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病気の自覚

ヒーローの性癖というか行動が、とにかく気持ち悪いです。

執着、溺愛、崇拝?

相当気持ち悪いのでダメならそっとブラウザ閉じてください…すみません…。

自サイトからの修正転載です。


「いやっ!はーなーしーてー!」


私を抱き込んで来ようとする男の顔を思いっきり両手で押す。


「アキの手の平ちっちゃい…可愛い…俺のほっぺたにアキの手の平…あぁ…っ!ね?もっと触って?」


欲に目を潤ませて甘えたような声を出すこの変態外人男、いつもあんたのスキンシップは過剰過ぎるっ!

やだやだ触りたくない、けど無理にでも顔を背けておかないと絶対キスしてくる!


「ユーリ…アキが嫌がってるから落ち着け、だから嫌われるんだよ」


慌てて助けに入ってくれたハルベルトさんに羽交い締めにされて、やっとユリウスさんから離れる事ができた。

いやー助かった、ハルさんいつも有難うございます。


「久しぶりのアキとデートなのに!離せハル!」


でも諦めてないユリウスさん。


「どこがデート!いい?許可なく抱きついたりキスしたりしたら私すぐ帰るから。今後ハルさんの頼みでも絶対会わないから!」


そういうとユリウスさんは大人しくなった。


「お、俺はアキに会いたいのを、いっつも我慢してるのにっ!プレゼントも全部要らないって受け取ってくれないし、待ち伏せも盗聴もダメっていうから、あれからもうしてないし、ちゃんとアキの言うとおりいい子にしてるのにっ…!」


「おい、それほとんど犯罪だかんな?いい加減に自覚しろ、このストーカー」


蔑むような目で吐き捨てるように言うと、ユリウスさんの目にとろりと熱がこもる。

分かってる、この人はどんな形であれ私の気を引ければそれだけで喜ぶ。そう、それが好意ではなく嫌悪でも。


「あぁ…、アキの可愛い口からそんな汚い言葉が…、その目付きたまんねぇ…。お仕置きされてぇ…」


もうほんと引く!ドン引きだよ!普通に黙ってたらホント美形なのに!


「ハルさん、こんなの連れて観光行く気?」


「すまん、俺が盾になるから。ほらユーリもアキに迷惑かけるな、本当に接近禁止食らいたいのか?観光一緒に行きたいだろ?」


来日して日が浅いハルさんとユリウスさんは京都観光をしたいらしい。

二人は昨日も遅くまでプランを考えていたようだ。私は現地の案内役のようなもの。


「アキを1日拘束出来るなら我慢するよ、ああ、ホント可愛い…キスしたい。汚物を見るような目カワイイ、口汚く罵ってもいいんだよ?できれば二人っきりで…ごふっ!」


釘刺されたのにそんな事言うから、ハルさんに腹に一発入れられて呻いてる。

冷めた目で見た私に気づいて、ユリウスさんは熱に浮かされたような顔でうっとりと私を見る。中身が残念なだけで見た目はいい男。

少し色の薄い、時折プラチナにも見える金髪に青緑の鉱石のような瞳。色素の薄い肌、すらりと背が高く、だけどしっかりと筋肉のついた均整のとれた体つき。

ハルさんはユリウスさんより少し筋肉質で、髪はミルクティーみたいな優しい茶色で、瞳は吸い込まれそうな緑。二人並ぶと雑誌の撮影か?という雰囲気。平凡な日本人の私は綺麗な二人の側にいると、なんだかいたたまれない。


