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心の穴

作者: 爲國藍
掲載日:2026/01/24

何の理由もなく。ある日ただ心に穴があいた。


突然、目の前が真っ暗になった。


何にもやる気がなくなった。自信がなくなった。

楽しいかったことが楽しいと思えなくなった。



大きな事があったわけじゃない。

きっと小さな事の積み重ね。自分に限界が来たのだろう。


何のために今日を生きて、何のために明日を目指すのか何もわからなくなった。



そのうち治るだろうと思った。

だけど1週間くらいしても治らなくて、生きてることさえ嫌になってきた。



何も変わらない、そんな毎日を生きているだけ。

楽しみもなくて、やりたい事もなくて、夢も目標もない。



元気を出せるかと思って出かけてみたりもした。

買い物に行ったり、景色を見に行ったり。

友達を誘って遊んでみたりもした。



だけど作り笑いはできるけど、心から笑えなかった。楽しいと思えなかった。



楽しかった思い出は楽しいと覚えているし、楽しいとまた感じたいと思った。


楽しいと感じられることを今の人生の目標にしようと思った。



それからは今まで以上に楽しめるかもしれない事をたくさんやってみた。


何にも楽しめなかったけど、それでも色々やり続けた。



そんな日々が1か月くらい続いた頃、

何でもない日常の中で「ありがとう」と人に言われた。


その人は、その時出会ったばかりの人でどうやら自分は親切なことを出来たみたいだった。



たしかに困ってるようには見えたけど、

無意識に声を掛けただけ。


助けようなんて思ってもなかったし、親切をしたとも思ってなかった。



だからお礼なんて言われるとも思ってもなかった。


だからすごく驚いた。

自分の心は死んでいるのに、人に親切が出来たんだ。



そっか、それなら自分もまだまだ捨てたもんじゃないんだなって思った。


その人のおかげで、心にあいていた穴が少し塞がったような気がした。



その日の夜、久しぶりに1日が楽しかったと思えた。


「ありがとう」って言ってくれてありがとう。

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