番外編武将紹介~袁紹 官渡編㊤~
「さていよいよ官渡の戦いです。曹操は示威行為として曹操は兵を率いて黄河を渡り、黎陽に進軍します。さらに于禁が別働隊として延津に移動。対袁紹の陣を形成します」
「いよいよ戦いが始まるわけか」
「いいえ、この曹操の行為に袁紹は動きません。公孫賛の引きこもりは約二年も続いたので早々には動けなかったんですよ。それに公孫賛との戦いが終わってまだ半年、いろいろ足りません。ここからはしばらくこの状態が続きます」
「あれ?じゃぁなんでこの時期から始めたんだ?」
「それはこの時期、袁紹軍や曹操軍にとって命運を分ける出来事が多くあったからです。まずこの時期、曹操の宿敵であった張繍軍が曹操軍に下ります」
「へ?た、確か張繍軍って曹操にかなりの打撃を与えたりしている敵だろ?確か息子も殺されたはずだ。曹操を敵としている袁紹につかなかったのか?」
「たぶん賈詡の進言では?あの人ほど世渡り上手な人はこの三国時代にはいません。おそらく賈詡は曹操の勝ちを予測していたのではないかと。それに曹操軍の数が少ない今こそが、彼の息子を殺した罰を受けることはなくそのまま投降出来る、そして大変に良い扱いを受けるだろうということを理解していたはずです」
「ふむふむ…」
「ちなみに賈詡は赤壁での敗北を予測していました」
「え!?それは本当なのか!?」
「はい、他にもたくさんの敗北を予測し、曹操に進言しますが…まぁ聞かなかったので。作者から見て賈詡の進言はほぼ100%です。チートですチート。孔明よりこの人です。この張繍軍の投降には曹操さん大喜びだったようで領邑二千戸という半端無い恩賞を与えています。これすごいですよ?魏への建国の際にあの張遼に与えられた領邑が二千六百戸と言えばどれほどのすごさか解ると思います」
「これを見極めて賈詡は下ったのならすごいな……」
「そしてこの翌年、反曹操の水面下で行われていた作戦が露見、全員デストロイ。さて、この件には劉備も噛んでいました。そして曹操による劉備討伐軍が形成されます」
~劉備軍 side~
「この張飛様に任せれば王忠なんざ雑魚雑魚雑魚ぉ!!」
この時期、曹操軍から送られた兵を劉備は撃退、おそらく張飛ががんばった。
「さすが益徳!!俺らに出来ないことを平然とやってのける!!そこにしびれる憧れるぅ!!」
「へへん、ん?………」
「あ、益徳どうしたよ?」
「……やべぇぞ義兄。曹操が来るみたいだ」
「……マジ?」
「マジ」
「………」
「………」
劉備の選択肢
○逃げる
○逃亡する
○すたこらさっさ
「よし!!逃げるぞ!!」
「あ!?ちょっと待ってくれ!!雲長はどうするんだよ!?あいつまだ下邳だぞ!?」
「大丈夫だって!!あいつにゃ曹操を引きつけてもらえばいいさ!!なんかその気になれば千里の道を曹操軍から帰ってきそうな気がするし」
「ちょっとまて!!それ言ったら俺は長坂坡で仁王立ちしなくちゃ行けない気がするぞ!?」
「ははは!!な~にこの機会に雲長に引きつけてもらってれば袁紹がこっちに来やすいだろ?長く引きつければ引きつけるほど美味しいぜ!!それにたぶんあいつなら大丈夫だろ!!」
「……それもそうだな!!よっしいくか義兄!!」
「おうさ!!」
~関羽 side~
がんば♪
劉備より
「………」
「あの~関羽様?」
「ふ」
「ふ?」
「ふざんけんな!!あの馬鹿共が!!耐えられるわけが無いだろうがぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「で、では曹操に下るので?」
「……いや、それは無いわ。しかし、一時的にだが曹操に頭を下げるしかなかろうに(ハァ」
~終了~
「というわけで関羽は曹操に一時的に下りました」
「………(唖然)」
