勝手なラブと、無理矢理の泉。
「そ、それは!?何故そなた達が持っているのだ?」
「うふ、未来の世界一の強盗さんが盗んだものよ。」
「その、ヴァルツとやらが?」
「ええ。そうなのよね、ヴァルツ。」
「え、あ、多分。珍しかったから拾った。」
「拾った!?どこでだ。」
「…ああ、すぐそこの滝だぜ。ってか、この泉があることだけは知らなかったぜ。」
あ、気づけばため口だが…。
「悪いことは言わぬ。その虹色水晶を私にくれないか。」
「いいですよ。女神様。」
ラブが渡そうとしたとき、その水晶は俺のものだと改めて気づいた。
「おい!それは俺のだぜ!」
そのとき、ラブがギロッと睨んできたので、
う…。と引いてしまった。
でもなあ、せっかく綺麗なのに…。
「おお、私の水晶…。そなたたちに感謝するぞ。」
「いえいえ、感謝されることはしておりませんから。」
って、確かにお前はやってねえよ、俺だよ俺!
「そして、そなた達に一つ頼み事があるのだが…。
水晶を見つけてもらったのに頼み事をしては
そなた達に迷惑じゃ。」
「いえいえ、女神様。何とでもお申しを。」
勝手に話を進めるラブがなんだか黒く見える。
「そ、そうか。感謝しきれないぞ。
で、内容なのじゃが…この水晶は
赤、ピンク、オレンジ、黄色、黄緑、緑、藍色の7色に光る。
色によって、赤は情熱。ピンクは愛。オレンジは健康。黄色は勇気。
黄緑は余裕。緑は安らぎ。藍色は能力の妖精がいる。
このもの達は、今は行方不明なのだ。それを探して欲しい。
ただでとは言わぬ。願い事を3つ叶えてやろう。」
「で、その妖精ってこの世界にいるのでしょうか??」
「いや、この世界に今はおらぬ。この泉を潜って、妖精界にいって欲しいのだ。」
「でも、それなら女神様が探せるのでは?」
「私はこの世界を守るために女神に認定された者。
ここを離れるわけにはいかないのだ。少しなら良いのだが
時間がかかる。だからそなた達にお願いをしたのだ。」
時間がかかるのか。だまって聞いていたが、
なにやら重大な任務を任せられたらしい。
「任せてください、女神様!」
そして、一度王を呼んで、事情を説明して、嫌々だったが、
泉に飛び込んだ。(ただしくはラブに無理矢理連れて行かれた。)
「頼んだぞ…。ヴァルツとその仲間達。」