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#6契約完了だよ

僕と契約して、魔法オカマになってよ!!


「それであんた、名前は何て言うんだい。」


先ほどいた奴隷小屋の(おそらく)応接室のようなところからババア(バーバラという名前らしい)に案内されたのは、書類のようなものが大量に置いてある事務室みたいな部屋だった。


…いきなり答えづらい質問が飛んできた。

異世界人だってばれたら殺されるかもしれないし、やっぱりここでも記憶喪失のふりをしておくほうがよさそうね。


「……すみません。森であの二人に会う前は記憶がなくて……」



「そんなウソには騙されないよ。」


自分の言葉にかぶさるように放たれたババアの言葉に思考が止まる。





「あんたにはあるはずだよ。”二ホン”で名付けられた名前がねぇ。」





……………………………………………………

………………………………………………………


「…………………………………は。」


空気が抜けたような声が漏れた。


「は、はは、そんなわけないじゃないですか。私は迷いの森で倒れていただけの人間ですよ?」


「…………ハァ…。」


ため息をついてババアは話し始めた。


「あたしが今まで何人の人間を見てきたと思ってんだい。あんたがどんな存在かなんてすぐわかるよ。…だいたい、殺したりするつもりならわざわざ金貨五枚も払うわけないだろ。」


……これは本当のことを話すしかないのかしら。

異世界人だとわかって買い取ったなら、それがバレたとたんに危害を与えられることもないわよね。

まぁ、名前ぐらいなら伝えても大丈夫…?かしら?


「……晃、松村晃よ。」


あたしが名前を口にした瞬間、ババアの右手首から目も開けられないほどの光が放たれた。


――――――――――――――――…………………


光が収まった時、最初に目に入ったのはババアのニヤニヤした顔だった。


「……?…あっ、しまっ……!」


「ありがとうねぇ。これで契約完了だよ。」


ババアの心底うれしそうな顔を聞いて事態を察する。

おそらく、さっきの光は名前を把握することで主従を決定するような魔術が発動したから起こったのでしょう。(ジ〇リの湯屋のババアもそんなことしてたわよね)

このババア…あたしを安心させるような言葉を吐きながらそんな術をかけやがったのね!


「これであんたはあたしの所有物になったんだ。せいぜい高く売れるように頑張るこったね。」


このババア……!

騙された自分も悪いが、こんな性悪な方法を使ってくるなんて!

ババアのニヤニヤした顔を眺めながら何が何でも売れてやるもんか…!

とあたしは固く誓った。

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