5.お姫様
「という訳で早速行きますわよー!」
「よろしくお姫様」
「こちらこそよろしくですの」
「ああ、ゴブリンとネズミ女とパーティーを組むなんて初めてだからワクワクですわ!」
「……」
おお……ユニをネズミ呼ばわり……もっと言ったれ……
「ィェリガル様!」
「ん? どうしましたの。えーとお前は冒険隊隊長のガント。でしたっけ」
「このような訳のわからぬ者どもと冒険などなりませぬ! 私たちが居るではありませんか!」
「えーでも決めてしまいましたし」
「相手は危険なドラゴンなのです! 王女の身にもし何かあれば……」
「ガントよ」
「はっ!」
「お前は死刑だ」
「な……!?」
「お前はィェリガルの意志を尊重せず心を傷付けた。死んで償うしかあるまい」
「なっ……そんな……」
「お父様! それはあんまりですわ!」
「お……王女……(ホロリ)」
「やるならガデラン式超拷問刑にしてくださいまし!」
「」
「おお、366日間366回の異なる拷問を与え死をも上回る苦痛激痛を味わわせる事によって魂を浄化させるというあの刑か。半月ぶりだな。よかろう」
「ガントを牢へ連れて行け!!」
「嫌だッ! やめてくれ! やめッもがグッガッンーーンンーーーーーーッッッッッッッッ!!!!!」
「ふう。ゴミを処分出来て城が綺麗になったな」
「しかし拷問で許してやるとは……優しいなィェリガルは(ホロリ)」
「ええ。一思いに殺すより拷問にかける方が楽しいですもの。私が楽しい旅に出ている間もガントが地獄の苦痛を味わっているのだと思うと全くワクワクが止まりませんわ!」
「はっはっはっはっは。同感だな。流石ワシの子だ」
「はっはっはっはっははっはっはっはっは」
「……では、ユニ君とゴブリン君。娘を頼むよ」
「もしィェリガルが傷つき悲しむ様な事があれば、君達には更に重い罰を受けて貰う」
「分かったね」
「はい」
「…………はぃ」
……なんなんだコイツらは…………
「さあ行きますわよネズミゴブリン! 楽しい冒険の始まりですわーーーっ!!」