とりあえずハルさんと今日のプランについて軽く詰めながら改札を抜けホームへ。

今日の移動は電車とタクシーが主な移動手段だ。

最初車を出すと言われたが、京都市内を運転するのは絶対ごめんだった。

二人はあまりぴんときてないようだったが、現地で実感するがいいよ…。こんな紅葉の時期に京都市内を自家用車なんてとっても大変だから。






「地主神社でアキとの恋占いするんだ」


やたらと清水寺に行きたがるユリウスさんに理由を聞いたらそんな答えが返ってきた。


「随分詳しいね、清水寺は桜の時期のが私は好きだけどな」


「そうなの?アキが好きなら是非桜の季節も一緒に行こう」


行きの車内の中で観光の話に花が咲く。

窓の外に見える梅小路公園の側を走るSLから煙が上がっているのが見えた。もうすぐ京都駅だ。

京都駅で降りて向かった先は、ユリウスさんが予約していたレンタル着物の店だった。


二人も着物を着付けて貰って、お互い写真を撮りまくっている様子。楽しそうな声が聞こえる。

私も、ユリウスさんが選んだ着物を着付けて貰い、髪をセットして貰っているところだ。

よく河原町を歩いてると見かけるが、京都駅近くにもこうした店があるのは知らなかった。

ここは駅からもアクセスがよく、若い人向けの派手な着物が多い。


「お待たせしました、ごめんなさい。時間かかってしま…」


言い終わらないうちに感激して私を抱き込んで来ようとする男の顔を、思いっきり両手で押す。


「手馴れてきたねぇ」


ヒューっと口笛を吹いて軽く拍手をするハルさん。助けろよ。


いきますよと声をかけタクシー乗り場に向かおうとすると、ユリウスさんがしゃがみこんでる。

もしかして私のせい?と思いつつ近づくと二人が何か話してる。


「アキが俺の選んだ着物着てる…どうしよう…可愛すぎる…」

「立てよ、置いていかれるぞ」

「立てない」

「立ってるだろ」

「立って…ない」

「なんで立てないんだよ」

「…立ってます」


何を話とるんか!!!!


二人を放ってタクシー乗り場へ向かうと、後ろから急いでやって来た二人が、列にならぶ私を見つけ駆け寄ってきたユリウスさんが顔をしかめて言う。


「あ、歩きにくい、脱げそう」

「ビーチサンダルみたいなものでしょ?」

「いや、足袋のせいか滑って抜けてしまいそうだな」


ハルさんまで…そんなものだろうか?

