしまった。
──死の二択が。
「聞いてよ、ギルティ。この間さー、パチスロで五万円も負けたんだよねー。」
「……あ、はい。」
「で?……可哀想と思うよね?それとも、自業自得だと思う??」
この人は、一体何を言ってるんだろう?パチスロ?……ギャンブルかな??何を言ってるのか、全く分からないけど……。
ここは、社交辞令だよね。……とりあえず、テキトーに話し合わせとこう。
「あー、そうですね。可哀想だと思いますよ……。」
……にこにこ。
「…………。」
「…………。」
……長い、長い永遠とも思われる沈黙が続き。只時間だけが、刻々と過ぎ去っていった。
「……あれ、何この空気?僕、何か間違えたかな??分からないや……。」
……わなわなわな。
「ガ……ガ……ガガ!?」
……上司は突然ガタガタと震え始め、僕の事を鬼の形相で睨み付ける。
「どっ!」
「……ど?」
「道頓堀にて、散るが良い!!カー○ルサンダー〈特級呪物〉!!!」
──スパーン!!
「ギャース!!」
僕は上司の持っていた斧で、脳天をかち割られた。
……フーフー!!
血の海で横たわる中……。上司の発する荒い息づかいが、只僕の耳に残り続けていた。
怒りに震えながら、その場を立ち去る上司、ドウ・トンボリ。
そして、恐ろしい形相で僕を睨み付け……。
──上司は振り向き様に、こう言い放った。
「撃っていいのは……、撃たれる覚悟がある奴だけだ!!!」
〈男子生徒〉
仁科択一、一問正解。
猛虎大河、一問正解。
早乙女大好、一問正解。〈社会的に死亡。〉
錬金術師、一問不正解。〈勘のいいガキだった為、死亡。〉
一津凪、一問不正解。〈夢が潰えてしまった為、死亡。〉
零史州人、一問不正解。〈中に人など居ない為、死亡。〉
〈女子生徒〉
美星味子、十問正解。〈無事生還、多分エスパー。〉
〈妖怪枠〉
二択鬼〈ギルティー〉、二問不正解。〈メンマを割り箸と思っていた為、死亡。撃たれる覚悟が無かった為、死亡。ただし、不死身なのでセーフだが。……時給二十円、減給処分〉




