表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ローグ・ナイト ~復讐者の研究記録~  作者: mimiaizu
第4章 因縁編
163/206

三日目3

 リオルは悲しそうにローグの顔を見つめる。それに対してローグは、心の中で言葉を選ぶ。不用意なことは言えない。


(これは、面倒な相談を持ち掛けられたもんだな)


 そう思ってしまうのも無理はない。もしも、ここでリオルの相談を突っぱねようものなら、これから先、彼女の信用を得なくなるかもしれない。ローグの目的のためにもリオルとの関係は重要なのだ。


 だからといって、リオルの望むような答えをだしてアゼルの助命に成功でもすれば、アゼルのことをよく思わない兵士や家臣たちに睨まれるだろう。そういう者は多い。彼らを通してリオルの関係に支障をきたすかもんしれない。


(……どっちにしても、目の前の彼女との関係に影響を与える。早いか遅いか、という違いがあるけどな。全く面倒なことだ)


 リオルとの付き合いは長期的に友好的なほうがいい。だとすれば、どっちにしてもローグが答えを出すべきではない。ただでさえ部外者だったはずなのだ。


(ん、待てよ? 部外者でないなら当事者……いや、親族で解決したほうがいいじゃないか? それなら、うってつけの人がいるじゃないか!)


 ローグは、ある人物の安否の確認をリオルに聞いてみた。


「リオさん。皇帝陛下は今、どうなってるんだ?」

「ち、父上のことか? 残念ながらいまだに病に臥せっておられる。確かに父上に相談すれば早いかもしれないが、今は……」

「意識はあるのか?」


 ローグは大事な質問をするが残念な答えが返ってきた。


「今は意識がない。一度起き上がって、サーファにクロズクのアジトの場所を教えたらしいのだが、その後で再び眠っておられるままだ」

「……アゼルの自白から毒の種類は分かったりしないか? 特定できれば回復くらいできると思うのだが?」

「兄上は何も知らないようだ。そもそも、毒だってことすら父上が病気になってから分かったからな」

「「…………」」


 リオルの言葉から発せられたアゼルの無知ぶりを聞いて、ローグとミーラは同じことを思った。「頭悪すぎだろう」と。


「皇帝陛下は回復しそうか?」

「……状況は芳しくない。もう毒は飲んでいないはずなんだが……」

「なら、治すしかないか」

「え?」

「ローグ?」


 ローグは無駄のない動きで椅子から立ち上がった。突然の子王道に女性二人は少し驚いたが、リオルが言葉の意味に気付いて動揺する。


「な、治せるのか!? 父上を!?」

「治せるかどうかは分からない。ただ、俺達は魔法使いだ。あんたたちにできないことが、出来てしまう者たちだからな。診てみないと分からないさ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