なるべくゆっくりと歩くようにしよう。

タクシーで清水寺の近くまで行き、中に入ってからは二人のテンションが凄かった。

地主神社ではユリウスさんが絶対成就だ!と恋占いの石と石の間をふらふらと歩く。

アドバイスしてもいいよ!と言っていたが、何も言わなくても彼は自力で辿り着いてしまった。それに気を良くした彼は


「アキ!愛の力は偉大だね!俺と結婚して!」

「お断りします」

「なんで!?」


バカも休み休みいえと言いたい。


それにしても人が多い、それさえなければ舞台から見えるのは素晴しい景観。

ハルさんが写真をスマホで撮りながら言う。


「綺麗だね」

「ほんとに」

「俺にはアキのが綺麗に見える」

「ユリウスさんは、まず視力検査をした方がいいんじゃないですか?」

「アキが僕に冷たい!ああ、ゾクゾクする」


変態は黙って景色を見ろ。


清水寺を後にして、そろそろお腹が減ったと言う事だったのであらかじめ予約してあったお店に移動した。


京町屋の風情漂うお店でコース料理。

それもシンプルなもの

丁度3名から個室が利用できるのも良かった。


季節の前菜盛り合わせ

田楽や小鯛の笹漬けなど目にも楽しい。


「凄い、綺麗!食べるのが勿体無いね」


ユリウスさんもハルさんも喜んでいる。

2人ともお箸は猛練習したのでとても上手。


「大根餅、大根なの?餅なの?」


不思議そうに口にしたハルさんは「これ美味い!おかわりしたい」とご満足な様子。

京都らしいお昼ご飯をゆっくり堪能した後は、ハルさんが伏見稲荷を推してきた。


「あの神秘的な朱色の鳥居を見たい」


確かに、独特の雰囲気があるものね。

というわけで京阪電車に乗って伏見稲荷駅へ。

本当はJR稲荷駅のほうが伏見稲荷には近いけどどっちもそんなに遠くなく、徒歩で行けるしね。


「なに!?ドアのところに椅子がある!あのドア開かないの?」


ユリウスさんが驚いて声を上げる。

京阪の車両に乗って、車両ドアが閉め切られてそのドアの前に椅子があるのが衝撃的だったらしい。


「あ~ラッシュ用扉ね、朝は通勤で凄い人が乗るでしょ?混雑緩和のための扉だよ、普段はああやって閉め切って上から椅子がおりてくるのよ」

「日本人は何をしでかすかわからん…」

「ユーリ、同意する。構造が気になるな」


2人がこの椅子はどうやって設置するのかと話し合っているので、Youtubeの動画を見せた。

2人は稲荷駅につくまでその動画を見てずっと興奮していた。

そんなに珍しいのか。


稲荷駅について伏見稲荷まで露天や参道のおみやげ物屋さんなどをゆっくり見ながら歩く。

千本鳥居ではハルさんがヒートアップして写真を撮ってくれと何枚も撮らされた。

あんまりキメて撮っていると、モデルさんですか?などと聞かれたりすることもあり、アジア系の観光客で着物を着ている人は多いが、男性で白人系となるとあまりいないので目立つ。

ああ、美形の隣に居たくない。

目立たないようにこっそり距離を取る。


「アキ、あんまり端に行くと足元が危ないよ」


そういってユリウスさんが極自然に腰に手を回して、蕩けるような顔で引き寄せる。


「許可無く抱きついたりしたら帰りますから」

「抱きついてないよ、大事なアキをエスコートしてるだけ」


言いながらウィンクするのに、嫌味にならないのは美形だからなの?


