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とても美しい空だった

 とても美しい空だった。

 天の川がはっきりと見える。

 私はスマホで精一杯写真を撮ろうとした。

 写真が一枚くらいは撮れた。

 そして一眼レフでも撮ろうとした。

 しかし、まもなく赤い霧が出てきて、見えなくなってしまった。




 アールグレイの香る寝室。ベッドの中の彼。

 私に背を向け、静かに寝ていた。彼の体は窓の方を向いている。

 私も横になっていた。

 私はそっと彼に近づき、彼に体を密着させた。

 黒髪に赤い目の人外の彼。赤いネクタイが今日もカッコイイ。

 彼は体をこちらに向け、私の手をみた。

 私の手には、手袋があった。

「おお、ついにやったか!!」

 手袋は魔法使いの印。手袋を天から授かったということは、魔法使いになれたということ。なのだが……

「ついに夢から手袋を持ち帰ることに成功したよ!!」

 私はそう言って喜んだ。

 夢の中で持ち帰りやすいもの、一位は手袋だとネットに書いてあった。

 窓から出て、ベランダにいる女の子に見せに行った。女の子も手袋をしていた。

 女の子も、夢の中から手袋を持ち帰ることに成功していたらしい。

 お互いにお互いの手袋に触れた。よかった。ちゃんとある。ビニール手袋のパリパリした感触。

「ちょ……手袋脱がないと!!」

 手袋を脱がないと、相手の手袋の感触を、完全に感じ取ることができない。

 お互いに手袋を脱いで、そしてまたお互いの手袋に触れた。

 手袋は、まもなく空気中にとろけて、薄くなっていくところだった。

 二人で部屋を片付けたり、シール(夢ではなく現実の)を見つけたりした。

「このシールも持ち帰りたいけれど、目が覚めたら無くなるんだよな……」

 シールは夢から持ち帰りやすいもの二位だ。

 シールを眺めて楽しんだ。




 目が覚めた。

 夢だった。

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