5.誘い
しばらくぼーっとしていた……
…………
……?
?????!
痛くない?
恐る恐る首に手を当てると、なんと元通りになっていた。
どういう事だ……?
夢だったのか……?
体や服に付いた血は綺麗に無くなっている。
が、地面に滴った血はそのままだった。
何よりあの痛みは夢なんかでは有り得ない。
何がなんだかもう訳が分からなかった。
あっ、誰かが、例えば回復魔法をかけてくれたとかか。
異世界ならそういう事もあるだろう。
そういう事なのか?
ガサ
「ねえ」
「あッ!? お、お?」
さっきの女の子だ……!
「ゴブリン?」
「お……い、いや……」
「ひ、ヒト……です、にんげんです……」
「ふーん、ハーフか何かかな、まあそれはおいといて」
「さっきの見てたんだけどさあ、あれ何? 魔法? スキル?」
体が元どおりになった事か……?
というか僕が犬に襲われるのをずっと見ていたのか……助けもせずに……?
く……なんなんだ……
「いや……ちょ、よく分からない……です」
「ふーん。ああそう」
「もしかしてアンタここの人間じゃあ無い?」
「あ、は、はい」
「ふーん……」
「アンタさあ……私と組まない?」
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