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黄巾無双  作者: 味の素
反董卓連合の章
35/62

番外編武将紹介~袁紹 官渡編㊦~

~曹操 side~


「おおwww猛徳マジ久しぶりwww」


「久しいな……許攸。それでなんのようだ?」


許攸は曹操の少年期の親友であった。


「あ~袁紹マジ無理wwwマジ勘弁www人の話聞かんし俺の家族投獄されるとかwww」


「(どうせ、貴様が賄賂を取っていたのだろうが。昔から金には五月蠅かったしな)」


この時期許攸の家族は法を犯したために投獄された。

また許攸は、朝廷に対して造反を画策したこと、性格的に金銭に強欲な所があるために袁紹にはあまり認められてはいなかった。

曹操の参謀荀イクは「許攸は貪欲で身持ちが修まらない」、「審配と逢紀は、許攸の家族の犯罪を見過ごせない」と言っていたがその通りになったわけだ。


「俺に降ると?」


「おおぅwwwでももちろん手土産もあんぞwww」


そう笑う許攸。


「お前さ?勝ちたくない?wwwこの決戦に勝利できるいい話があるんだがwww」


「ほう、話して見よ(やはりただでは降っては来ないか)」






「袁紹軍の兵糧の大半は淳于瓊の守る烏巣にあるんだわwwwここ攻めればかつるwww」


その言葉に荀攸が思わずはっとする。


「なるほど…盲点でしたね。淳于瓊は袁紹軍古参の将、それほどの重要な命を受けても可笑しくはない。それにここから奇襲として向かうことはできる…」


だが賈クはそれほどいい顔をしていない。


「おそらくは厳重な警備だろうね。それに援軍も来るだろうし。しかもそこを任せられるほどの将だ並大抵ではないと思うけど。曹操様と面識はあるのかな?同じ職場だったからね」


「一緒に西園八校尉として働いた事があるが…よく解らんやつだったな」


そこで曹操は目を閉じ、静かにあけた。

その目には熱き炎が渦巻いている。


「烏巣には俺が行こう。この戦いはここで決まる。俺が負ければ袁紹が、俺が勝てば俺が天下を得る」


「確かにそれが一番でしょう。ここの守りは曹洪に任せるべきかと」


「荀攸の言うとおり曹洪を守将にする。賈クは何かあるか?」


「何もないね。乱世の姦雄がどこまでやってくれるのか楽しみだ。ここで曹操様が勝てば確実に歴史が動く、まあそれでも無理なら」


乱世の姦雄に向けて賈クは笑う。


「そこまでの人間だったと言うことだね」


その言葉に曹操も笑った。






~烏巣 side~


「淳于瓊様?」


「…来るわ」


「へ?」


そこへ聞こえたのは気勢が上がる軍の雄叫び。

響き渡る怒号、断末魔。


「袁紹様に伝令を伝えなさい。私は行くわ」


「っは!!」


「来たか曹操…」


陣幕から出れば向こうに見えるのは赤き炎。

空には延々と煙が立ち上っている。

剣を抜きはなつ。


「この淳于瓊、易々と倒せると思わないことね!!」




『曹操自ら軍を率いて烏巣を奇襲』



「はぁぁぁぁぁぁ!!」


「おおおおおおおお!!」



『烏巣の守将である淳于瓊に苦戦』



「曹操様!?敵の援軍が!!」



『さらに袁紹軍からの援軍により苦境に立たされる』



「落ち着け!!もはや退路など無い!!ならば前に進むのみ!!」



『だが』



「馬鹿な!?こっちは兵が倍以上はいるのに!?」



『曹操、自らの采配によりこれを全て押し返し』



「食料に火を付けろ!!」



『烏巣を攻略、守将である淳于瓊を捕らえた』








目の前には捕縛された淳于瓊。

彼女の鼻は乱戦中に負傷し切り落とされたために無い。


「淳于瓊、お前は何故私に敗北したと思う?」


それに淳于瓊は苦笑しながら答えた。


「何故って…それは天命じゃないかしら?」


「天命?」


「そう天命。こっちは貴方の軍よりも多かったし、援軍も来た。貴方は自ら精鋭を引き連れてきたとしても戦況は私達の方が有利だった。この均衡が崩れたのは天命以外にありえないわよ。わざわざ貴方が尋ねるような事じゃないわ」