「慣れてないので離してください」

「うーん、塩対応。それでこそアキ」

「それでうっとりしてるから嫌がられるんだよ、ユーリはがすぞ」


ハルさんがユリウスさんをはがして捨てた。


全部回りたいけど、履きなれない草履では無理だと言う事になり、奥社奉拝所のおもかる石を試してから帰る事にした。


「アキが俺を好きになって結婚してくれますか…?」


ちょっと悲壮な顔をしながらおもかる石に挑戦するユリウスさん。

それを微妙な表情で見守るハルさんと私。


「ん?あれ?思ったより軽い…?って事は!」


いーい笑顔でこちらを振り向き駆け寄ってくる。


「アキ!願いは叶うみたいだ!」

「そうですか、私はさっきやりましたけど、ユリウスさんの好意が落ち着くという願いが叶うようです」


ブッっと吹き出すハルさんを睨むユリウスさん。


「ハルさんは何を試したの?」

「内緒」


ユリウスさんと2人で教えろ教えろと迫ったがハルさんは口を割らなかった。

かなり暗くなってきた中を下っていき、灯りを見るとなんとなくホッとする。

なれない着物を着て、慣れない履物でやっぱり疲れたようだ。

とりあえず京都駅に向かい、着物を返すまでまだ時間があったので、京都タワーに行くことにした。

夕闇に包まれる京都を一望してみると所々とても明るい場所がある。


「紅葉のライトアップしてるとこがあるの、多分それかな」

「わぁお、それ行きたいな」

「また今度な」


行きたいとごねるユリウスさんを適当にあしらうハルさん。

うむむ、私も早くあのレベルであしらえるようになりたい。

そう思っていたらハルさんが私に気づき、困ったような変な表情をして耳打ちしてきた。


「間違っても俺みたいにユーリの扱いに慣れるなよ?それって付き合いが長く濃くなるってことだからな?」


見透かされてましたかー、ですよねー……。


「ハルとばっかり仲良くてズルい…」


膨れっ面になったユリウスさんが子供みたいに手を握ってきた。

ただ…感触を確かめるように手の甲を指でなでられるので、握られた手の反対でぺちっとユリウスさんの手を叩いて抗議する。

ユリウスさんもこんなに綺麗な人なんだから、相手には困ってないだろうに、どうして平凡な私なんか気になるんだろう。

気持ちは嬉しいけど、こんなレベル高い人とどうにかなるなんて最初から期待しないほうが傷つかないし、私にはやっぱり友達というスタンスが一番合っているように思える。

そのうちユリウスさんも好きな人を見つけるだろうから、それまでの事かな。


「アキ、可愛い。着物良く似合ってる。髪下ろしてるのもいいけどアップにしてても可愛い。ちょこちょこ歩く姿もほんと可愛い」


油断してたら、こめかみにちゅっとキスされてしまった。


「油断も隙も…っ!」

「ん?いいよ?怒りに任せて叩いてもいいよ?アキのちっちゃい手で平手打ちもいいかも…」


目元をほんのり染めて期待に満ち満ちた目で、そんな事を言われたら出来なくなっちゃう。やってもユリウスさんを喜ばすだけだし…。仕方なく振り上げた右手をしおしおと下ろしながら、ユリウスさんを睨んでしまう。


「え~?やらないの?」

「知りません、勝手にキスしたりしないでください」

「可愛いものには口付けたくなるんですー、アキが可愛いのが悪いんですー」

「もう知りません」


と言ってハルさんの後ろに隠れる。

本当は心臓がバクバクしてる。

慣れてないんだからやめてよね!ホントにこの人のスキンシップは心臓に悪い。

ゆっくりとタワー内を見学して、いい時間になったのでレンタル屋に向かう。

洋服に着替えて、どれだけ洋服が動きやすいのかに気づく。

着物を着ている時には自覚がなかったが、帯を解いて腰紐を緩めた時の開放感と言ったら!

