それぞれの組
それぞれ貰った組分けの用紙から、自分達の名前を見つけた。
結果として、
「皆結構バラバラになったわね」
「だが、これが均等な強さに分けた結果だ」
俺達は4組にまんべんなく振り分けられていたが、
「せめて翔一と一緒だったらなー……」
「あたしはハルと一緒だから良かったっす!」
「オレはバラバラの方が良かったんだけどな」
「わたしはもっとみんなと一緒の方が良かったぞ」
「一緒で良かったですね、兄さん」
「そうだね、姉さん。一緒で良かったよ」
「……私も、良かった」
それぞれ(一部を除いて)納得したようだった。
簡単に俺達の組分けを説明すると……
「……創矢、よろしく」
「あぁ、同じ組だな」
「アタシもね」
野山さんをリーダーとしたA組に、三夜子、月乃、そして俺の3人。
「あたし達のリーダーは音川さんっすね」
「音川さんって人さ、あーしあんまり得意じゃないんだよね。どことなくみゃーっこっぽい、てか猫っぽいんだけど、なーんか苦手っていうか」
「いや、あの人が得意な人なんてそうそう居ねぇよ」
音川さんをリーダーとするB組に、陽花、階田、ルカの3人。
「早山は剣守会の人がリーダーの組ね」
「大和さんも同じ組のようですね」
「……どうやらこの組には、剣守会の人物が多いようだな」
森人さんがリーダーとなるC組は、早山や大和先生、国守さん等。
「同じ組ですね、萩浦さん」
「うん、よろしくね」
「同じ組だね、蒼薙さん」
「うむ、よろしく頼むぞ」
「ワタクシも、お二人共々よろしくお願い致しますね」
先程決まった双海さんをリーダーにしたD組に、花正と萩浦、アルクスさんにレドナとリリィの5人が分けられた。
「この4組で、四方向から攻め込むのよね」
「本物の剣を持つ人は全部で5人、その内3本が、レベル5の剣なんですよね」
「残る2人も、かなりの手練れであることは間違いないだろう」
「そして偽剣を持つ人が何十人も居るんすよね」
「戦闘は避けられないってことか。へ、望むところだ」
「そしてわたし達が必ず、勝利を物にするのだな」
「ねぇ、ちょっと思ったんだけどさ」
「どうしたんですか? 兄さん」
ふと、レドナが疑問を呟いた。
「今日剣狩りを倒すでしょ? その後ってどうするの?」
その後か……強剣屋との共同戦線は剣狩りを倒すまでとされているから、
「そりゃあ、強剣屋と協力する必要は無くなるんだからな」
ならその後は、お互いに願いを叶える為に戦う相手になるんだろう。
そうなると……
「……双海さんはどうするんだ?」
「あー、そいやさっきリーダーにされてたね」
「双海さんのことですので、もしかしたらそのままリーダーになってしまう、ということもあるかもしれませんね」
「……姉さんなら、あり得る」
うん、冗談じゃなくありそうだ。
「皆さん、そろそろ出発のようですよ。組のリーダーの元に集まるようにとのことです」
その場を離れていたアルクスさんが俺達にそう教えてくれた。
俺達は再度、お互いを見て、
「それじゃあ皆、頑張りましょ」
「お互いに、全力を尽くそう」
「相手が傷付けるの前提だからムズいかもだけどさ、みんなケガの無いようにね」
「この中の1人も剣を狩られることなく、勝利を治めましょう」
「どんなヤツが相手だってオレは絶対に負けねぇ、だからお前たちも負けんじゃねぇぞ」
「行くときはわりとバラバラっすけど、中で会えたら会おうっす!」
「ここに居る皆さんが、全員無事で帰れるように祈ります」
「まぁ誰が相手でも、」
「私達は私達なりに戦うだけですけど」
「うむ、みんなで剣狩りに勝とう!」
「……今日で、剣狩りを倒す」
「あぁ。皆、頑張ろう」
俺達はそれぞれ、組分けされたリーダーの元へと向かった。
さて、ここからは4組に別れての行動が始まる。
それぞれ四方向からの視点で、動いていくことになるだろう。