6.好機
異世界転生…………
それは現代日本に生きるもの全てにとっての夢と希望と憧れと可能性の象徴といっても過言ではないだろう…………
僕も今までどれほど夢見てきたか……
異世界でバッタバッタと敵をなぎ倒して、名誉と栄光と財宝を手に入れ、つ、ついで、あくまでついでにおおおお女の子からモっ、モテモテになる事を……!
そうだ。
とうとうこの時が来たんだ。
要するに今までのこの世界は僕の本当の世界じゃあ無かった。
今までが異世界だったんだ。
これからが本当の僕の生きるべき世界。
本当の人生なんだ……!
しかし夢みたいだ……本当にこんな事があるなんて……
きっと僕の普段の行いのお陰だな……
色々辛い目にあいながらも必死に生きてきた僕にこの人が目をかけてくれたのだろう……
ありがとうお爺さん……
「なんかキモく……いや、ニヤついておるが、転生する気満々といったところかな? ホホ」
「……は……はい、……ぉ、おお、お願いしますふっ」
きたきたきた……
「ホーそうかそうか。それは良かった。じゃあ早速転生してもらうがよろしいかな?」
「はひゅひ……」
「よーしよしよし。それではレッツゴーじゃ! ホッホッホ!」
部屋に謎の光が満ちてくる……
くくく…………まっていろ異世界……いや、真世界!