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文武平等  作者: 風紙文
第十一章
248/281

突入/増援

この話より、4組それぞれにいる人の視点で話が進んでいきます。

side……A組『武川』


「全員揃ったな。よし、行くぞ」

野山さんを先頭に、俺、三夜子、月乃の入ったA組は剣狩りの隠れ家と呼ばれる場所へと潜入した。

建物は六階建てのビルで、剣狩り以外に使っている人などは現在いないらしい。

人数は17人くらい。全部の組がこれぐらいの人数なんだろう。

そして建物の中には、

「……誰も、いない?」

人の姿が、全く無かった。

「敵の気配も無し……か、ならちょうど良い。全員集合」

部屋の真ん中に全員を集めて、リーダーの野山さんは説明を始めた。

「縁達の調査によって建物内の構造が少しだけ分かっている。この建物は特殊な造りになっていて、各階に4フロアが存在し、奇数階から隣のフロアに渡ることが出来ないそうだ。つまりこの一階から隣の組の所には行けないが、二階からは隣に行けるらしい。そしてこの階に誰もいないとなると……上だな」

つまり、二階以降では戦いが避けられないということか。

「気合い入れろよ、ここからが本番だ」

再び移動を開始。野山さんが先頭を歩く集団。決して無言ということではなく、さすがに大声は出せないが各々近い者と会話をしている人もいる。

その中で俺達は俺を真ん中辺りで隣合って歩いていた。

「……上の方で、紫音達に会えるかもしれない」

「そうみたいね、でもそう簡単にはいかない筈よ。上には偽剣を持つ人達か、剣を持つ人が居るんだからね」

「……確かに」

「ただ問題は、どういう風に人が居るかだよな」

六階建てにそれぞれ4フロアで、つまり計24フロア。剣狩りは5人、1人1フロアでも19フロア余るが。きっとそこには偽剣の持ち主が居るんだよな。

「よし、皆止まれ」

階段を上がりきった野山さんが行進を止めた。

階段を上がった二階には、フロアへ入る為の扉と、左右に通路が広がっている。三階へ行く階段は、無い。

「上への階段はフロアの先だ。つまりこの先のフロアを必ず通る必要がある、絶対に何かあると分かってる、な」

野山さんは剣を取り出した。それに続いて全員剣を手に持つ。

「レベルアップ」

レベルを上げ、野山さんの手にレベルMAXの剣が握られる。

「三夜子はレベルアップしないのか?」

「ん……とりあえず、このまま」

三夜子の剣はレベルアップせず双剣のままだ。

「皆、覚悟はいいな?」

野山さんの手が扉に触れる。アレを開いたら、戦いが始まるのか。

「よし……突撃だ!」

扉が力強く開かれ、俺達は中へと流れ込んだ。





side……B組『陽花』


「総員。突撃」

音川さんの合図で二階扉が開き、あーし達は部屋の中へと流れ込んだ。

部屋の中には……

「な、なんだよ、コレ」

「だ……誰もいないっす」

一階と同じで、誰も居なかった。

剣狩りはともかく、たくさん居る筈の偽剣の持ち主も誰もいないのはどういうこと?

「総員。フロア内を警戒、隠れている可能性もある」

あーし達は2、3人組で部屋の中を隅々まで調べた。結果、やっぱり誰も見つけられなかった。

「これってどゆこと? まさか他の場所にはたくさん居て、ここだけ当たりで上まで誰も居ない、とか?」

「そんなわけねぇだろ。きっとまだ上に敵が待ってんだ」

「でも居ると思って入ったから、なんだか少し気が抜けちゃったっす」

調べ終わって全員、先に登る階段のある扉前に集まった。

「捜索の結果。ここの主はすでに居ないと判明した」

すでに居ない? でもここに来たのはあーし達B組だけ、さっき通路があったから来れない訳じゃ無いだろうけど、まさかそんなことする人はいないよね。

音川さんの言葉に質問がされて、音川さんが答える。

「一月程前。剣狩りの1人を捕まえたことがある、ここは恐らくその1人の部屋だった」

確か、武川が襲われたって時の話の筈だよね?

「これを見るに。この先に剣狩りの主力となる人物が構えている可能性が極めて少なくなった、よって先ほどの通路を使用し数人を両隣の組へと戦力として送る」

左右の組に何人か送るのかー

ん? ということは……

「ここより左右には。A組とD組が行動している、志願者がいるなら手を…」

「はい! あーしが行きます!」

真っ先に手を挙げて志願した。

「なら。先ほど共に行動した者達と行って」

「先ほど共にって」

「あたしとハルのことっすよね?」

「分っかりました! ほら行くよ2人とも!」

踵を返し、あーしは足早に通路へと向かった。

「ちょ、おい待てよ! 勝手に動くんじゃねぇ! 行くぞルカ!」

「はいっす!」

いやー、音川さんも中々良い提案をしてくれたものだ。

A組かD組って、Aならみゃーこが、Dでも翔一がいる所じゃん。

どっちがどっちか分からないけど、ま適当に選んで、あーし達は左の方へと進んだ。

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