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人狼少女の奇妙な日常  作者: 夕月 陽奈
オープニング
1/12

第零話 『人狼少女』



どれほど叫んだことか。


苦しくて、喘ぐように呼吸を繰り返しても、その背中の苦痛は消えることがない。

顔をあげれば見える憎たらしい顔に、私は心底憎悪を覚えた。

男の顔は、愉悦に歪んでいた。

醜く、汚らわしく歪んでいた。


どんなに【外の世界】に目を向けても、眩しいだけで何も見えなかった。


どんなに助けを呼んでも、誰も気付いてくれなかった。


絶望して、全てから目を背けたくなっても、私の心にはたった一つの感情が芽生え、育っていた。




──生きたい。生きて、彼女達に会いたい。




それだけを糧に、それだけを支えに生きていた。


だから、私は今日も笑おう。



「おはよう! みんな!」

「おはよ、…ねむ」

「朝からどうしてそんな元気なの?」

「……馬鹿は朝に強いのかな?」


一日一日を噛み締めるように、ただひたすらバカみたいに笑って、この日常の中で生きていくのだ。


それが、私の幸せだから──。

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