すべてを忘れても
「やあ、お……しょ…ん」
ノイズが混ざってよく聞こえない。目の前にいる彼女は一体、誰なんだ。
「は……むお………さま、ど……た?」
知らない場所だ、窓からさす光で推測できるのは今が夕方ということだけだ。いったい何がどうなっているんだ。
「こういう……は、大た……か…………で対処……る」
ノイズが少し外れてきた。今は何処に、い、
「…………!」
今度は木の上にいる。何か説明をしてくれているみたいだが、正直言ってバランスを保つだけでも精いっぱいだ。お、落ちそう。
「あ…ら…………聞こ…………?」
気持ち悪い化け物を前にしてさらに、彼女は僕より細いところに立っているのに余裕そうだ。僕の心配ませしてくれている、きっといいひとなんだろう。
「ごめ…………でも、これ君にしか」
目の前にいる彼女は血だらけで、泣いている。慰めようとしても腕が動かない。よく見たらあたり一帯ががれきの山だ、よく漫画で見るような世界の終わりに似ている。
「妖屋…………世界を…………んな…………ら救って……」
なにを、、言っているんだ。僕が、世界を救う?そんなこと僕にできるわけがない。僕はみんなからの嫌われ者だ、そんな奴が世界を救ったって誰かの功績として取られるに決まっている。やるだけ無駄だ。
そう思ってもなぜか僕は、首を縦に振ってしまった。
「戻った……は忘れる…………も知れな…………けどいつか…………たら………………ね」
気のせいかもしれない、見間違いかもしれないが、ほんの少しだけ笑っているような気がした。
「ありがとう、明」
今度ははっきりと聞こえた、僕の名前を呼んでくれた。
「暁時来て」
「雑な呼び出し方だね、まあもう慣れたけど」
影の中から人が出てきた、いったいどんな原理で。
そんなこと考えている間に、僕を囲うように光に包まれそして浮いた。
え、浮いた?しかも風が強い、息がしづらい。
「これだけは、こ…けはすべてを忘…………覚え………くれ」
今から何か大事なことを言われるようだが、正直風のせいで聞き取りずらい。
「わた…のなま……名前は」
聞き取りずらいでも、覚えなければ
「あなたの名前は、なんですか!」
やっと声が出せた、しかも大声。正直少し恥ずかしい。
だが彼女は何かを決心したか、僕に向かって叫びだした。
「私の名前は、薄刃紬だ!」
初描きなので、至らぬ点がある狩るかもしれませんがぜひ最後まで見ていってください