そう力なく笑う。


「(昔の仲間に手をかけるのは気が進まぬ。それに俺を押し返した統率力もある。ここは)」


曹操は帰服させようと考えていた。

だが


「ちょっと待てこらwww」


それを遮るように声を上げる者が居た。

許攸である。


「そいつ鼻をやられたんだぜwww鏡見るたびに曹操に恨み募らせるぞ?www切っちまえwww(おいおいふざけんじゃねぇよ。こいつが入ったら俺の立場がねぇじゃねぇか)」


許攸を曹操は一瞥する。

その目には少なくとも好感は抱いてはいない。

静寂が場に満ちた。……だがそれを破ったのは他ならぬ淳于瓊であった。


「曹操殿…貴方はちょっと甘いわ。乱世の姦雄なんでしょ?折角私に勝ったんだからその勝利を有効活用しないと」


「………そうか」


曹操は目をつぶった。

それを見て淳于瓊はもの悲しげに自らの鼻があった場所を見る。

儚げに笑った。


「それに……この顔で生きていくのはちょっと女としてつらいかな」





~終了~



「これにより曹操は鳥巣を攻略に成功。淳于瓊を処断します」


「まさか味方の裏切りによって負けたのか…」


「実はこの奇襲を予見して沮授は淳于瓊を援護するため事前に蒋奇率いる別働隊を派遣し、曹操の奇襲に対応するよう進言していたのです。ですがその意見を袁紹は聞き入れず、結果として後手に回って先の二枚看板に続き、兵を率いる将を失ったのです」


「沮授は解っていたのに袁紹は聞かなかったのか…もしかして袁紹が負けたのは自分の部下の意見をしっかりと聞かなかったからなのか?」


「そうでしょうね。先の田豊、そして沮授。優秀な配下の意見を聞かず、誤った判断をし続けたのが彼の敗因です。もし袁紹が田豊と沮授の意見を聞き入れ、行動していれば負けることはなかったのでしょう」


「仲間を信用することは大事なのになぁ」


「…正直、公孫賛が言うと重いですね」


「悪かったな!!人間不信で!!」


「後実は烏巣に援軍よこしたのにも裏話がありまして」


「……良い予感はしないなぁ」


「袁紹は鳥巣に曹操軍現ると聞くと配下の二人が曹操がいない城を攻めると鳥巣に援軍を出すべしの二つに分かれました。ちなみに城攻めは出れば負け軍師考案です」


「出れば負け軍師……何となく解るのがあれだな」


「それで援軍派は曹操舐めるべからず、曹操がいなくとも城は堅固なり。そもそもそうでなければ曹操自身が出るものかと主張します。城攻めは……まぁ想像つくと思いますが曹操いないんなら楽勝!!って主張です。で袁紹は意見を選べず両方の案を採用しました。これが最後の分かれ目だったのでしょう」


「優柔不断なところが最後までつきまとっていたのか……」


「これにより袁紹は撤退します。これに曹操軍は容赦ない追撃を実行しあと少しの所まで追い詰めますが

袁紹は間一髪逃走に成功。ですがこの時逃げ遅れた者が居ました…沮授です。沮授は曹操とも旧知の仲であったため、曹操は配下に迎えようとしましたが沮授はこれを拒否。曹操は沮授の能力を惜しんで処刑しようとはしませんでしたが、沮授が曹操のもとから脱走しようとしたため、やむなく処刑されました」


「最後まで自らの主君に仕え続けたんだな……」


「さらに悲劇は続きます」




~袁紹 side~


負けた。


天下はすでに曹操へと流れた。

優秀な将も失い、兵糧も失い、度重なる追撃により兵も数少ない。

……そういえば沮授と田豊は戦うべきでは無いと言っていたな。

ふふ、聞かなかったばかりにこの醜態か。


「のぉ、逢紀」


「ん?殿どうしたっしょ?」


「城にいる田豊は今頃どうしているだろうな。田豊の言うとおりだった。田豊の策を聞いていればこのような結果にはならなかっただろうに」


■ ■ ■ ■


城の牢の中に田豊はいた。

既に曹操に敗北したという報告は受けている。


「田豊様!!これで貴方は牢から出られますね!!」


この世話をしてくれている兵とも長いつきあいになってしまっていた。

心配し、私を信じてくれていた兵にとって田豊がこの牢から出られるというのはとても嬉しい事であった。


だが田豊の表情は暗い。


「…田豊様?」


「無理でしょうね」


いつも気が強く、はきはきとした精気が彼女には無い。

声も力ないものとなっている。

思わず焦って兵は声を上げた。


「な、なぜです?田豊様の言うとおりになったのだから殿はきっと」


この言葉に力強く田豊は言う。


「無理よ」


■ ■ ■ ■ ■


自らの主君の声に思わず逢紀は内心ほくそ笑んだ。

自分にとって田豊とは犬猿の仲であり、仲が悪く、常に対立していた。

その田豊を今こそ貶める機会だと思ったからだ。


「殿」


■ ■ ■ ■ ■


「私は常日頃から逢紀とは仲が悪く恨まれている。その逢紀はきっと私の事を殿に悪く伝えるはずよ。あいつのせいで多分私の策は受け入れられなかったしね。それに私が正しいというのは気に入らない、だから……」