草履も足が疲れた、靴とは違う部分を動かすせいかな。

髪は綺麗に編みこんであるのでそのまま解かず、待っている二人のところに駆け寄る。


「何かあっという間だったな。どこに行っても人が多くて大変だった」


ハルさんはぐったりしている。慣れない着物や履物で疲れたみたいだ。


「車で来なくて良かったでしょう?」

「ああ、車を止めるだけで並ぶとか、日本人は並ぶ事が好き過ぎる」


ハルさん程ではないけどユリウスさんも少しお疲れのご様子。

悪戯するような気力もないはず。


「夕飯どうする?家に帰って食べる?」

「ハル、お前作る気力ある?」

「あるわけないだろう」


ハルさんとユリウスさんは2人でマンションをシェアしている。

いつもは適宜どちらかが食事を作っているが、さすがに今日は疲れて無理か。


伊勢丹のレストラン街にある、京都の老舗洋食屋さんが母体のイタリアンレストランを選んだ。

店内は同じ階にある他の店より席数が多かったので、待ちがあっても大丈夫だろうと思い決めた。

おかげで程なくして席に案内される。

お隣は男女混合のグループで、話が弾んで楽しそうだ。

お互いの一眼レフの画像を見せあっているのでおそらく観光客だろう。

メニューをそれぞれ決めて、注文をする。


「次来るときはもっと早めの時間にしないといけないな、時間が足りなかった。あと伏見稲荷はもう一度行きたい」

「そうだな、俺は神戸にも行ってみたいよ。アキ、何が有名?」


ハルさんは伏見稲荷を全部回れなかったのが悔しいらしい。


「神戸?ベタな所なら異人館、南京街、六甲山、カワサキのバイクが好きならカワサキワールド、12月ならルミナリエ、あ、日本酒が好きなら灘の酒蔵巡りも面白いかもね」

「日本酒、酒蔵巡りしてみたい。いつ頃がオススメ?」


ハルさんが日本酒に食いついてきた。スマホで調べてたら面白いものを見つけたので見せてみる。


「へぇ、今月末までだけど専用バスが走ってるんだ。試飲するし、これいいな」

「来週なら間に合うから来週末にでも行くか?アキの予定はどう?」

「私は大丈夫だけど、2人が大丈夫なの?」


とんとん拍子で来週の予定も決まった。ん?なんか上手い事流されてしまったような…。

食事を終えて、寄りたい店があったので別れようとしたら、着いてくるというので三人で京都の地下へ。

地下鉄とJRの改札が隣接するところに目的のお店がある。

20時閉店なので急いで店内へ、目的の商品を買えてほくほく。

2人は浮世絵の絵柄の商品を見て


「Oh…」


ってなって欲しそうにしてた。

結局2人ともタバコ吸わないのに、そのシガレットケースを買ってるのが可愛かった。

そのままJRの改札を抜け、目的の新快速の乗車位置に並ぶ。

運よく三人とも座れた。進行方向の窓側に私、通路側がユリウスさん、逆方向の窓側にハルさん。

ユリウスさんは疲れたのか、暫くしたら静かになった。


「今日はすまなかったな」

「いえいえ、楽しかったですよ」

「来週もつき合わす事になって悪い」

「酒蔵巡りとか私だけならしませんし、ユリウスさんも大人しかったですから」


ゆらゆらしていたユリウスさんの頭が私の方に傾いて、彼の柔らかい髪が顔にかかってくすぐったい。


「ふふ、疲れちゃったんですね」

「嫌じゃないか?席を替わろうか?」

「大丈夫ですよ、悪戯してこないから平気です」


その後、2人の最寄駅に着くまでユリウスさんは起きず、その間に来週の簡単な予定をハルさんと決めた。

寝ぼけた顔をしたユリウスさんとハルさんが車内の私をホームから見送ってくれた。







アキを乗せた新快速が見えなくなる。


「ユーリ、寝てなかったろ」

「寝てなかったよ、アキにくっつきたかっただけ」

「そういうのが嫌がられるって解れよ」


その時スマホが振動したので、ハルに目配せをして電話にでる。


「ああ、そうか。PCのほうへ送っておいて欲しい。あと、その中からベストを1つ程スマホに…うん、確認したいから今すぐ」


手短に通話を切る。


「仕事か?」

「いや、違う。帰ろうか」


2人並んで改札に向かう。

来週末の件を詰めていると、スマホがまた振動する。

画面を確認してメールを開き、添付の写真を見て口元がにやける。


「ユーリなんだよ、気持ち悪い」


嫌そうにしているハルに見せびらかしたくて写真を見せる。

それは今日の隠し撮り。

俺とアキが写っていて、瞬間を切り取られた写真はまるで恋人同士のように寄り添っているように見える写真だった。

背景に鳥居が写っている、伏見稲荷での一コマ。

おそらく足元が危ないと腰を抱いた時の写真だ。


「お前…こんな事やってたのか」

「俺はアキに駄目って言われたことはやってないぞ。俺が隠し撮りするのは禁止されたけど、人を雇って隠し撮りさせるのは禁止なんて言われてないだろ?」

「そりゃ詭弁だ。バレたら今度こそ許してもらえないって分かってるのか?」

「バレなきゃいいんだろ?可愛いアキは天使だからこんな事は思いつかないよ。それにハルはアキに言いつけたりしないだろ?」

「そりゃ…言わないが…」

「バレて怒るアキも可愛いだろうな、それもいいけど我慢できなくなったら囲い込むつもりだし、今はこれぐらいで大人しくしてるよ」


駅から徒歩数分のマンションに到着して、オートロックを御機嫌で開ける俺を呆れた顔で見るハル。


「やっかいな奴に好かれて、可哀想だなアキは」

「俺は自覚してるだけマシだと思うけどな。これからも頼むぜ」


玄関の鍵を開けて、室内に入り、苦笑いをするハルの肩を励ますように軽く叩いて自分の部屋に入った。


PCを立ち上げて、今日のデータを確認する。

その中でも気に入ったものを数枚プリントアウトし、壁のコルクボードにピンで留める。

大きなボードにはびっしりと彼女の盗撮写真。


「可愛いアキ、早く俺のものにしたいな」


今日の写真に軽くキスをして、俺はシャワーを浴びに部屋を出た。

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