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〇〇〇さん  作者: 相雪 化
第1章:終わりの始まり
7/17

終わる日常。




 6月6日午後18時00分頃

 私立神見高等学校、校門前にて......




 ▽




 「ほら、ここで待っててやるからさっさと取りに行って来い」


 僕と莉桜は忘れ物を取りに薄暗い空の中、学校まで駆けて来た。

 到着後、僕は校門前で待っていると伝えたのだがどうやら莉桜は1人で行くのは怖いらしく............



 「えぇっ!?ここまで来たんだし一緒に行こうよ!!」



 とのこと。正直、面倒だし部活動中の生徒や先生達もいるから怖いも何もないと思うのだが、ここで拒否すると長くなるので僕はしょうが無いも思い教室までついていくことになった。


 まぁ、だけど特に怖いと言っても何かあるわけでもなく僕達は教室に到着。莉桜の忘れ物もしっかり見つけ出し、僕は教室から出ようとした所で莉桜が話しかけて来た。


 「ねぇねぇ、夜の学校ってなんかいつもと雰囲気が違くてちょっとドキドキしない?」




 「そりゃまぁ、明かりもついてないし人も少なくて静かなんだから雰囲気は違うだろ」

 「逆にこんだけ違って雰囲気が同じだった方が怖いだろ」




 「確かに、それもそうだね!!」




 「そう言えば、莉桜は部活動なんで入らなかったんだ?」

 「学校内でも上位の運動神経で友達も沢山いて、頭はバカだが中学時代は文化部の部長だったよな?」


 僕は窓の外で運動場で部活動をしているのを見てふとそんなことを思った。

 莉桜は小中と運動部、文化部をしていて部長にまでなった奴だ。僕は高校でも部活動を何かするのだと思っていたのだが莉桜は部活動をやらなかった。莉桜の友達や先輩、顧問の先生にも部活動を誘われていたが全部断ったそうだ。




 「うぅ〜ん.........」

 「まぁ、そうだね。小中と部活をやって部長も務めて来て疲れちゃったのかな?」

 「なんかね、うん.........」




 「................そうか、まぁいいや」

 「じゃ、忘れ物も見つかったことだしサッサと買い物行くぞ」


 僕は教室を出て、階段を降りる。

 なんだろう?さっきの会話、莉桜の歯切れが悪かったような?

 僕は階段を降りて行く。一段また一段と..........


 ......................?

 あれ?なんかいつもと違うような?




 「あれ?ねぇ、レンレン?」

 「私達って3階から下りてきて2階に来たはずだよね?」

 「でも、ここ3階だよ?」




 「え?あ、本当だ」


 え?えっと、僕達は3階にある教室から下りてきて2階に来たはず。だけど、ここは3階?

 あれれ?あれれれ?あれれれれれれ?


 何だこれ?何だこれ?

 怪奇現象?幽霊現象?


 「いや、きっと気の所為だ」

 「もう一度下りればもとに戻るよきっと............」



 僕達はさらに階段を下りて、下の階に到着する。

 階数表示のプレートは先程と全くいっしょの3階と表示されている。




 「ね、ねぇレンレン。さっきと全く変わってないけど............」

 「え?え?これって.............」




 「わからない。とりあえず、1回教室まで戻ってみよう.........」


 何だこれ?何が起きてんだ?

 学校に閉じ込められた?


 階段を降りても降りても3階から出られない。最悪、窓から飛び出せば下に降りれるかな?

 どうなってんだ?本当にどうなってるんだよ...........




 「ね、ねぇ、レンレン.........」

 「なんか、寒くない?」




 「そうか?」


 寒い?今は6月だぞ?

 寒いってより少し暑いくらいだ。

 あ、でも冷や汗で少し肌寒いかも.........


 そんな、6月なのに寒いとか言うバカを見て僕は驚愕した。

 僕が莉桜を見ると寒そうにガタガタ震えていたのだ。

 顔も青白く、いつもみたいな元気さが無い。


 あの明るくパワフルで風邪なんてへっちゃらで、暑くても寒くても元気いっぱいな莉桜が弱々しくなっていた。

 こんな莉桜を見るのは初めてだ............

 早く家に帰って安静にさせないと.........




 「れ、レンレン............」 



 僕が莉桜の体調不良ついて心配になっていると、莉桜が僕の袖を掴んできた。いや、掴むってより引っ張ってきた。

 しかも、思いっきり。

 ビックリしたし服が伸びる!!!


 「どうかしたのか莉桜?」



 僕が莉桜に尋ねると莉桜は何も答えずに、廊下の奥の方に指を指した。莉桜が指した方向を見てみると僕は驚愕した。




 そこには人が立っていた。

 いや、人と言うよりも人型の何かだ............


