17.ギルドへ
テクテク……
あの村からもう20分ほど歩いた、か……
ユニは全く喋らない……無言……こちらを見もしない……
あのさあ……
もっとコミュニケーション取ろうよ!!!!!
喋るのが苦手か!!?
やる気あるのか!!???
勝手に俺を振り回しやがってよ!!!!
俺に謝罪するとかなんかあるんちゃうんかオ!!!!??????
全くそろそろビシッと言ってや「着いたわよ」
「ォ……っ」
見ればそこにはさっきのところと変わらない感じの小さな村があった。
「ついてきて」
「あ……ハぃす……」
真ん中にあるやや大きめの建物に入る。
ここがギルドなのか。ショボいな。田舎の市役所って感じだ。
ギィー……
「いらっしゃいませ」
「んホ……」
ヤバっ思わず声が出てしまった。
受付らしき所で迎えてくれたのは若い女性だ。
眼鏡を掛けロングの茶髪で大人しめな雰囲気でありながら芯の強そうな凛とした立ち姿でスラッとした長身におそらくはギルドの正装であろう服が映えておりそこから醸し出されるなんとも言えない知的さと優雅さがこのショボく古ぼけたギルドに華やかさを提供していおっと忘れていたそのスタイルはまさに「ツっ(舌打ち)」
「あの……ユニさん、そちらの方は」
「ああ、このキモいのは私のパートナーよ」
「ん……ぃや……よろ……ス……」
「え……人げ……?(小声) ……それではパーティー登録されにいらしたという事ですか?」
「そう。レベル5だから出来るでしょ。よろしくね。もちろん私が"リーダー"で」
「えーと、そちらの方、よろしいでしょうか……?」
よろしいでしょうか、とか聞かれても何が良いのかよく分からんわ。
この世界が意味不明だわ。俺は何をしているんだ。チート能力で無双したいんだが。
でもとりあえず。
「お、ぃいですぉ」
「キ……(小声)、はい、分かりました。それではあなたを正式に冒険者として登録いたします」
「こちらをお持ちください」
カードを手渡された。ンホホ、関節タッチだねえ……。
すると、カードに何かが浮かび上がる。文字?
何これ。F……5……と読める。
「そのカードがあなたの冒険者証です。あなたの冒険者としての身分を証明する大事なものなので決して無くさないようにしてくださいね」
「ンはい。わか……した……ォっ」
「が、頑張……ってくださいね」
「ンぉ……ざ、あざ……す」
笑いかけてくれた。
ンホホホ……っ。
可愛いねえ……どう見ても俺に惚れてんねえ……ヤベエなこの子で決まりかなあグホホ……。
「ブふふっ……引き攣ってるし……(小声)」
「ふふひ、はい登録ありがとうねエイミィ」
「はい。ユニさんもお気をつけて」
エイミィかあ……エイミィ、エイミィ……。
「じゃあ行くよ」
「ォ……っしゅ」
ギィィー……
はあエイミィエイミィ……
「ツっ(舌打ち)……ぁー、キモかった……(小声)」
ん、ドアが閉まる直前なんか聞こえた……?
まあ良いや、これから俺の本格的冒険者生活、スタートだぜ!!