8.剛力
「グォオオオアッ!!!!」
ドラゴンはその身に無数の傷を負いながらも、こちらは向かって来た。
「おっ、凄い凄い、体が再生していますわね、凄まじいキモさですわ」
「ぃや……」
「ブサイク、次なる使命は……」
ガシィッ
「私の盾になる事ですわ!」
王女は俺の首根っこを掴むとドラゴンに突進していった。
「グォオオオオオオオオオアアアアアアアア」
ブアアアアアアアアア
ドラゴンの灼熱の吐息。
「無駄ですわ!」
ジャキッ
王女は俺を構えた。
ゴオオオオオオオオオオ
ブスブスブスブス
またも黒炭になる俺。
「ご苦労!」
ドラゴンの懐まで潜り込んだ王女は俺を投げ捨て、一気にドラゴンの背中に飛び移った。
「いきますわよ〜……」
ガッ
王女はドラゴンの顎と角を掴み。
「ぐぉおおおおお……ですわ」
ミシミシミシ……ッ
「グォっ……ガァ……」
ドラゴンが悶え苦しみ出す……まさか……
「セイッッッ!!!」
ギリギリギリギリギリギリブチィッッッッッッッッ
ドラゴンの首を捥ぎ取った。
「ガ…………ッ」
ブシューーーーーーーーーーーーーー…………ッ
ボタボタボタボタパシャシャシャシャ
血のシャワーが降り注ぐ
「ウオオオオオオオオオオですわーーーーッ」
ダッ
ガシィ
「ぇ……」
王女はテンションが上がったのか、再生し出した俺に飛びつき、頭を掴み、首を捻じ切った。
「」
ブプシューーーーーーーーー
血の間欠泉。
「チッ。ドラゴンに比べると血の吹き出方がイマイチですわね」
ダメ出しされた。
ブンッ
ゴロンゴロン
ピトっ
思いきり投げ捨てられ、ドラゴンと一緒に血まみれの生首を並べることになった。
「フフっ」
ユニが笑った。いや笑っとる場合とちゃうから。
こうしてドラゴン討伐の旅は終わった。
夕焼けが綺麗だった。