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文武平等  作者: 風紙文
第十一章
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帰ろう

……俺が目を覚ました頃には、戦いが全て終わっていた。

それでも、レベルMAXの剣を初めて手にした代償での気絶からこんなに早く起きられたのは、気付いたら手の中にあった、野山さんが置いていってくれた回復石のおかげだろうか。

目を開けて最初に見えたのは、三夜子の顔だった。

「創矢!」

「え、み、三夜子!?」

そしていきなり抱きつかれ、周りで花正や双海さんが見ていることに気付いて離れてくれるように言ったが、大和先生に今はそうさせてやっといてくれと頼まれた。

「それとな、剣の能力を解除してくれ。今色々と片付けを進めてるんだが、剣の能力があればもっと捗るんだと」

俺はエクスカリバーを鞘に収めると、後は剣守会に任せておけと言って、大和先生は行ってしまった。

「あれから、どうなったんだ?」

「うむ、話すと長くなるのだが」

何故か意気揚々と、そして何故か腰に刀を二振り差している花正が語り始めた。

そして聞いたのが、新たなレーヴァテインを取り出した伽行を、レベルを下げた剣を持った三夜子や駆けつけた双海さん達によって倒した話。

そして今は、剣守会の森人さんを中心にこの建物内をくまなく捜索し、まだ敵や偽剣がないか探しているらしい。

「学生はもう帰っても良いって言ってたけど、たけやん大丈夫? 歩ける?」

「あぁ、なんとか」

「肩を貸すぞ創矢」

「いや、大丈夫だ」

三夜子に離れてもらい、ゆっくりと立ち上がって体全体を動かしてみた。

うん、動く。それも右手の中にある回復石のおかげか。

「そうだ、コレを返さないと」

「なら。ワタシに渡せばいい」

声に振り向くといつの間にか音川さんが立っていて、右手を伸ばしていた。

そこに回復石を置くと音川さんは手を握りしめ、

「確かに。晃志郎に渡しておく、もう帰っていい」

「あの、この後はどうなるんですか?」

「分からない。それはこれから色々と話し合いで決まる」

萩浦の質問にそれだけ言い残して、去っていった。

「確かに、これからどうなるのかしらね」

「……そうだな、剣狩りはこうして壊滅した訳だが」

「とりあえずもう剣を狩られる心配は無くなったってことで良いのかな」

「今日戦った剣狩りの人達は、どうなるんでしょう」

「そういや学化さんも剣狩りだったな」

「剣士団もどうなっちゃうんすかね」

「む、そういえばこの借りた剣も返さねば」

「……とりあえず、今は」

そう言った三夜子に俺達の視線が集まり、


「……皆で、帰ろう」


その言葉に、互いを見回して、

「そうね、ここに居ても出来ることは無さそうだし」

「……邪魔にならないよう、この場を離れた方が良さそうだな」

「帰ったらまず、リリに勝利の報告かな」

「明日になればこれからのことも分かるかもしれませんしね」

「今はゆっくり休む時か、こりゃ帰ったらすぐ寝ちまいそうだな」

「あたしは多分、明日には手が筋肉痛で動こかせなくなってるかもしれないっす」

「建物を降りる途中で国守さんに会えれば良いのだが」

「そうだな、皆で帰るか」

「ん……」


俺達は、帰路に付いたのだった。


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