「あ~驚かれてもしょうがないかなぁと。まぁこの劉備の読みははずれてしまうんですけどね。劉備の願いは叶わず袁紹は動きませんでした」
「え……関羽の犠牲は?」
「ぶっちゃけ無駄です。それどころか投降した関羽のおかげで袁紹軍は二枚看板を切られてますし」
「……と、ところでなんで袁紹は動かなかったんだ?攻めるのには絶好の機会だろ?それに戦いが終わってしばらく立つし準備も出来てたんじゃないか?」
「あ~それはまた袁紹サイドで見てもらいたいと思います」
~袁紹軍 side~
「あ~もう!!なんで劉備が反旗を翻した時に攻めなかったのよ殿は!?」
そう怒るのは田豊。
「だ~か~ら~子供の病気だったって言ってるっしょ?ばぁさんしつこいっしょ」
そういらだちながら言い返すのは逢紀。
「子供の病気ぃあんた馬鹿!?天下を狙うのに子供の病気ぐらいで期を逃してどうするのよ!?それに何が婆さんよ!?私は永遠の17才よ!!」
逢紀の胸ぐらを掴んでガンガン揺らす田豊。
小さな体に似合わない大声で怒鳴り散らす。
「耳が痛いっしょ!!俺に怒っても困るっしょ!?あと永遠の17才は痛いっしょ!?」
「な~に~」
「ちょ、その剣をしまえっしょ!!」
「二人とも落ち着けや。これぐらいで落ちるほど袁家は弱かねぇよ」
そう呆れながら仲裁に入ったのは審配。
「お前名前的に逆の態度とれやwww」
そうぷぎゃーと笑うのは許攸。
「お前達、そこまでにしたらどうです。袁紹様がいらっしゃいますよ」
落ち着き冷静な態度を崩さないのは沮授。
彼らが袁紹の軍師達である。
「ふむ…。それでは軍議を始める。沮授」
そう威風のある声を放つのは袁紹。
今、彼らは対曹操による話し合いを始めた。
先に口を開くのは沮授。
「公孫賛は凡愚な者達しかいませんでしたが曹操軍は精鋭。公孫賛よりもおそらく苦しい戦いになります。田豊殿はどうお考えで?」
「私は断じて反・対!!曹操と対決する機会はもう無いわ。それに公孫賛との戦いの傷がまだ癒えたって言うわけじゃないでしょ。そんな状態で戦うことなどせず、気長に待てばやがて勝手に曹操は弱体化、対する私達は強化される。それに都の帝に親愛なる手紙を送ればいいじゃない。曹操が邪魔したら逆賊扱いできるし、ここはじわじわと追い詰めるべきよ!!」
「あ~悪い田豊。俺は賛成だわ」
頭をかきながら声を上げたのは審配。
「こっちは数倍の兵力だ。それに先の大戦でいくら疲弊したからってまだまだ戦えるぞ?ここは勢いがあり、曹操の兵の数が増えない今が好機だ。俺も曹操の強さを知ってるが時間与えたら駄目だろ。やっぱ攻めるべきだと進言する……てか沮授。お前の意見聞いてないんだが」
「私は田豊に同意します、今は戦う時ではないでしょう。曹操は敵が多い、今ここで最大勢力である我らが負けてしまっては取り返しがつきません」
「最☆強の俺らが負けるとかwwwマジあり得ないしwww」
「可能性です。ですがその可能性は今高く馬鹿に出来ない。長期の構えをとれば確かに曹操の力も上がりますが現状で最高の力を私達が持つのであればそれ以上の勢いで我らの力は上がり、曹操は追いつけないでしょう。なにも不確定な今、決戦に向けて動く必要はありません」
「……っち」
彼らの話し合いに袁紹は動かず耳を傾けていた。
場は均衡状態。
だがそこに一石を投じるものが現れた。
「ぎゃははははは!!」
「「「「「(この不愉快な声は…)」」」」」
ある者は顔をしかめ、ある者は笑い、ある者はあくびをしている。
彼の名は
「今ぁ戦わずしていつ戦うわけぇ?お前らひみより過ぎてんじゃねぇかぁ?天下の袁紹が曹操如き小童に負けるとか言いたいわけぇ?」
そう嗤うのは
郭図。
彼もまた袁紹の軍師である。
この時、袁紹が動いた。
「私の意見も郭図や審配よりだ。もはや曹操の行動は目に余る。今こそ私が動くべきだ」
「なっ!!」
