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「……ラピスさん、大丈夫でしたか?」

「あら、コンクシェル先生」


軽いノックの後に生徒会室にいらしたのは、監査でもあり顧問でもあるチャーリー=コンクシェル先生だ。


少し長めな焦げ茶色の髪は肩付近でひとつにまとめられ、常に優しげに細められている穏やかな瞳は薄桃色。

20代後半と聞くけれど、落ち着いた雰囲気からか実年齢よりも年嵩に見られることも少なくないようだ。


コンクシェル男爵家の次男で、城で文官を務めた後に、優秀な青少年を育成したいと自ら志願し、ルディア学園で教鞭を取る道を選んだという。

先生自身も優秀で、たいそう惜しまれてルディア学園へ就任したとか。


その心意気、とても美しくてよ。

素晴らしいわ、先生。


「アメシスト君ですか……彼は少々、思い込みが激しいところがありますからね」

「そこが彼の良いところでもありますわ。わたくしは気にしておりませんことよ」


コンクシェル先生は、アメシスト様が先程出ていった扉から入室された。

恐らく廊下で苦々しい顔をした彼とすれ違ったのだろう。やんわりとしたフォローのような言葉を頂いてしまった。


実の所、本当にアメシスト様の言動は気にしていないのだ。

先程も言った通り同じ土俵に立ってやるつもりはないし、何よりぶっちゃけ、これくらいの嫉妬は慣れっこというもの。


わたくしの──『ユリア』の産まれたラピス公爵家というのは、ここ、ルナティア王国において絶大なる権力を誇る名家中の名家だ。


国立時代から存在し、成り立ちは初代国王の弟君が臣籍降下をして興した公爵家というのだからその歴史が伺える。

それ以降も度々王家の血族を養子に迎えたり婚姻関係を結んでいるのだ。

そりゃあ、わたくしとジーク様も婚約者になるってもんでしょう。


つまりは公爵家の中でも、めちゃくちゃ凄い一族、ということね。


そんな家にこれだけ容姿端麗で成績優秀な才色兼備な美女が産まれたのだ。

そりゃあ『妬み僻み』で虐めが起きる貴族社会において、嫉妬の的にならないわけがないというもの。



──ま!『ユリア』を美しく磨くことに夢中で、周りの陰口とか聞こえてなかったけどね!



そうしたらそのうち陰口とかもほとんど消えて、『僻み』が『羨望』に変わっていったのだから、面白いものである。


ニッコリと笑って告げるわたくしに、コンクシェル先生はどこか眩しそうに目を細め、「君は強いですね……」と微笑んだ。


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