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ドワーフ国へ連チャン

この作品は開発ものなので日数が飛ぶ時は大きく飛びます。

 結局、神聖ユグドラシルでは懸念していたようなトラブルはなかった。みな手厚く歓迎されたし、高慢で差別的な態度みたいなものも無かった。技術にも難色を示すどころかもっともっととせがむようだった。


 「しっかし、本当に普通過ぎやしませんかねえ」


 どうしても納得がいかない、という風なのはガランドさんだった。


 「うちならもっと歓待しやすぜ?」

 「では金属や鉱物材料、あとは山岳植物材料なんかは考えたいので行ってみたいですね」

 「おお!なら早く連絡しねえと!」


 ガランドさんは神聖ユグドラシルの郵便の店へ連絡に向かった。ここはエルフにとっての聖地なので店はある。イメージ的には速達感覚らしい。


 大きなフクロウが背にエルフを乗せ小さな音で飛び立つ。


 「飛行生物便って騎獣なんですね。神聖ユグドラシル以外ではワイバーンとかなんですか?」

 「ワイバーンは王族などか、辺境伯家あたりが防衛上の観点から特に許された専用生物だな。グリフォンなどが大貴族のもので、オオワシなどが普通の店の下限だ」


 手近な騎士さんが教えてくれる。


 「戦闘力とか速度の関係ですかね」

 「そんなところだ。飛行騎士と言うべき存在だから、店自体が貴族の事業や大商家のお抱え部門か、特殊な一族、テイマー系の仕事あたりだ」


 エサの肉のコストとかの関係なんだろうな。


 こうして神聖ユグドラシルとの対話は終わった。


 しかし、いったん辺境伯領へ戻るかと思いきや神聖ユグドラシルに流れ込む川のひとつを辿ることになった。そちらにドワーフの国、『蜂の巣』があるそうだ。


 日本人感覚だと若干妙な響きだが、実際には風化などで穴が開いた岩でも似た表現はあり、逆に人間を穴だらけにする場合は日本語特有の表現らしい。


 川を遡る船は、途中で下りることになった。麓より上は狭く流れが速いため他の川度の共通交通船ではなくなるのだとか。


 こうして船から降りて麓の街を通る途中、とんでもないものを見た。


 高さが10mはある金属製の私の立像だった。え?いや、いつ型なんか。服装が完全に異世界に来た時の白衣なんかでこの世界のファッションじゃないので見間違いではない。


 「ガランドさん、あれは……」

 「悪くないでしょう?創造神様の使徒様だ、本当はもう3倍欲しかったんですが、町中じゃ用地も問題だったんでまあおいおい」

 「まだ作る気なんです?!ていうか3倍!?」

 

 コルコバードのキリスト像か!


 「そらあ、創造神様がこの世界をお想いになって下すった生きた証ですからな。だーんとでけえのを」


 何か問題でも?と心底疑問など欠片もないガランドさん。そりゃあ『新しい玩具きた、これで勝つる!』なノリとは合わないよね……。

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