この言葉に三者三様の様子を見せるがその中で一番驚いたのは田豊。
「馬鹿言ってんじゃないわよ!!」
「……田豊、これはもはや決定だ。もしや私の決定に口を出すのか?」
「当たり前よ!!何を望んで君主を死地へやる人間がいるのよ!?」
「田豊殿、そこらへんに…」
「沮授は黙ってなさい!!殿!!私は断じて反対よ!!殿のためにもこれを認めるわけには行かないのよ!!」
~終了~
「なぁ、いろいろおかしくないか?」
「大丈夫だ、問題ない。この君主の決定に田豊は強く反対します。ですが袁紹はこれを拒否。それでもしつこく言う田豊、ついに投獄されてしまいました」
「な、おいおい……これはいくら何でも短絡的じゃないか?いろんな意見が出るから反対意見も出るのは当然だろ?確かに強く言い過ぎかも知れないけど投獄は」
「これには実は裏話があります」
「裏話?」
「はい、逢紀は田豊と不仲であり、それと同時に田豊の正直さとその才を恐れ、 袁紹に讒言(上司に対して根拠の無い中傷を述べ、相手を陥れること)を行なっていました。 その為、袁紹は次第に田豊を疎んじるようになっていたのです」
「なるほど、それにしてもまさか子供の病気のためにとはなぁ……これも田豊が言ったからあれなのか?」
「でしょうねぇ。あそこで田豊の進言通り攻めればおそらく袁紹は勝っていたと思います。この時期の袁紹は常に王道を意識したような行動が多いです。背後からの奇襲は王の道ではないと感じたのかも知れません」
「絶好な機会を逃してしまったわけか……。ってことはこの呉の戦いは田豊の言うとおり攻めない方が良かったのか?」
「あ~その件に関してはすんごく難しいです。実際に曹操よりもはるかに軍力は上でしたし、田豊の進言も正しいっちゃ正しいのです。様々な戦略で勝つ手段も十分あったのですよ。ですがこの後に私は袁紹がとんでもない間違いを犯したと感じます」
「とんでもない間違い?」
「ええ」
~袁紹 side~
「なぁ袁紹様よぉ」
そう声を君主にかけたのは郭図。
「郭図か。申せ」
「俺はよぉどうしても危ないと考えてることがあってなぁ」
「……なんだ」
ニタァと嗤う。
「沮授さぁいくら何でも権力集まりすぎだろ?」
「………」
「確かにあいつは有能だがなぁ監軍の役目全部は大きすぎね?公孫賛の時から思ってたんだよ。あいつこの戦いに反対してたぜ?それに何だか曹操にも評価されてるし?これってさぁ」
その笑みをますます歪める。
「不味くね?」
~終了~
「袁紹は沮授が統括していた監軍の役目を郭図・淳于瓊に三分割してしまったのです」
「これってそこまで酷いことなのか?よくわからないけどさ」
「これだから残念って言われているんですよ(はい、これはすごく不味いのです)」
「なぁ……考えていることと言ってること逆じゃないか?あ、目から汗が」
「この沮授が監軍の統括をし、他の者達が足なり腕となるのは公孫賛戦で完成された必勝パターンなのです。どれぐらいの必勝パターンなのかというと
例①
「もう、何も怖くない!!ティロフィナーレ!!」→マミる
例②
「やったか!?」→やってない
例③
「大丈夫、テストまであと三週間もあるし、直前に勉強すればいいや」→結局勉強しない。
例④
アンパンマンの顔が濡れる→「新しい顔よ!!」
例⑤
「お前のライフはゼロだ!ひょっひょっひょ!」→「何勘違いしてるんだ?まだ俺のターンは終わってないぜ」
ぐらいのパターンです。
もう勝ち確定です。
それ以前に一大決戦前だっつうのに指揮系統の大幅な変更するのははっきり言って馬鹿ですよ。そして沮授はこれを知り「ああ、我が軍もここまでか」と事前に敗北を予見します。官渡に行く前に一族の財産分与をしてから戦に出かけました」
「負けるのが解っていたのに戦場に行ったのか……」
