表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
文武平等  作者: 風紙文
第十一章
251/281

洗脳/救出

side……D組『花正』


「いったい何が起こったというのだ……」

「分かりません……ですが、学化さんが造ったというあの機械が原因なのは間違いないでしょう」


学化さんという人があの機械の説明をした後、眩しい光にわたしは目を閉じてしまった。光が消えて目を開けると、再びあの人は口を開いたのだ。

『皆さん、この声が聞こえていますね? これより皆さんには上の3階に居ます偽剣持ちの人達と合流し、4階より別フロアへ向かってもらい……侵入者を退治してもらいます』

侵入者とはわたし達のことだ。何故偽剣持ちの敵と共に、仲間と戦わなければいけないのか。

誰も賛成などするわけない、そう思っていたのだが。

『諸君! 前進!』

強剣屋のあの人が命令した通りに、周りの人達が前へと進み始めた。

いったい皆どうしたというのか、左右を前を行く人達は一糸乱れずに前へと歩いていっている。

訳が分からないまま、わたしも前に続いて一歩前に出た。次の瞬間、

『待て、オマエもコチだ』

『な、何だ!?』

『静かにしろ、良いから来い』

急に誰かに引っ張られ、前を行く人達とは逆方向の2階へ入る扉の向こう、今来た方へと戻された。

『よし、なんとか数人連れ出せたな』

扉が閉まった所でわたしを引っ張っていたのがホウさんだと分かった。

そしてわたしの他にも

『蒼薙さん、ご無事でしたか』

『無事だったのは僅かに6人、ですか』

『知った顔が残りましたね、兄さん』

『そうだね姉さん、知った顔ばかり残ったね』

萩浦とアルクスさん、双子の4人がおり、わたし達6人だけが残ったのだった。


そして、今に至る。

「あの機械に収められていた剣、レベル5の『波動』と言っていましたね」

「能力が不明だた未確認のレベル5。だが剣と機械を合わせようとする奴が居ようとは。ま、完璧にはいかなかたようだがな」

「うむ、こうして無事なわたし達が居るのだからな」

「後ろの方にいたのが幸いだたな。ワタシは話を聞いている間に目を閉じ耳を塞いでいた」

「ワタクシも、妙な気配を感じたのですぐにお二人へ目を閉じるように言いました」

「そのおかげで何ともなかったよね、姉さん」

「そうですわね兄さん、アルクスさんのおかげで何ともありませんでした」

「僕も嫌な予感がしたので、とっさに」

「うむ、わたしは急に眩しくなったから目をつぶったのだ」

「フム……どうやら耳でなく目が関係しているようだな、発光はそのためか」

あの光を見た人達が、操られてしまったということだな。

その時、萩浦がふと呟いた。

「あの……双海さんも操られてしまったのでしょうか」

そういえば、あの人ならそうそう操られるような気はしないのだが。

「奴は運が悪いな、一番前で見てしまた以上、誰よりも影響を受けたのだろう」

そうだ、強剣屋の人と共に先頭にいたのだった。

「とにかくだ、この状況を他の組に伝える必要がある。オマエ達も手伝え」

「うむ、もちろんだ」

「はい、もちろんです」

「よし、では二手に別れる。ここから隣のフロアに向かい、現状を説明して来い」





side……B組『陽花』


「んー、結構あるわね、隣まで」

「そういえば、こっちにはどの組があるんすか?」

「オレは知らねぇな、おい陽花、お前知ってるだろ」

「いーや、全然」

「は? 分かっててこっち来たんじゃねぇのか?」

「べつにー、ただなんとなくだよ」

ただどっちにしても、隣はみゃーこのいるA組か、翔一のいるD組のどっちかだし。

「さっき以上に楽しくやれるのは確かだしね」

「お前な、一応敵の本拠地にいるってこと忘れてねぇか?」

「んなわけないじゃん。でもやるからには楽しいが絶対良いしさ」

「それは分からなくもないっす」

「ルカまで何言って…」

と、その時、

「あれ? 前から誰か歩いて来るっすよ」

向こう側からやってきたのは、

「アルクスさんだ」

「あの双子もいるぞ」

アルクスさんと双子の3人、てことはこっちは翔一のいるD組の方か。

3人もあーし達みたいに派遣されてきたのかな。それにしては早足で少し慌てているように見えるけど。

などと考えているとあっちもこちらに気付いた。

「あぁ、皆さん」

「どうかしたんですか?」

「それがですね、実は…」


ワタクシ達D組の大半が、敵に洗脳されてしまったのです


………………え?


「原因はD組の中にいた学化という方です。彼はおそらく剣狩りの人間で、その場にあった機械の説明をして使用しました」

「嘘だろ……学化さんっていや」

「あたし達剣士団のリーダーっすよ!?」

「しかし事実です。ワタクシ達は目の前で目撃したのですから」


D組の大半が……翔一のいるD組の……


「残ったのはアンタ達だけなのか?」

「いえ、ワタクシ達含め6人だけが難を逃れました。あちらもこの報告の為に隣のフロアへと向かっています」


D組の大半が……洗脳され……


「どうかしたの? さっきからボーッとしてるけど」

「どうかしましたか? 先ほどからボーッとしていますが」


「……行かなきゃ」


「え? 今なんか言ったか陽花」



「助けに行く!」



言い終わるより早く、あーしは走り出していた。

「あ、おい陽花! どこに行くんだよ!?」

「もしかして、操られた人を助けに行くつもりじゃないっすか!」

「はぁ!? そんなの1人じゃムリに決まってんだろ!」

「ハル! 早く追いかけるっすよ!」

「あぁ! 陽花を止めるぞ!」

「陽花さんに伝え下さい、決して2階の部屋へ入ってはいけないと。恐らくまだ、機械を使用した方が居ます」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