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盾にされた私、異世界ではただの猫です  作者: 蛇目菊 欲狐
第1章
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08-祈りの光

「治癒」——それは、“ありとあらゆる病や怪我を癒す”力。


この地に降り立つ前、怪我や病は避けられないと予見して、授けられたのだろう。


強力な能力。

けれど、欠点もある。


——その者の生命力、そして強い意志に依存する。


これまで私は大きな怪我を負ったことがなかった。

自分に使う分には問題なく扱えていた。


でも、今は違う。


瀕死の彼に使うのは——一か八かの賭けだった。


……お願い、治って。


祈りながら力を行使する。


男の身体が淡く光を纏い、ゆっくりと傷が癒えていく。


だが、遅い。


このままでは、間に合わない。


周囲で騎士たちの叫びが上がる。

少年と少女は、こちらを見つめながら必死に祈っている。


……やはり私では、ダメなんだ。


そう思った、その時。


目の端に、ふわりと何かが舞った。


顔を上げる。


暖かな光が、騎士たちや少年少女の身体から生まれている。


それは瀕死の彼の傍に寄り添うように、静かに浮かんでいた。


——治癒に必要な「強い意志」。


……これのことか。


自分一人では辿り着けなかった答え。

この光景が、教えてくれた。


すぐに風魔法で、その光を優しく引き寄せる。


そして、再び治癒をかける。


……この人を助けるために、力を貸して。


光は応えるように、男の身体へと溶け込んでいく。


淡い輝きが、強く、強くなる。


先ほどまで緩やかだった癒しが、一気に加速する。


焼け爛れた皮膚が再生し、

裂けた肉が繋がり、

細胞の一つ一つが丁寧に修復されていく。


まるで、奇跡のような光景だった。


やがて光は静まり、男は元の姿を取り戻す。


……助かった。


ほっと息を吐く。


周囲を見渡すと、皆が呆然とこちらを見つめていた。

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