「あの小娘は牢の仲でほら見たことかと殿を馬鹿にして笑っておられますぞ?」

「私は逢紀の讒言により殿に処刑される」




~終了~





「この逢紀の言葉により激昂した袁紹に処刑されます。この死を田豊は予見していました」


「そんな…あれだけ忠節を尽くしたのに。ついに袁紹の二人の優秀な軍師はいなくなってしまったのか」


「歴史家の孫盛は、「田豊・沮授の謀は、古の張良・陳平に匹敵するものである」と讃えています。この例に例えた二人は漢の高祖、劉邦に仕えた大軍師です。事実、沮授の進言を無視し始めてから転落が始まりましたし、『三国志』の注釈者である裴松之も田豊のことを「主君を誤ったがために忠節を尽くして死ななければならなかった」と慨嘆しています。さらには郭図もこの敗戦の責任を張コウに押しつけてしまいます。流石のそんなのはごめんとだと感じた張コウ、後に魏を支える名将はこの時を持って魏へと参入したのです」


「後の世にもそこまで言われているのか…なのに郭図、逢紀と許攸はとんでもないやつだよ」


「許攸は曹操軍に降ったあとも傲慢で官渡の戦果は俺がいたからだなどと言って反感を買って処刑されます。ですが逢紀は同じほど憎んでいたはずの審配を、「私情と国事は別問題である」として懸命に弁護してその命を救っています。正直、逢紀についてはよく解りませんよ」


「ん~なかなか判断出来ないなぁ」


「流石の曹操もこの後すぐには北へと行きません。いろいろと戦いで不足していましたからね。そして202年5月、袁紹は失意の中で死にます。当代随一の名声を誇り、河北に君臨した彼の器量は、決して低いものではなくむしろ高かったのでしょう。ですが官渡の戦いでの彼は決断に迷い、沮授、田豊の進言を疑い、終始後手に回った。曹操とは違い、部下を信じ切れなかったのが敗因です」


「だよなぁ…信じれていれば負けてなかったんじゃないかって私も思う」


「ですがここで当主が死んだら起こってしまう例のあれが起きました」


「……まさか」


「ええ、お家争いです。袁紹は事前に後継者を決めてはいませんでした。これによりお家争いが起こります」


「おいおい、親の敵である曹操が狙っているってのに後継者争い始まるのかよ…」


「もともと袁紹は後継者を定めてはいません。彼は長男の袁譚に青州に、次男の袁熙に幽州に、三男の袁尚は溺愛していたのか、手元に置いていました。これで後継者争い起こるなって言うのが無理な話です」


「明確にしとかなくちゃいけないよな…今でも昔でも」


「参謀の審配・逢紀は袁尚を、郭図は袁譚を支持することで後継者争いは起こりました。これを好機と見て曹操は北上、流石にやばいと思ったのか郭図と袁譚は袁尚に増援を要請しますが、逢紀が連れてきたのはわずかな兵のみ。流石にこれには切れて逢紀はデストロイされます」


「うわぁ…」


「最初は曹操軍対袁譚軍で始まりましたが流石にこれはやばいとようやく気が付いたのか袁尚も参戦、この戦いは半年続きます。ですが次第に曹操軍が袁譚・袁尚を追い詰めてついには彼らは敗走、長期戦の構えを彼らはとりました。曹操はここでいったん退きます」


「え?勝ってたのになんで退くんだよ」


「かなり苦戦したんです。それに半年間で進んだ距離もわずかですから袁紹が死んだのだからすぐに河北を平定出来ると油断していたのでしょうね。それに波に乗る曹操軍に半年間も耐えているんですよ?すごくないですか?」


「協力すればそこまで戦えるのに……」


「これも袁紹の失敗ですね。ちゃんと決めておけばある程度は戦えたことがこれで証明されているのですから。郭嘉は「あいつらほっといても後継者争いで勝手に疲弊するから今決めなくても良いだろjk」と曹操に言いました。曹操も郭嘉の進言を受け、勝ち取った都市の黎陽に部隊を留め、許都へ撤退します。そして劉表を攻めると陽動もやります。で、結果また後継者争い」


