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杖の使い方間違えてませんか?




「………」



「…何か…言うことはありませんか、クリス?」



「………」



「………」














「…とりあえず、朝飯食っていいか?」



「………」



直後、ミネルバが持っていた杖を思いっきり振り下ろしてきた。



「ぐふぇッ!?」



どごぉッ!といい音が鳴った。



いやッめちゃくちゃいてぇッ…!



「あー…ミネルバ……その辺で許してあげたらどうかな……ほら、クリスってこういう性格だし…」



「デルタ兄様」



「…はいッ…」



「いつもそうやってクリスを甘やかすからこうなるんです。デルタ兄様としては、クリスは可愛い弟分なのは重々理解しておりますが時には厳しく躾ないといけない時もあるのですっ」



…この暴君…人の頭を杖で殴る事を躾って言いやがりました?



「…いや…でも、強制ではないんだし…」



「強制ではなくとも、暗黙のルールというものはあります。それが許されない事であるならば、やらないのは納得できますが…この村に住む者として、村の伝統をしっかり行うのは間違ったことではないはずです」



「…まさしく…おしゃる通り…」



正論なため、デルタロスは何も言い返せなかった…



そりゃぁ…村に住んでいるからには協力すべき事だとは思うよ?



ただやりたくないとか面倒くさいっ、お祭り騒ぎが鬱陶しいって人もいるけど、あんのはただの迷惑なくそったれだしね?



それに滅多に選ばれる事なんてないんだし、恥とかにもならないし…



…まぁ…でも、結局“結果”は変わらないから俺はやらないつもりなんだが…



「それにクリス。村長も楽しみにしてらっしゃるんですよっ」



「…お前…そこ出すのは卑怯だろ…」



正直、星遺物には全く興味はないが…



村長が出てくれば話は別。



昔から村の皆を暖かく見守ってきた人だからな…頭が上がらないんですわこれが…



「…はぁ……わかったよ……やればいいんだろやれば…」



「…えっ…ほんとっ?」



「ぁぁ」



「嘘じゃないよねっ?だってあのクリスですしっ」



「…どれだけ信用ないんだよ…」



「…だって、普段の貴方を見てれば…」



うわぁ…何も言い返せないわ。



「…すまないクリス…別に無理に参加する必要はないって言ってはみたんだけど…」



「…いや、ミネルバを正論で打ち負かすとか無理だから仕方ないって……はぁ…面倒くさいが、村長の事まで話に出されたら対応しないわけにはいかんしなぁ…」



「ははっ…相変わらずだねっクリスは…」



「……俺の場合、どうなろうが結果は変わらんからな……それならやる意味はないと思ってたんだけど…」



「…ん?…それはどういう…」



「…まぁ急いで飯食うから待ってくれや。食べ刺しで行くのは悪いし…」



「…まぁ…それはそうですね……ちなみにですが…」



「ん?」



「何故、そのような武装をしているのですか?まるで旅立つような…」



「……」



「……」



すぅっと、笑顔のまま杖を構えるミネルバ…



…これは死んだかな?




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