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パーティーのいざこざ

投稿頻度遅くてすみません。これからも頑張っていくのでよろしくお願いします!

「ね、ねえ」

「黙ってついてきて」

そう言われると黙るしかできなくなる。

そして少しずつ会場の中へ足を進めていく。

「皆さんお揃いで何より、相変わらず豪華なパーティー。楽しくない」

 ああ、多分助けてくれたんだろうけどあんまり隣にいたくない。とんでもない目で見られてる。体調が悪くなってきたから参加者のほうを見ていよう。

 そうやって参加者を見ていくと何人か目に入っていった。

 睨みつけるように見つめる狐一族の長、銀髪の少し年老いた男性、殺気を出し今にも襲い掛かってきそうな財前直人(ざいぜんなおと)らがいたが、一番見入ったのは——よだれを垂らしながら今にも料理にありつこうとしている子とそれを止めようとしている二人組だ。

 あの人たちはさっき人探しをしていた、止めるのに苦労しているなぁ。あれ?止まった。何か啞然としている。

 そう思っていると会場がざわめいており、啞然としていたり口々に何かをつぶやいている。

 僕は今とんでもないことを聞き逃してしまったのかもしれない。どうしよう誰か知っている人いたかな、それよりもどうやって説明しよう。

 そう思っているとどこからかマイクが飛んでいき、よだれを垂らしていた子のもとに届いた。

「勝利、君の合図でパーティーがはじま——」

「い”た”た”き”ま”す”!」

 全力の掛け声とともに料理にかぶりつくと周りからは乾いた笑いが起きていた。

 相当おなかが空いていたんだろうな。

「すまない君、少しいいかね」

 そう言ってきたのは銀髪の少し年老いた男性だった。

「あ、はい。なんでしょう」

「すまないな、私は薄刃達治(うすばたつじ)妖屋敷(あやかしやしき)の関係者だ。彼女とはどのように出会ったんだ?」

「ああ、ええーっとそれは」

 血だらけで道案内をさせられそうになったことを素直に言うべきか、それとも彼女の尊厳を守るためにごまかすか。

 そう考えていると右肩から何かが飛びついてきた。

「道案内をしてもらったんですよ。社長」

 まるで当たり前かのように肩に乗たまま答えた。

 え、待って、社長?ただの関係者じゃなく、社長?

 とんでもないことになった。ただただ薄刃紬(うすばつむぎ)さんと話がしたいだけなのに、こんな状況で夢の話なんて聞けるわけがない。さてどうしよう。

「適当に話を聞いているな」

「はーい。…………あ”」

 やばい、僕も何も聞いていなかった。

 紬を見ると焦ったような顔をし目を泳がせていた。

 その姿はまるで小さな子が親にしかられた様子だ。

「……紬」

「ちょっと勝利や夜月と話してきます、失礼しましたー」

 そう早口で言い残し会場の人だかりに消えてしまった。

 あれ?今少しだけ体調が——

「すまないな、あの子はいつもあんな感じで私も手を焼いていて。何か変なことに巻き込まれていないか」

「——っ特に何もありません」

 急に話しかけられたため聞き逃しかけたが、特に難しい質問でもなかったため答えられた。

 そうかと呟くと、じっと顔を見つめられた。

「君、体長は大丈夫なのかね。顔色が悪い、出来る事ならすぐにでも横になったほうがいい」

「あ、えっと」

 確かに体調は悪いが先ほどほどではない。

「いえ、そこまで———」

「おい、成瀬」

 最悪だ何でいっつもそういうタイミングで来るんだ。

「なんでしょう、財前(ざいぜん)さん」

「お前、あれはどうした」

「あれ?」

 いったい何のことだ、正直言って今日いろんなことが起こりすぎて何も覚えていない。こうなったら仕方ないここは正直に。

「ごめんなさい。何のことでしたっけ」

「はぁ?ふざけているのか」

「いや本当にわからなく、て」

 その瞬間目の前にこぶしが広がり、これから自分がどうなるかが直感で分かった。

 あぁ、ただでさえまた体調が悪くなってきたのに殴られるなんて。

 避けられないと目を閉じようとした瞬間、女の人の声が聞こえてきた。

「こんにゃろぉぉぉぉぉぉぉ」

 そういって財前直人(ざいぜんなおと)を投げ飛ばしたのは薄刃紬(うすばつむぎ)だった。

 だが、今の明にそんなことを考えていられる余裕はなかった。

 ——心拍数上昇、吐き気、頭痛が同時に起こっていた。

 やばい、誰かが助けてくれたみたいだけど正直なところ今そんなことを考えていられない。()()()()()()


——壊せ、そうすれば楽になる。


 嫌だ、それだけは絶対に。もう嫌われたくない。


——壊さないのか?ならいい


——俺が壊してやる


「お………じょ、か」


 逃げてくれと言い投げ飛ばそうとしたその手は——

——既に彼女を切り裂いていた。





 油断した、というより忘れていた。()()()()()()()()()()

 周りは鬼が出たと大騒ぎをしていたが彼女には興味のないことだ。

 傷、は浅いから大丈夫か。

 傷の確認をした後、ちらりと彼のほうを見た。

 覚醒途中、これを一人で抑えられていたのは並みの(あやかし)では到底できない。

「とりあえず動きを封じ込めておくか」

そういうと彼女は糸を巻き付けた。

「これからどうするつもりだ、紬」

「どうとでもなりますが、長引かせるつもりはないです。刀を」

 すぐに終わらせると宣言したが、思い出したかのように言い放つ。

「あ、そうそう約束守ってくださいね。見つけたので」

 そういうと薄刃達治(うすばたつじ)は険しい顔をしたが、すぐに首を縦に振った。

 その姿を見るとすぐに戦闘態勢へと入る。


「絶対妖屋敷(うちに)引き入れる」

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