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盾にされた私、異世界ではただの猫です  作者: 蛇目菊 欲狐
第1章
21/32

19-賑わう領都と冒険者ギルド

翌朝。


今日はテオドールが領地案内をしてくれるらしい。


玄関で待っていると、テオドールと共にもう一人の男性がやってきた。


……あれ、あの人は。


「お待たせしました、恩猫様。本日は私と、第1騎士団の副団長が領地をご案内いたします」


「本日はよろしくお願いいたします、恩猫様」


丁寧な挨拶と共に、綺麗なお辞儀をするその人物。


澄んだスカイブルーの瞳が、真っ直ぐこちらを見つめていた。


森で出会った時、敬語で丁寧に謝罪と感謝を伝えてくれた騎士だ。


感情をあまり表に出さない、静かな人という印象がある。


挨拶の後、私たちは街へ向かった。


前回は馬車で通り過ぎただけだったが、今日は徒歩で街並みを見て回るらしい。


石畳の道。

整えられたレンガ造りの建物。

赤や青の屋根瓦が並び、どこか中世ヨーロッパの街並みを思わせる。


けれど、よく見るとタイルや排水の整備が行き届いていて、想像していたよりもずっと発展しているように感じた。


やがて商店街へと入る。


市場には多くの店が並び、人々の声と熱気で満ちていた。


領地内だけでなく、外からも多くの人が訪れるらしい。


この領地の特産は、強い魔力を持つ動植物や鉱石。


それに加えて――


「名物は魔力個体の肉を使った煮込み料理ですね」


テオドールが説明してくれる。


魔力を持つ個体は普通のものより丈夫で性能が高く、動物の場合は肉質も上質になるらしい。


市場には、その端材を使った屋台も多かった。


串焼きや炒め物など、比較的安価で高級肉を味わえる店だ。


試しに、とテオドールが二本の串焼きを買ってくれた。


魔力を持つ肉と、普通の肉。


食べ比べてみると――


……全然違う。


感覚としては、量産品と高級ブランドくらいの差だ。


そして当然、値段も高い。


屋敷で出された料理を思い出す。


もしあれが全部、魔力個体の肉だったとしたら……


……いくらするんだろう。


ちょっと考えるのが怖い。


街の様子を見ていると、貧富の差もそこまで激しくはないようだった。


ギルドや協会が、生活の支援をしているらしい。


食事の炊き出し。

簡易の寝床の貸し出し。


その代わり、掃除や荷運びなどの仕事を手伝う仕組みになっている。


また、商業ギルドでは文字の読み書きや簡単な計算といった基礎教育も行われているそうだ。


冒険者ギルドでは護身術の講習や仕事の紹介もしている。


前の世界で言う……ハローワークみたいなものだろうか。


魔法が使える者は、簡単な魔法仕事を請け負うこともあるらしい。


さらに情報屋ギルドでは、情報の売買だけでなく、図鑑や地図といった書物も扱っているという。


薬草の図鑑。

魔法研究の書物。


かなり専門的な内容のものも多く、研究者たちには重宝されているそうだ。


街を歩きながら話を聞いていると、ふと首を傾げたくなる。


……なんだろう。


この感じ。


どこか、前の世界と似ている気がする。


気のせい、だろうか。


そんなことを考えているうちに、私たちはある建物の前へとやってきた。


「こちらが冒険者ギルドです」


入口の前に立つ。


中へ入ろうとした、その時だった。


建物の奥から、慌ただしい声が聞こえてきた。


「頼む!!」


必死な叫び。


「光属性の魔法の使い手はいないか!?それか光の魔法石を持ってる奴でもいい!」


続けて叫び声が響く。


「頼む、誰か力を貸してくれ!!」

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