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ローグ・ナイト ~復讐者の研究記録~  作者: mimiaizu
第4章 因縁編
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六日目2

「おはよう、ローグ」

「ああ、おはよう。リオさん」

「……おはようございます」


 帝城の食堂で3人は合流した。3人というのは、ローグ・ミーラ・リオルのことだ。朝の挨拶の時に、リオルはミーラの顔色が悪いことに気付いた。


「ミーラの顔色が悪いようだが具合でも悪いのか?」

「い、いえ、そんなことは……」

「昨日見たアレが原因だ。夜、眠れなかったんだろ?」

「! ………」

「そうか、何かすまん……」


 3人は席に座る。目の前に豪華の料理が並ぶが、リオルとミーラは食欲がない感じだった。二人ともそれぞれ全く別の理由で食欲が落ちていたのだ。ミーラは昨日の恐怖体験、リオルは夜中の会議内容、というのがローグの考察だ。


(俺が会議に出れないのは当たり前だが、内容は知りたいものだ。リオルはそれを伝えるためにも顔を見せてくれたんだろうか? それにしても……)


 リオルが食事に誘う暇などないはずだ。仮にも皇女だ。やるべき仕事があるはずだ。特に今の状況ならなおさらだ。


(時間を作って食事に誘うか。余程、複雑で伝えにくい内容なんだろうな。昨日とは別の食堂に連れてきて、3人しかいない状況にするぐらいだからな)


 帝城の食堂は3種類ある。皇族用の食堂、客人用の食堂、兵士用の食堂だ。今、ローグ達がいるのは皇族用の食堂だ。これまでは客人用の食堂で食事していたのに、今日に限ってこの待遇だ。


(怪しさ満載だな。一般の兵士に聞かれたくないか、俺達を試すためか。どちらにせよ、彼女の望む答えを提示したほうがいいな。それも、俺のほうから――)


 ローグはリオルが言うことをある程度予測していた。だからこそ、彼女が求めてくるであろうローグの本心と方針を先に聞かせて、会議の内容をしゃべりやすくしようと決めた。


「ローグ、ミーラ、食事しながらでもいいから聞いてほしい。実は――」

「王国と戦うぞ」

「……え?」

「へ?」

「近々、王国と戦争をするんだろ。喜んで協力するさ」

「「っ!?」」


 リオルの言葉を遮って、ローグは望まれる答えを先に答えた。リオルの目的が、二人を帝国に味方させることだと推測したうえで答えたのだ。帝国側のはずのウルクスが王国と繋がっていた。多大な情報が流出したのは間違いない。更には、アゼルが事件を起こしているのだ。これに乗じて王国が責めてくる可能性は高い。その備えが必要になるはずだ。


 例えば、王国から帝国に亡命してきたものの協力を得るとか。


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