虹色水晶と女神?
やっとアジトについたぜ。普通は5分弱でつくのに、20分かかってしまった。
「はぁ、はぁ…。」
「んもう、やーね。ところで、入ってもいいかしら。」
「どーぞ…。」
ばたん。
俺はその場に倒れてしまった。
「うふふ、ヴァルツが今までで盗んだものコレクションの部屋ね。
…これは偽物のモナ・リザじゃない。
…あ、このパールも、カッパのミイラも…。
ねえ、ヴァルツ。なんでここに偽物が置いてあるの?」
むくっ…。ヴァルツは起きあがった。
「ん?あぁ、なんかしらねえけど、珍しかったから。」
「ふーん。」
ラブはあらっ、と言う顔をして、
コレクションの中の虹色水晶をとった。
ラブは黙ってずっと虹色水晶を見ている。
水晶は、人の手に触れると赤、ピンク、黄色…のように、
毎秒違う色を放つらしく、とても綺麗に輝いている。
「ねえ、ヴァルツ、しってる?この水晶、
これね、ある女神がほしがってるの。」
俺は首をかしげた。この世に、神がいるかもわかんないのに
女神なんかいるものか。
「は?女神?」
「そう、女神。」
俺は、あり得ないから嘘だろ、と言い返した。
「それがね、いるのよ。なんなら、行く?案内するわよ。」
ようし、見てやろうじゃねえかと言わんばかりに、
さっそくアジトを飛び出そうとしたとき、
「あれ、ヴァルツまた出るのか?」
「お、王くん。いたの?」
「居たぜ、ずっと。」
「わりぃわりぃ。ちょっとこれから女神に会いに行くんだ。
王はどうする?」
「俺は、寝る。」
「あ、そう。じゃ、行ってくるわ。」
改めて出ようとしたとき、
「は?女神?」
「そう、女神ちゃん。」
王はあわてるようにいった。
そして、ヴァルツも答えた。
「あら?あなたヴァルツの仲間なのん?」
「…そうだけど、って、そいつ誰だよ!」
「ふふ、あたしはラブ。あなた、王って言うのね。」
「ふん、だからなんだってんだよ。」
「あら、かっこいいわよって言おうとしたのに。」
「うるせえ、早くいけよ、ヴァルツ。」
今度こそ出たとき、また重たいラブを乗せて
ラブの案内に従った。