「えげつないことするなぁ曹操も。というか袁兄弟もやばいことぐらい解れよ…」


「袁尚は数で勝る自軍を率いて、平原にいた袁譚に猛攻撃を行いました。これに袁譚は焦ったのかとんでもないことしでかしました」


「何をしたんだ?」


「曹操に助けを求めました」


「………は?」


「だから曹操に助けを求めたんですよ。曹操に『降伏』し、援軍を要請したんです」


「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」


「一族の内紛の解決に部外者を引き入れるのはとてもやばいことです。というより言わなくても冷静に考えれば解ることですよ。曹操はこれを受理、再び河北へと進軍します」


「馬鹿だ…どうしようもない馬鹿がいる」


「流石にこれには同盟を組んでいた劉表も驚いたのかポルナレフ状態になりました。すぐに二人にはそんな事止めて仲良くしてよと講話を送りますが二人はこれを黙殺します。もうこれオワタ状態ですよ」


「ここまで来たら引けなかったのかもな…」


「袁尚はこの時ギョウを拠点としていましたが平原に攻めたために空っぽでした。これを狙い撃った曹操ですがここで思わぬ苦戦を強いられます」


「え?なんでだ?もう袁家には名だたる人材はいないはずだろ?」


「審配です。軍師審配が堅固な守りを築き上げこれを迎え撃ちました」




~ギョウ side~


「田豊、沮授、お前ら正解だったわ。やっぱ曹操は強いわ」


そう審配は青空に向かってつぶやく。

空にはかつて、主君と共に歩いた仲間の顔を浮かべた。


「曹操がこっちに向かってくるってよ。そんで俺は曹操と戦おうとしてるんだぜ?」


そう自嘲気味に笑う。


「馬鹿だよなぁ。勝てるわけ無いのに。既に俺がここで戦おうが天下は曹操の元に流れたってのよ」


兵は倍、いやそれ以上。

援軍の見込みはない。

誰がどう見ても、自身がどう考えても結果は分かりきったことだった。


「許攸みたいに投降したほうが楽だってのによ。やっぱここで俺も下ろうかね?」


そう顔を俯けた。


その時


「大丈夫たるものは垣根に隠れてまで生きようとするものではない!!」



「!!」



その声にとっさに顔を上げて辺りを見回す。

誰もいない。

いるのは自分一人だけだ。


だが聞こえた。

確かに聞こえた。

もはやこの世にはいない。

居ないはずの、二度と聞けないはずの声が。

しばらくは馬鹿みたいに突っ立って唖然とした。

だが


「っくはは……ははははははははははははははは!!ひぃひぃ……っぷ、ははははははははははは!!」


笑いが込み上げてきた。

何を迷っているんだ俺は。

答えなんざ解りきっているだろうが。


見た瞬間、一目見て気が付いた。

この方についていくと決めた。

この方を主君として生きていくことに決めた。

この方の王道を歩むと決めた。



袁紹様こそが私の唯一の主君だと。

袁家こそが私が輝く場所だと。


「ああ、酷い君主を持ったもんだ。そこはさ、せめて生きろとか言うところだろうが。それにしても難儀な人を主に持ったもんだね。まさか死んでも出てくるとは」


歩く。もはや迷いなど無い。

敵は確かに多い、そして練度も高い。だがそれがどうしたというのだ。

俺はなんだ。俺は軍師だ。

それぐらいどうにかしなくって何が軍師だ。


その目は爛々と輝き、口には笑みが浮かぶ。


さぁていっちょやるか!!


「一世一代!!袁家の軍師ことこの審配!!袁家の栄光と王道を見せてやるよ!!」


■ ■ ■ ■ ■


「さぁ行け!!敵は我らよりもはるかに少ない!!このような小城などすぐに落とせる!!」


迫り来る敵!!敵!!敵!!

自分の倍、いやそれ以上の数を有し、練度も高く、士気も旺盛。

だが小城などってのはいただけねぇ。

ここにいるのは袁家の軍師たる審配だ!!

軍師ってのはどうにかならねぇ状況をどうにかするためにいるんだよ!!


