6.顔面チェック
「達者でな」
「はいですわ!」
ギィィー……
城を出た……
テクテク……
「ふう、ですわ。それではギルドに向かいましょうか」
ギルド
「はい。パーティー登録完了しました」
「ありがとうですわサナテ。全くウチの城の兵士たちときたら役立たずばかりでしたから、少数精鋭の方がかえって良いというものですわね。期待していますわよ貴方達」
「こちらこそよろしく」
お、ユニが心なしかそっけない……ククク……争え……
「アンタも挨拶する」(ドゴッ)
「オゴッ、よ、よしゅしゅしゃます……」
「それでは行って来ますわ。きっとドラゴンの首をとって帰ってきますから期待していて下さいまし〜」
「はい王女様。ご武運を」
ウィーミョ
「王女様お達者でー!」
「ィェリガル様ー!!」
「王女様バンザーイ!!」
「ふふふ。愚民どもが囀っていますわ」
スタスタ……
「ふむ。ドラゴンのすみかはここから東に15km……そこそこですわね」
テクテク
「……」
「……」
「…………」
全員黙っている……
は。そういえばィェリガルをマジマジ見つめるのを忘れていた。
金髪ドリル状ツインテールに碧眼、肩や胴体を金属製のプレートで覆ったドレスの様なものを装備している。バトルお嬢様という感じだ。歳の頃は俺と同じくらいであろうか。ユニがワイルド系ならィェリガルは清楚系といった趣か、さっき見せた残酷性は清楚などとはかけ離れているがとにかく見た目だけでいうなら完全にお人形さんだ。美しいなどというレベルでは無い。ユニとはスタイルもいいしょ
「あなた」
「…………ひ」
「何ですのさっきから」
「他人のことをいやらしい目で舐め回すかのように見つめ気持ち悪い感想まで脳内で浮かべていそうな顔をし腐って……ってちょっと!」
ィェリガルが俺の顔をマジマジと見つめ……な、なんだ……? 恋の始まりか…………??
「ぉ……いや……なん……でしょ……か……?」
「あなた……ブッッッサイクですわねぇええーーーー……!!」
「ぇ……ゃ……」
「こうして近くで見るとマジでブサイクですわ! こんな醜い生き物がこの世に存在するなんて!! 悪い意味で奇跡の産物ですわね!!」
「…………」
「ん? そういえばあなたは人間でしたっけ……本当に人間!? その顔ではゴブリンと間違えられても仕方ありませんわ!! 鏡を見て死にたくなりませんの!?!?!!?」
…………
……どいつもこいつも他人の顔をブサイクだのゴブリンだの言いやがって……
……この世界の人間のデリカシーはどうなってんだよ
俺の元の世界ならこんな事は言えないのに……
……"ポリティカル・コレクトネス"を尊重しろ、クソッタレどもが……っ
「何ですの? 何か言いたい事がありそうな顔をして」
「ぇ……ぃや、別に……」
「言いなさいッ!!!」
「っ……いや、その、ポ、ポリコレ……」
「は? パリコレ? 訳の分からない言葉で誤魔化すのはやめなさい! 今私はあなたの顔が醜くて不愉快だという話をしているんですッッッッッッッッ!!!!!!!」
ドゴォッッッッッッッッッッッ
「!!!!!!!」
は、腹にとてつもなく重い拳が……
「ぅっ、ぉぶ……っ」
「ッゲェエ……!! …………ゲボッ! ぅグボェェ……っ」
ドボボボボ……ビチャチャチャ……
「ガハ……ゲ……ゥゥゲェエ……ゴボっ」
ドロ……っ ビシャ……
う……ゲロに血が……
「フン。ちょっと喝を入れたくらいで情けない……」
「謝りなさい!! 私を謀り、醜い吐瀉物と更に醜い顔面で不愉快な気分に陥らせたことを!!!」
「ゲホっ……ゲホ……ォエ……」
「早く!!!!!!!!」
ググ……
拳を握りしめている、ヤバい……
「す、すびませんでした…………」
「声が小さァいッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!」
「すみまぜんでじだぁあ……!!」
「よろしい。先を急ぎますわよ。あなたのせいでとんだタイムロスですわ。まったく……」
スタスタ
……何で俺が謝っているんだ……?
「ふぁぁ……」
ユニは遠くを見つめながらあくびをしていた……




