10.パーティー結成!
「ヒヒヒひひ……あヒひー……ヒッー……ヒ…………」
「プププ……」
…………
「フヒー笑った笑った。いやこんなに笑ったのは数十年ぶりじゃな。長生きするもんじゃわい。ありがとうよブサイク。これはお礼じゃ」
チャリーン
……チッ
何が礼だ糞婆婆が……
「おっ気前いいわね。銀貨じゃない」
本当ならここで異世界の貨幣を矯めつ眇めつするべきなのかもしれんが、どうでもいい。
「はい、アンタ持っときなさいよ」
「どもです……」
遅れて返事する事により不満さをアピールする俺。
「で、何じゃったっけ。ああ、そこのブサイクの能力がどうのこうのだっけかい」
「ふむふむ……? ほー? ……ンオオッッッ!??????? ウオオオオオオオオ!!!!!!!!!!」
奇声をあげるババア……
「オオ……これはこれは……こんなん百数十年生きてきて初めて視るぞいい……っ」
「いわゆる"不死"という奴か……どんな致命傷を受けようともたちどころに回復してしまうという……」
「へー。不死。私もそんな転生者は初めて見たわね」
ん……? 転生者って、俺以外にもいるのか……?
「いや、ユニよ……"不死"の特徴を持ってはいるが……ただそれだけでは無いようだぞいい……もっと大きな力が……むう、これ以上はワシにも視えん……」
「まったく大したブサイクじゃわい……」
褒めてるのか貶してるのかどっちだよ…………
「ふーん。まあ最初見た時からそんな感じだろうなとは思っていたけど。とりあえず不死って事が分かれば良いや。ありがとう、バア」
「おお……行くのかユニよ」
「そうね、今回は遠出かも」
「むう、気をつけてな……」
「じゃあ行くわよ」
「え、あ、ハイ……」
なんか締まらない能力判明だった……
しかし不死か……思い切り犬に噛まれても死ななかったのはそういう事だったんだろうな。分かってはいたが……
あのババアが言うには更に能力に目覚めるかもしれないって事か? ククク……
ギィィ……
「ふう。じゃあパーティー結成って事で」
「え? あ、はっ……。よ、う、お願いしま……」
「もし勝手な事したら殺すから」
「え…………」
「あ、死なないんだっけ」
「え、いや……」
「ツっ(舌打ち)」
「っ……ぅ……」
「……これ持って」
何かを投げてよこしてくる。
華麗にキャッチ! 出来ない。指先に当たり地面に落ちた。
慌てて拾う俺。恐らく見下しているユニ。二つの意味で。
なんなんだよこれ……? いや二つの意味で。
俺の異世界ライフはこんな筈では……
そして拾ったのは……ナイフ?
「じゃあ早速戦闘訓練といくから」
「ォゥ……はい」
戦闘……
ナイフで……
ま、魔法とか無いのか……?
遠くからこう……
うう…………