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文武平等  作者: 風紙文
第一章
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隠し事

戦いまで後2日。

朝から雨が降っていたこの日、俺はパズル部の部室でパズルを解いていた。キャストパズルではなく、剣の中に置かれたパズルだ。

教室には大和先生と俺だけで、その先生は何故かマスクをしていた。今日さっき自分で作ったらしく、別に具合が悪いとかではないらしい。だったら何故つけているんだろう……という疑問はそっと心の中に閉まっておいた。

「一応大きさの変化は出来るようになったな」

「はい」

いざ戦いになってからあたふたしていてはいけない。そして何か他に機能がないかを探すため、昨日からこのパズルにしか触れていなかった。

「でも、押川には気を付けないと」

「だよな、でもこそこそ隠してるのはいつかバレるのがセオリーだぜ?」

「それはよく聞きますけど、コレはそうならないように努力しないと…」

「こんにちは~」

扉を開け、押川が部室の中に入ってきた。

「あ……」

瞬間、板を動かしてパズルが揃った剣が元の大きさに戻った。

「あー!」

そんな決定的瞬間を見た押川が指差す。

「あ、いや……あのな、コレはその…」

と、とりあえず落ち着け俺。かなり決定的な場面を見られたが、まだごまかしがきく筈だ。

と思っていたら。

「すっごーい! それもパズルなんだよね!? 武川君って沢山パズル持ってんだね!」

「え? あ、ああ……うん」

パズルには違いないが、大きさの変わるような物がそうそうあるわけない。

「ボクにもやらせて~」

俺は席を立って押川に譲ると、

「え~っと~この板を動かすんだよね?」

パズルの板ををカチャカチャと動かし始めた。

その姿を見つつ、大和先生に近寄る。

「……バレてませんね」

「そうだな、まさか押川がここまで鈍いとは」

「……リリがどうしたの?」

「うぉ!?」

いつの間にか、七ヶ橋が俺達の後ろにいた。

「……アレって」

押川が動かしているパズルを見て、七ヶ橋が呟く。

「……バレてない?」

「驚く事にな」

「……さすがはリリ」

確かに、さすがかもしれない。

それからパズルを動かし続けた押川は、一度だけ動かす手を止めて、

「ところで、これって解けるとどうなるの?」

と聞いていたので、

「えと……バラバラになる」

と、答えておいた。

「へぇ~、という事は周りも動かせるのかな」

再び動かし始めた押川は、部活終了時間までパズルを動かしていた。


……押川が先に帰った後、グシャグシャにされたパズルを直すのに時間を使ったのは、言うまでもない。



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