「沮授は袁紹の本当の軍師です。河北四州はほとんど彼のおかげでなったようなもの。劉備に孔明、曹操に荀彧、孫策に周瑜 、袁紹に沮授ですよ。戦と内政、両方に深く通じる彼を使いこなせなかったのもまた袁紹の敗北の原因なのでしょう」
「そこまでの存在だったのか……羨ましいなぁそんな人材がいて」
「……(哀れみの目)」
「いや、せめて否定してくれよ!?」
「いや、人間不信になる人には無理じゃないかと」
「っっがは!!」
「この後陳琳によるスーパーぷぎゃーwwwタイムというなの檄文を得ていよいよ官渡の戦いの始まりです。ちなみにこの陳琳の文は今でも探せば見られるのでどうぞ見てみてください」
「いよいよ官渡の戦いか……」
~袁紹軍 side~
「まずは黄河の渡河、圧力をかけながら南下しましょう」
沮授はそう進言する。
そもそも渡河は時間がかかり、兵も一時的に分断される。
更に進軍も遅くなるために奇襲されるとやっかいだ。
古来より渡河中に攻撃されての敗北はよくあること。
なればこそ圧力をかけて退かせれば
「あ~なにぃ言っちゃってんの?」
声を上げたのは郭図。
「だ~か~ら~初陣でそんなびびってちゃ話にならないだろうがぁ。袁紹様、まずは顔良将軍を先行部隊として投入しようぜぇ。華々しく錦をかざろうじゃぁねぇか」
「郭図殿…それはあまりにも」
「解った」
「っな!?殿!?」
「私は郭図の案をとる。顔良をつれて先陣をきれ」
「……」
~終了~
「これに曹操は自ら出陣します。そしてこの時彼はとある降将を用いたのです」
「それってまさか」
~曹操 side~
「ふむ……」
顔良の隊は俺の首をとりにきたか…。
「張遼!!前線を切り崩せ!!」
「っは!!」
「そして今こそその武を見せるのだ!!
関羽!!」
曹操の横を駆け抜けて行ったのは関羽。
「っな!?何故劉備の臣下であるお前が「黙れ」……え?」
「貴様に恨みは無いが死んでもらう………というか死ねぇ!!」
「え?ちょ、お前何でそんな鬼気迫る顔して「問答無用!!」グハァ!!」
~終了~
「というわけで顔良ボッシュート」
「なぁ、関羽もの凄い切れていない?」
「気のせいです。さて、いきなり二枚看板の片割れがやられた袁紹は、もう一人の武将を派遣。まぁこれも数人の臣下に「そろそろやめれ」って言われてたのにもかかわらずに実行しちゃったわけですが」
「……ああ、頭に血が上っていたのかもな」
~曹操 side~
「飲め飲めぇ!!」
「いっき!!いっき!!」
「よ~し裸踊りしちゃうぞ!!」
「支払いは任せろ~!!バリバリ!!」
「ヤメテ!!」
「曹操様もささ、飲んでください!!」
「ふむ…お?これはよい酒……」
「何やってるか-!!」
そこへ見事なアッパーカットを入れられた曹操。
見ればそこにいるのは軍師の荀攸。
肩を荒げて呼吸している。
「痛いのだが…それ以前に君主に手を出したら打ち首ものだぞ?荀攸」
「何いきなり宴会やってんの!?」
「いや、あの数に勝てる気がしないって言うか」
「おい!!何言っちゃってんの!せめてなんか策考えろや!!」
「失礼だな荀攸。ちゃんと策なら考えているぞ?」
「なんだ…心配させるなよ。それでどんな作戦なんだ?」
「うむ、『あとは野となれ山となれ作戦』といってな」
「はいダウト!!それ何も考えてないんでしょ!?実は何も考えてないんでしょ!?ふざけんなこんちくしょ-!!」
「じゃぁお前がやれよみさえ」
「だれがみさえじゃ!!私は荀攸です!!はぁ…こういうのはどうですか?」
「ふむ、言って見ろ」
「まずは延津に向かう、これで私達が背後から突くと見せかけるのです。おそらくこの動きをみて袁紹軍は西に主力を向けるはず。私達は軽騎を使って薄くなった軍を突くのさ」
「ふむ…」
「どうだい殿?」
「ごめん、もう一回言って」
「ちゃんと聞いてろやぁ!!だから陽動かけて分散させて白馬を強襲しようぜって言ってるの!!」
