~第八幕~ 「零 史州人の章」
アナウンスが流れ、第二の犠牲者が出た事を知り。体育館内は……。またもや阿鼻叫喚の叫びに包まれていた。
「嫌ァァァァァァァァアア!!」
「……そんな、どうして。」
クラスメイト達は皆、哀しみの声を上げ泣き叫ぶ。
「……夢は、終わらねぇだろ!?」
「四百巻以上は、続くわよ!」
「……そうよ、きっと終わらないわ!」
「俺達の、夢は終わらねぇ!!」
「……そうだ!俺達が絶対、終わらせねぇ!!」
夢を諦めず、必ず繋いでいくと言う。……友の熱き想いが体育館に響き渡った。
「そうだ!俺達が時代を引き継いで、新時代を紡いでいくんだ!!」
俺。零史州人は、そう心に誓いトイレへと向かって行った。
──だぱー。
俺は用を済ませ、そのままダッシュで走り出す。
──だだだだだだだだだだだっ!!
困った時はダッシュ、これに限る。俺は懸命に走った。何やら噂によると、トイレから出た直後が最も危ないとの事らしい。
……このまま体育館まで逃げ切れば、俺は助かるんだ。
俺は体育館目掛けて、一直線に走り続けた。
──ジリリリリリリリリリリン♪
突如、けたたましく黒電話の音が俺の耳に鳴り響く。
「……黒電話?何故、こんな所に?」
──ガチャリ。
……俺は反射的につい、受話器を取ってしまっていた。その事を後悔した時には、既に遅かったのだ。
「……もしもし僕、二択鬼〈ギルティ〉。今、貴方の後ろに居るのっ。」
──!?
……俺は恐る恐る、後ろを振り返った。
「…………。」
……居なかった。
何でだよ!?そこは必ず居るパターンだろ、普通。
──だだだだだだだだだだだっ!
「ぜーぜー、はーはー。」
「……では、問題です。」
──キリッ!
俺は自分の身に降りかかる、恐ろしい二択を前に……。俺は血の気を引く恐怖を、ひしひしと感じていた。
……そして二択鬼の放つ恐ろしい二択が、容赦なく俺に降り注ぐ。
「この前、ア◯リカのディ◯ニーランドでさ。マスコット人形が黒人さんの子供を無視して、白人さんの子供だけを抱っこしてたんだって。ア◯リカでは、これは差別だ!中の人は差別主義者だ!と、大騒ぎだったんだけど……。君は、これ。"差別"と思う?それとも"差別じゃない"と思う?……さあ、どっち?」
……は?
何言ってるんだよ?こいつは。
そんな物、差別に決まっているだろうよ。答えは、簡単だ。
……だから俺はきっぱりと、こう言ってやったんだ。
「そりゃあ、勿論。"中の人は差別主義者"だ。」
「…………。」
「…………。」
其処は長い、とても長い静寂に包まれていた……。
……あれ、おかしいな。俺は間違っていない筈だよな?一体、どういう事だ?
……わなわなわな。
「ギ……ギ……ギギ!?」
……二択鬼は突然ガタガタと震え始め、鬼の形相で俺を睨み付けていた。
「有罪〈ギルティー〉!!!」
──スパーン!!
「ギャース!!」
俺は、二択鬼の持っていた斧で脳天をかち割られた。
……フーフー!!
俺は血の海で横たわる中。二択鬼の発する荒い息づかいだけが、ずっと俺の耳に残り続けていた……。
怒りに震えながら、その場を立ち去る二択鬼〈ギルティ〉。
そして、二択鬼は鬼の形相で俺を睨み付け。……振り向き様に、こう言い放った。
「………中 に、人 な ど 居 な い ! !」
〈男子生徒〉
仁科択一、一問正解。
猛虎大河、一問正解。
早乙女大好、一問正解。〈社会的に死亡。〉
錬金術師、一問不正解。〈勘のいいガキだった為、死亡。〉
一津凪、一問不正解。〈夢が潰えてしまった為、死亡。〉
零史州人、一問不正解。〈中に人など居ない為、死亡。〉
〈女子生徒〉
美星味子、八問正解。〈多分エスパー。〉
〈妖怪枠〉
二択鬼〈ギルティー〉、一問不正解。〈メンマを割り箸と思っていた為、死亡。ただし、不死身なのでセーフだが。……時給二十円、減給処分〉




