9.対話
バサン 夕方
「私たちはホテルで寝てッからお前は適当に野宿でもしていろですわ。まったくお前のせいで報酬の半分が清掃代にもっていかれましたわ! クソがッ!」 ペッ
「…………」 ビチャ
「ほんじゃね」
「フンッ」ペッ
「…………」 ビチャ
スタスタスタ……
…………行ったか……
今の俺には好都合だ
アイツは……
居た……!
一人だ……
殺す……
殺してやる……
ぶっ殺す……
なぜアイツがこの世界に居るのかは分からない……
だがそれを言うなら俺だってそうだ
とにかくやるんだ……
いままで散々死ぬような、というか死ぬ目に会ってきたのも全てはこの時のため……
復讐のためだ!!
いくぞ!!!
ザッ
「ぁ……あの……」
「ん……?」
ウワッこっち見た!
「ぅ、ぁ、ぃゃ、ど……も……」
「は? なんだお前……」
ドクン……ドクンッ……
ビ、ビビるな、俺……
ハァ……ハァ……
「ん……お前、なんかどっかで……」
「あ……! いゃ違、ブッブボボ僕は」
「もしかしてお前、アレか? 名前忘れたけどよ、俺らがいじって遊んでたアレ。そうだろ?」
「…………」
「事故って死んだってのはマジだったのかよ! ハハハどっか失踪したのかと思ってたけどよ! つーか何でここでも制服着てんだよ馬鹿じゃねーのそんな愛校精神強かったのかよハハハハハッ」
「……ぼ、な、なんでこの世界に……」
「は? 知らねーよ。なんか気付いたらいきなり変なとこに居てよ。変なジジイがお前は死んだからどうのこうの言って今ここに居んの。いきなり死んだとかわっけ分かんねーけどな。ま、来たばっかだけどおもしれーじゃんここ。ゲームみてーで」
「……すか」
「しっかし知ってる奴がお前くらいかよ。つっまんね。あーアイツらも来ねーかなー。じゃな。二度とそのキモいツラ見せんなよ」
ザッザッ
「て」
「あ?」
「ま……て」
「はあ? んだよ。なんかくれんの?」
「す……す」
「ッっ(舌打ち)。だからなんだよハッキリ言えよ」
「こッ……こ、ここ、ころす」
「はあ??」
ジャキッ
プルプル……
「す……す……ころ、ころす……」
「何やってんのお前、つか何そのナイフ、殺す? 俺を、お前が? なんで????」
「いや、その、そ、ぃ、じめ、いじめ、の、その、アレで」
「いじめ〜?……あー、復讐ってヤツ? 殺したかったの俺のこと、ふーん。あーそう」
ヴーン
ジャキッ
「なるほどな。この世界じゃあ殺しもありってことかよ」
アイツの手に大剣が現れる……
「変な爺さんから武器と鎧を貰ったけどよ。モンスターより先に人殺すことになりそうだな」
「ま、お前みたいなのはモンスターみたいなもんだけどよ。雑魚モンスター。ハハハハ……」
「…………」
「オラ行くぞブサイク。こっちの世界でもぶっ殺してやるよ!!」
ドウッッ
来た!
ハァッハァッ……
死ぬのは……お前だ……!