~終了~
「なぁ曹操にカリスマがかけらもなくないか?」
「気のせいです。そしてこの後、食料で文醜を釣り上げて二枚看板はオワタ状態に。初戦で曹操軍は二連勝したのです。その後は官渡まで下がります」
「二枚看板ってなんなんだろうな…?」
「いや、ぶっちゃけかませ臭がします。この後の戦闘でも特に影響が無かったのでぶっちゃけ居なくても良かったのでは?二枚看板(笑)ですよ」
「間違ってもこっちの二人には言えないよな…」
~袁紹 side~
「二枚看板が敗れたか…ならば私自ら動く」
「お待ちを」
それをいさめようとするのは沮授。
「やはり曹操は中々やるようで。ここは持久戦に持ち込むべきでは?」
それに呼応するように許攸も進言する。
「正面で曹操と戦うとかwwwそれなんてムリゲwwwここは曹操と対峙してるときに別働隊で本拠地を奇襲すべきwwwそれで皇帝保護できれば最強じゃね?www」
「奇策など使わぬ。あくまで王の道を進むのだ」
袁紹は沮授と許攸の意見を聞き入れず、しかも沮授の軍権を剥奪し、官渡への進軍を再開した。
「ちょっとあいつ調子に乗りすぎwwwつか正攻法で勝てるほど曹操甘くないしwww」
「いい加減にしろや馬鹿が」
~終了~
「その後さすがに袁紹もこれはないと感じたのか圧力をかけながらの南下を実行します。これに曹操は砦をいくつも作って防ごうとしますが…」
~曹操 side~
「曹操様!!砦が全て突破されました!!」
「いや、あの数で正攻法で来られたら無理ですって。隙も初戦であそこまで負けたからか、ないですよ」
「あ、慌てるな!!まだ慌てるような時間じゃない!!」
「いや殿!?早く行動しないと不味いですよ!?」
「ま、まてこれは孔明の罠だ」
「誰ですか孔明って!?」
「よ、よし!!ここは派手に戦おうじゃない!!どうせ二枚看板はないんだから大丈夫!!きっとできる!!だって俺天才だし?諦めたらそこで試合終了ですよってアゴがたぷたぷな人も言ってたしね!!」
数日後
「諦めるわ」
「「「おい!?」」」
~終了~
「曹操はこれを打ち破ろうと迎撃するために一万ほど率いて行きますが大敗。数千人の死者を出します。」
「さすがにいくら兵法に通じてても数が多ければなぁ」
「戦いは数だよ!!ですからね。というか最初から正攻法でいけば負けないってのに……まぁ結果として袁紹軍はこれで官渡まで到達。猛攻撃が始まりました」
~曹操 side~
「曹操様、敵が櫓を用いてきます!!」
「落ち着け馬鹿者が……対策は既にとってある」
「し、しかし」
ヒューン
ドガシャァ
「な、あれだけ苦しめた櫓が!?」
曹操軍は敵の櫓への対抗策として、霹靂車と呼ばれる兵器で反撃し櫓をことごとく破壊。
これは投石機を遠くへ跳ぶよう改造されたもので、精度も上がっていた。
「ん?あれは地下から来るつもりだな」
穴攻めを看破しこれを撃退する。
だが確実に曹操軍は追い込まれていた。
兵士は疲労困憊、誰もが先の見えない戦いに疲れ切っていた。
「曹操様…我らは勝てるのでしょうか?」
「勝てるからこそ戦うのだ!!私は常に勝ってきた!!この戦いもいずれは同じ結末へと導かれるだろう」
「おお…」
「俺は部屋に戻る」
ガチャ
バタン
「いや!?どう考えても勝てるビジョン浮かばないんですけど!?どうやってあの数捌けばいいのよ!?食料ももうまったくない!!頭が……頭が痛い!!割れるようだ!!あ、もうここは許昌の荀彧に手紙書こう!!」
~荀彧 side~
「曹操様からの手紙ですか。官渡は苦しいですからね、どれどれ」
どうも!!みんなのアイドル曹操です。
「病気が進まれてるようですね」
実は官渡がかなりやばい。どれぐらいやばいかっていうとマジやばい。
「曹操様のおかげでそう感じないのですが」
それでさ!!いい考えが浮かんだんだわ!!