「矢を三段うちで放て!!お客様には絶え間なき矢の雨を喰らわせてやれ!!」


「審配様!!敵兵が城壁に!?」


「慌てんじゃねぇ!!熱い煮え湯をごちそうだ!!石のおまけもつけてやれ!!」



『204年春、袁尚不在の鄴を守るのは、補佐役の審配』



「っは!!曹操の内通者を見逃すほど俺はお優しくはないんでね!!」



『曹操軍は敵の内通を利用したり、』



「おいおい、穴攻めとは公孫賛の時の意趣返しのつもりか?本家にやるとは馬鹿じゃねぇの!!」



『穴攻を試みたが、全て失敗』


「全軍一軍となってあたれ!!」


『審配の巧みな反撃に苦戦を強いられた』


■ ■ ■ ■ ■


「まさか……ここまで審配がやるとは」


曹操は思わずため息をついた。

彼に優秀な人材を推挙し続けた荀イクは審配はたいしたことは無いと評価を下した。

「審配は独り善がりで無策である」と。だからこそ驚く、その評価が外れたことに。

このままここを攻めても被害が増すばかりだ。


「仕方がないな……周りの拠点を落としここを孤立させる。更に水攻めを行うとしよう。そうすればいくら審配といえども降伏するはずだ」


周囲の川を決壊させて水攻めを敢行。完全に審配は孤立した。


だが彼はそれでも諦めない。

波のように押し寄せる曹操軍。

それらを全て防ぎきる。



だが207年8月


軍は限界を迎え、東門にて審配の甥、審栄が門を開放。

曹操軍が城内に雪崩れ込み、市街戦。


審配は捕らえられた。


「審配。お前はよくこの城を守った。それをとぼすものなどいない」


目の前には曹操。

俺は今曹操の前で縛られている。

俺は縛られるんじゃ無くて縛る側が好きなんだけどなぁ。


「審配、この曹操に下れ。お前のその才覚はここで散るのには惜しい。共に乱世を生きるのだ」


おおう、あの曹操からの誘いか。いいねぇ。

俺にはそこまでの価値があるのかい。


「その才、私のもとで使う気はないか」


その答えは一つに決まってんだろ!!


「無い!!この審配の知略、髪一本まで俺は袁家のために用いる!!」


「……最後にもう一度聞く。この曹操の元に来る気はないか?」


「くどいわ!!俺は袁家の臣下なり!!二君に仕えるなど怖気が走る!!我が主は北にあり!!」


「……沮授といいお前といい袁紹は良きは配下を持った者だ。お前達が最後まで貫いた忠誠、長く語り継がれるだろう。連れて行け」


袁紹様……今、貴方の元へ行くぜ。


「袁家に栄光あれ!!」








ザシュッ


『審配は主君である袁尚を方角を向いて処刑された。死ぬまで貫いた忠誠、審配は袁家に仕え続けた忠義の将としての烈士の名を死して得た』


~終了~



「なぁ、お前審配好きだろ?ひいきしただろ?」


「ああ、大好きさ!!ひいきもするさ!!」


「そこまで来ると清々しいなぁおい!!」


「曹操は審配に投降を呼びかけましたが彼は断としてこれを拒否して処刑されました。これを機についに袁家の瓦解が始まります。その後北へ逃げた袁尚を袁譚は無断で攻め。これにより口実を曹操に与えてしまいました。主君である袁譚及びその軍師の郭図、彼らはなんと曹操軍を一度押し返しましたが戦死。袁尚は烏丸族へと助けを求めましたが…」


「求めたが?」


「張遼が無双で烏丸族を撃退します。張遼はまだ敵が陣形を完成していないのを見ると突撃。遼来々で敵将を討ち取り倍以上の数をあっさりと撃退します」


「張遼…すごいな」


「実は作者は三国一番の武力チートは張遼だと思っています。なんですか呉の大軍十万を八百の兵で撃退するって。しかも正面突破で。張遼は是非武将紹介したい人物の一人です。これでさらに公孫康の元へ逃げますが…首だけにされて曹操へ送られます。これで『四世三公』と呼ばれた名門袁家は滅びました」


「なんだか袁紹はちゃんと聞けば勝っていたような気がするな……」


「私もそう感じますね…後継者争いもなければまともに戦えてちょっとは違う歴史になったでしょうに。虎の子は虎を産むとは限らない、呉や蜀も同じですが、ちょっともの悲しさを感じちゃいますよね」







これで袁紹の武将紹介は終わりです。作者はもうこれは官渡とか滅亡まで書いても良くねと書きましたがいかがだったでしょうか?作者は楽しかったです。

次は張遼や甘寧などの手頃な恋姫武将を紹介できたらと思います。


お付き合いありがとうございました。



これにて武将紹介終了。

次回は劉備と出会ってなんかうんちゃらかんちゃらする回です。

その次がおーっほっほっほ。


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