 ソレには目があった。

 たくさんの目があった。

 人の体に複数の目玉が埋め込まれている。


 普通サイズの人間の体に無数の目玉が埋め込まれており、不規則に目玉はギョロギョロと辺りを見回している。



 廊下にいた僕は莉桜の手を引き近くの2年1組の教室に飛び込んで、音が鳴らないよう慎重に扉を閉めた。


 大丈夫、見られてない。

 アレは僕達の存在に気づいてない。

 急いで机と椅子でバリケードを張って入ってこれないように............




 「れ、れ、れれれ、レン.........」

 「そ、そそ、外に...........」


 莉桜が廊下側の窓を指差す。

 僕は嫌な予感がしながら莉桜が指差した方を見てみると............

















 たくさんの目があった。

 たくさんの目と合った。


 ソイツはさっきみたいに目をギョロギョロと辺りを見渡さずに僕達を一点に見ている。どの目もどこの目も全ての目が、全ての視線が僕と莉桜に注がれている。


 それだけじゃない。さっきまでは170cmくらいあったソレの身長は今では2mもある。

 明らかに大きくなってる............



 「れ、蓮..........」



 う、動けない..........

 な、なんだ?体が動いてくれない.........


 動け!!動いてくれよ!!

 でないと、僕達は............



 クソッ!!なんで、動かないんだ!!

 莉桜も動かない。いや、莉桜は動けないんだ。

 さっきから莉桜の調子が悪い。多分体調不良なんだ。


 夜遅くまで起きてるからこんなことなるんだぞ!!って言いたいが今はそれどころじゃない。

 それにソイツの目を見てるとなんだか僕まで力が抜けてくる。



 それにしても、ソイツも全く動かない。僕達をジッと見ているだけだ。

 きっと、ソイツは僕達が脅威にならない事を分かっている。だから好奇心で僕達は生かされているのだろう。

 ソイツの無数の目は僕達を舐め回すような、まるで新しい玩具を見つけた子供のような..............

 それとも餌............


 それに、僕達が少しでも何かしてみろ。

 ソイツの考えが変わって僕達は殺されるかもしれない.............. 


 コイツの僕達への認識が少しでも変わればお終いなんだ。だから下手に動けない。

 だけど動かなければ何も変わらない。現状は何も変わらない.........


 何か!!何かいい案は...........




 僕らが死の気配を感じていたその瞬間。

 足音が聞こえた。何かが近づいてくる音が近づいた。


 なんだ...........

 まだ、化け物がいるのか.........




 「なるほど、ここは異界だとおもったけど............」

 「もしかして、ようの胃かい?」 


 突如、聞き覚えのある声がすぐ近くから聞こえた気がした。

 もちろん莉桜の声ではない。


 僕は声にする方に顔を向けた。

 そして、僕と莉桜は驚いた。

 そこにいたのは最近教育実習生としてこの学校にやって来て、物静かで、めちゃくちゃ苗字が変わっているなと思った人。


 幽幽幽ゆうみ 幽華ゆうか先生がその場に立っていた............

 幽華先生はその場で僕らを一瞥し、直ぐにソイツの方へと視線を向けた。



 「うん、コイツが原因では無いな」

 「君達のこともあるしここは素早く終わらせよう」



 幽華先生が言い終わると同時に懐から長方形の紙を1枚取り出し何かブツブツ喋っている。

 ソイツは幽華先生に全ての目を、全ての視線を向けている。しかし視線を向けても幽華先生は特に動揺することなくブツブツと喋ってる。


 ソイツは幽華先生が動揺して乱さないことに驚き、全ての目がかっぴらく。



 「...............妖を祓いて、世を清めよ」

 「符術《浄化符》」



 幽華先生の独り言が終わると同時に長方形の紙が強く光る。




 「眩しッ!?」


 僕と莉桜はいきなり懐中電灯の光を目に浴びせられた様な感覚に襲われる。

 確か、去年の夏休みに星空を見に出かけたんだけど。帰りに懐中電灯の光を莉桜に浴びせられたっけ。しかも何度も何度も..............

 あれは、酷かったな。


 しかも、地味に懐中電灯の光が強いから目が死にそうだった。



 そして、強い光が収まり僕は目を開けるとソイツはいなくなっていた。



 「さて君達。えぇ〜と、確か佐藤くんと雨宮さんだよね?」

 「色々と聞いておきたい事が山ほどあるけど..........」

 「まずは大丈夫だった?怪我はない?」




 そうして、僕のいつも通りの日常は完全に崩壊する。

 それと同時に僕の鼓動は高鳴る。今のこの状況に.........




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