「おお、流石にそこまで落ちてはいなかったようですね」
官渡撤退して許昌に引きこもるんだ!!
「訂正します、駄目だこいつ」
~曹操 side~
「おお!!ついに荀彧からの手紙がどれどれ」
どうも親愛なる曹操様。
貴方の大変すばらしい考えにこの荀彧、膿汁が耳から溢れてきます。
「っはっはっはそう褒めるな」
それではこの件についての感想ですが。
死ね。
「え?」
こちとら食料集めるの大変なんですよ?
本拠地攻めさせるとか馬鹿ですか?
公孫賛でさえ食料万全にして籠もったのにこっちは食料無いんですよ?
そんなアホなこと書いてる暇あったら他のこと考えてください。
死ね。
「なんで二回も言ったの!?」
~終了~
「曹操軍は奮闘しますがやはりここは多勢に無勢。食料ももはや足りなくなり、荀彧に手紙を出して励ましてもらったりしています。相当不安だったようです」
「いや…励ましてもらっているのかこれ?」
「気にしたら負けです。ですがそんな曹操に天が味方したのか、袁紹軍は河川の氾濫により多くの食料を失います」
~袁紹 side~
「兵糧はどうだ」
「ああぁ?駄目だなぁ。慢性的な不足が続いているぜ。このままでは軍から離反者が出始めるなぁ」
袁紹軍は先の河川の氾濫により、食糧不足が続いていた。
「ここは全ての備蓄を集めるのがいいんじゃね?」
「ふむ、ならば場所はどこだ?」
「烏巣だなぁ」
「お待ちください!!」
郭図の進言を遮ったのは沮授。
「いくらなんでも戦場に近すぎます!!ここは白馬辺りにするのが」
「お前さぁ…軍権ねぇだろ?」
「ですがこれは…」
「逆によう、ここまで近い所におくとは思わないぜぇ?裏をかくんだよぉ裏をな」
「良いだろう、烏巣に置く。確かに裏をかくにはちょうど良いだろう」
「んじゃぁ袁紹様、淳于瓊でどうよ?」
「ああ、そうするとしよう」
沮授は目を伏せた。
手は震えているがそれを手を握り押さえつける。
「(……もはや天下は決まったのでしょうか)」
~終了~
「これにより食糧不足は改善されました。逆に曹操軍はもうかつかつ。必死になって曹操は袁紹の備蓄がどこにあるのか探しますが見つかりません」
「そう考えると袁紹は良い決断をしたのかな。白馬よりも烏巣の方が数十キロも近いし」
「そうですね。このまま行けば勝っていたでしょうね。ですがここで曹操軍に絶好の機会が訪れたのです」
「絶好の機会?」
「ええ、それこそが曹操が手に入れた勝利への鍵」
~曹操 side~
「曹操様、敵の輜重隊を焼き払ってきた。だが数が多すぎてこの程度では意味がない」
「ご苦労…やはり、この程度では意味がないか」
そばに控える賈詡が口を開く。
「聞けば袁紹も輜重隊を狙っている。劉備も汝南に入って許都を攻める準備をしているようだ」
その言葉に曹操は険しい顔になる。
「我が軍の備蓄も残りあとわずかだ。このままでは負ける」
「そうだろうな。何か、何か手があればいいんだが」
悩む二人。
だが
「殿?ちょっと報告がある」
そんな二人の元へ荀攸が慌ただしげな様子で走ってくる。
「なんだ?」
「ああ、実は
許攸が降って来た」
~終了~
「何が起こるか分からないのが戦乱世ですよ?白蓮」
「そうだなぁ、ま。平和な世が一番だな」
Q.なんかいろいろおかしくない?
A.作者のシリアス度ががくっと下がった
どうも二夜連続こんばんわ。一二時だと流れてしまうので、ちょっと後に投稿してみました。次回からもそうやっていこうと思います。
ちなみに作者は三国志大戦で漢軍の袁紹(憂国の大進軍)を使ってます。
田豊のおっさんとのコンボはなかなかですよね。
他には暴虐、苦楽、陰陽など普通の人は使わないのばっかり使っているのです。
いや、だって楽しいんだもの。
というわけで、第二回終了。次回で袁紹編は終了です。