9.見てもらう
スタスタ
ガチャッ
街の隅の寂れた家の扉を開けるユニ……
ズキズキ……
チ……クソ餓鬼どもが……っ
ギィィー……
「婆ー? 居るー?」
バア……?
ノソ……ギシ……ギィ……
「なんだい……おお、ユニか。久しぶりだねえ……」
うお……
なんか百歳とか余裕で超えていそうなお婆ちゃんが出てきた……
なんかスゲー……
雰囲気出てきたな……
ファンタジー世界に居るって事を実感させられる……
「ねえ婆。ちょっと視て欲しい奴が居るんだけど」
「ほう……どいつだい」
「こいつ」
う……僕を指差すユニ。
「んん……何だいこの子は」
「んーいや私も会ったばっかで良く分からないんだけど、なんか能力持ちみたいだから」
「へええ……」
ずいとテーブルから身を乗り出し僕の顔をまじまじ眺めてくる……
会話から察するにこの人はいわゆるスキル鑑定士か何かなのか……
やれやれ……ここでユニとこのバ……お婆さんからの喝采でも浴びる流れかな……
「……んんん!?!?!????」
「こっ……こやつ……っ!!」
「どうしたの? なんか視えた?」
キタキタ……フヒヒ……
「ブッッッッッッサイクじゃのおおーーーー!!!!」
…………
「ブふふっちょっ婆ーそんな分かり切った事じゃ無くてさあー」
「いやこんなブサイクは初めて見たのお! こやつ本当に人間か!? ゴブリンより醜いゾイッッ笑いが止まらんわダハハハハハハハハハハハハハハハハハ」
「笑い過ぎだってもう婆ーヒヒヒアハハハハハハハハハハハハハーーーアハハハ」
「はヒャハハハはハハハブッサあはははハハフハハハハはグハッワハハハハハハハハハ」
「アーハハハハハハハヒヒあはははははははッハハハハハはははははちょっ苦しははははははははハハハハハはははははは」
「…………ィャ……あの…………」
「ハハハハハはははははははは
歯あははははははははははははははは
はははははハハハハハはははははははははは
あはははははははははははははははははははは
ハーーーははははっははははははははは
わあああはははははははあははは
ひひひーーーははハァハァドワはははははははははははははははははは
アハアハあはっアハヒヒヒィ…………
ははははははは
あははははははははははははははははははははははは
…………
なんなんだよコイツら………………
気が付けば血が止まっていた……