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4.二度目の即死?
鋭い牙が僕の首にぶつりと食い込むのを感じる。
痛い。
とかいうレベルでは無い。
ぷしゅー……っと鮮血が吹き出る。
なおも噛むのをやめない野犬。
ああ……。
異世界に来ていきなり犬に噛まれて死ぬって……。
何だよそれ……。
僕の転生、何だったんだ…………。
意識が遠くなって…………
いかない。
はっきりしている。
何故?
とにかくこの状況を何とかしなくては……!
僕は力を振り絞り、依然咀嚼しまくりの野犬に拳ラッシュを叩き込む!
うおおおおおおおお……っ!
ドゴゴゴゴゴゴァッ!!!!!!
ノーダメージ。
なす術なし。
ガブガブガブ。
ブシュシュシューーーーッッッ
トタタ……
ようやく飽きたのか何なのか、口を真っ赤に染めた犬は何処かに駆けていった。
……
何がなんだか……
首がちぎれかけの僕はしばらくぼーっとしていた……
何故死なない…………?