16話 暴漢
「ふう。やっと終わった。勇次以外の生徒の進路相談もしなければならす、晶子は今日でクラスの子と面談を終えていた。
今日は金曜日なこともあり、生徒たちとの進路相談の記録をようやっと整理できた。
気付いたら時計は夜九時を回り、教員室にはもう誰も残ってなかった。
用務員に挨拶をして、帰宅の途に就く。
彼女の住んでいるアパートは電車で8駅もかかる。母校の大学に違いからと言う理由で選んだのだが、学校に通うのは少々離れていた。
教師になれたのを機会に引っ越しすればよかったのだが、都内と郊外では家賃が格段に違う。
「今住んでいるアパートの家賃では、ワンルームが精々だわ。部屋にベッドを置けばもう何も置けなくなるし、小さなキッチンでは自炊さえ困難だし、バスとトイレが一緒なんて考えられない」
今のアパートより少しランクを落として、高校付近の賃貸物件を探したのだが、彼女にとって安いものは、老朽化の激しい物ばかりだった。
「今のアパートと同じくらいのものとなると、給料の半分も使ってしまう」
それに、大学に入ったのを機に親元を離れ、始めて一人生活をしたアパートには愛着があった。
そんな理由で、晶子は時間を掛けてでも通勤することを選んだ。
「今から帰れば、家に着くのは10時を回ってしまうけど仕方がない。」晶子は学校から駅までの道を一人歩くしかなかった。
学校から駅までは歩いて、約15分。この時間だと流石にもう人通りは少ないが、車は走っているし、コンビニなどの店もある。
夜道に不安を感じることもなく、彼女は通りを歩いた。
途中に歩道が広がり、ベンチが置いてある場所がある。
近所の住人が買い物や散歩で立ちより、休む場所になっている。
そこに男たちが4人、タバコをふかしていた。
その一人だけは立っており、肌着をはだけ、むき出しの肌から刺青が見えた。
明らかに日本人男性でない様子に、晶子は急いで通り過ぎようとした。
ところがその刺青男は、近寄って来る彼女に、急にズボンを下げて、男根を見せつけた。
自分の物を露出し、女性を驚かせる行動だ。
「きゃ」彼女は思わず声を上げ、一歩下がった。
余りのことに、恥ずかしさや驚きが一度に襲う。
そのびっくり顔が面白かったのだろう、男は男性自信を上下に振りながら、彼女に近づいてくる。
喜色悪さに何の考えもなく、彼女は元来た道を戻り走った。
すると、前方にも怪しげな影が現れた。それは彼女の見間違いだったのだが、冷静さを失った彼女はとっさに脇にあった路地に逃げ込んだ。
そこは、彼女が一度も使ったことの無い道だ。
道幅が狭いのだが、ここを抜け道と使う車が多く、古くから、一方通行に規制されていた。
更に数年前に作成された道路計画により、この路地は拡張されることになり、路地両脇の民家は立ち退き要請を受けている。
売却交渉がまとまった家は、空き家となり、家の前は杭が立ちロープが張られている。
誰もいない道に彼女は心細くなり駆け出してしまった。
この慌てぶりに男たちは面白くなって、露出狂の男の後には他の者達も、彼女を囃し立てながら追いかけ始めた。
その男たちの声は彼女の三道も届く。恐怖心に駆られ、無我夢中になって走る。
ただ、前には街灯に照らされた道の両脇は空き家だけが続いていた。
ただ一人、追われることになった彼女はすっかり恐怖心で、逃げることしか頭にない。
そして、右手にはようやく、ロープの張られてない家が見えた。
彼女は助けを求めようとその家に入ろうとして、立ちすくむ。
その家は10年も前から廃屋になっていた。
所有者不明で、区役所でも立ち退き交渉が出来ず、放置されていた。
またその家は、男共のたまり場でもあった。
安アパートの一室に4人で寝泊まりしている者達は、大声あげて飲み食いする所が欲しい。
彼らは先月にこの家を見つけると、強引に鍵をこじ開け、勝手に中を使うようにしていた。
晶子が一瞬だが、廃屋の前で立ち止まってしまった間に男たちは一気に詰めた。
躊躇わずに男たちは、晶子を捕まえ、口を塞ぎ、手足を掴んで身動きできなくしてしまう。
「〇×△」どこの国の者とも分からない言葉を話しながら、晶子を抱きかかえ、廃屋に連れ込んだ。
「やめて、たすけて」彼女は大声を上げるが、男の手でふさがれ近隣に気付かれもしない。
かつては居間として使われた部屋に彼女はどすんと放り出された。
それでも必死に逃げよう、持っていたハンドバッグを振りかざすと、びんたが飛んだ。
顔面を激しく叩かれ、彼女は手足が一時的に萎える。
その隙に男たちは強引に、晶子を床に引き倒し、足と手を捕まえ、衣服を剥ぎ取っていく。
上着は破り取られ、スカートは引き下ろされた。
靴はいつの間にかなくなっている。
下着だけにされた彼女は身を守ろうと懸命に手で庇い、足をバタバタさせて男たち防ごうとする。
だが、そんなことはお構いなし、男たちは一人が彼女の手を掴み、両足を二人がかりで押さえつけた。
男の強い力で、晶子の太股は広げられていく
そして、残りの一人がカッターナイフを取り出し、下着を切り始めた。
刃の小さなカッターでは下着もなかなか切れない。何度か刃を折りながら切っていく。
男たちはそれを焦れることなく、楽しむ様にして、白い肌が露になるのを待っていた。
もう、男たちは皆、男根が膨張し、白い液が先端から漏れ出すまで興奮していた。