2.親子パーティー
「ゴボっ……ゴホ……」
「あ! 龍神王ちゃん! 大丈夫!?」
「う……ゴフうん……」
「あの……お母さん、どうしてここに……」
「え? それは……」
「龍神王ちゃん……アナタいじめられてたのね?」
「え? ぁ、ぃや……それは」
「どうしてもっと早く言ってくれなかったの!? そうしたら止められたのに!!」
「あなたがトラックに撥ねられて亡くなった時は絶望したわ……私も死のうと思った……でもたまたますれ違った高校生があなたの事を笑っていたのを見て、すぐに問いただして拷問して、全てを知ったわ」
「あなたを酷い目に合わせた奴ら、全員殺した。出来る限り惨たらしく」
「すごい騒ぎになったわ……警察も夥しい数で包囲してきて、二人くらい殺したんだけど、撃たれて、死んじゃった」
「ええ……?」
「悔いは無かったけれど、変なお爺さんに案内されてこの世界にやって来たという訳よ。そうしたらアイツらが居たからまた殺っちゃった。一人居なかったけど、心当たりある?」
「え、ああ、それなら大丈夫……」
「ああそれにしても良かった。アナタもこの世界で生きていたなんて! もう絶対離さないから!!」
メキメキメキョ
「ォ゛……ォ゛ッ、やめ……」
「ふうん、このゴブリン面の母親にしてはなかなかの美人と言えますわね……脳味噌とネーミングセンスは腐っているようですけれど」
「龍神王ちゃん、この女の子達は!?」
「ゴボっ、ぇ、ぁ、まぁ、と、ともだ、ち、みたいな……」
「お母様、そうです私達龍神王君のお友達なんです。一緒にこの不思議な世界を冒険する仲なのです」
「まあ! 龍神王ちゃん、立派になって……」ホロリ
「ユニ……よく龍神王なんて名前を笑わずに言えますわね……」
「よければお母様も一緒にどうでしょうか。龍神王君と一緒に旅をするというのは」
「それは良いアイデアね! 私も一緒に行くわ!!」
「えええ……」
「さあ出発よ!! 龍神王ちゃんの行く手を阻むものはぶっ殺す!!!!!!」
「ブフフっ……母親同伴の冒険者とか……マザコン勇者爆誕ですわね……ヒッヒヒヒ」
「ぅぅ……」
「そこのアナタ。なんか言った……?」 スッキラン
「ぃ、いや何でもありませんわオホホ」