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〇〇〇さん  作者: 相雪 化
第1章:終わりの始まり
16/17

神棲神社。



 6月7日(金)18時27分頃

 神棲山付近で.........



 ▽



 神棲山。

 近所にある山の中ではそこそこ大きな山でよく登山する人を見かける。山の入り口近くには廃れた神社が建っていて、夏には肝試しに来る学生が多いだとか。


 その廃れた神社の名前は神棲神社。

 神棲山に建つから神棲神社なのか、神様が棲んでいるから神棲神社なのかは謎だ。



 そして、神棲神社には幾つかの噂がある。

 神棲神社には悪い神様が封じられているだとか、逢魔が時の時間帯に神社に立ち入ると異界に連れ去られるだとか、逢魔が時の時刻に仮面を着けた顔なしお化けが夜な夜な徘徊しているだとか、逢魔が時の神社の鳥居は裏世界に繋がっているだとか、そんな噂がある。


 殆どの噂は逢魔が時。

 つまり、午後5時〜午後7時頃に関係してくる.........




 ▽




 「ハァ........ハァ........ハァ.........」



 長い長い上り階段だ.........

 何段あるんだろうか?もう、足がガクガクだぜ........


 それにしても、莉桜も幽華先生も元気だな.........

 僕と彼女らには百段くらいの差がある。莉桜は無尽蔵の体力を持っているから分からんでもないけど、幽華先生はさっきまで気絶してたくせに何処からそんな体力が出てくるんだよ。



 それにしても、旧校舎の一件から随分と時間が経った。二時間くらいかな?サクは今何をして、何を思っているんだろう.........


 そう言えば、君も邪魔をするのかとか言ってたな.........

 邪魔ってなんだ?サクは何が目的なんだ?


 わからない。旧校舎から脱出した後も何かしてくるかと身構えていたが結局は何もして来なかった。

 嵐の前の静けさじゃなければいいんだけど...........



 そもそも、幽華先生もなんなんだ?

 神社の家系とか言ってたけど、本当なのか?

 幽華先生は本当に僕達の味方なのかな?もしかしたら、サクが正しくて幽華先生が敵だってことも............



 いや、そんな事は無いか..........

 はぁ、普通の生活からどんどん離れていってる。

 どうなってくのだろう僕達は...........



 「うしっ!!着いたぞー!!!!」



 考え事をしている内に莉桜は神社に着いたみたいだ。幽華先生も見えないから神社に到着したのかな?

 僕も待たせないために残りの力を振り絞って全力で階段を上っていく。


 そう言えば電話して来た人は幽華先生の先輩らしいけど、その先輩も何者なんだ?

 あの電話とメールを見る限り、僕達のことを見ていたのかな?


 何処で見ていたんだろう?学校の中にいたなんてことは無いだろうし?いや、もしかしたら学校の中の誰かが先輩なのかも............

 う〜ん、ちょっとあり得るな。サクも幽華先生も実際に裏世界?妖怪?のことを知ってる人だったし。


 学校の誰かか..........

 怪しいのはやっぱり幽華先生と仲のいい奴らかな?

 担任とか、一部の生徒が幽華先生にとって先輩なのかな?


 う〜ん、どうせこの後会うんだし考える必要は無いか。

 まぁ、もしかしたら知り合いかもってことで.........



 でも、なんで僕達まで呼び出したんだろう?別に幽華先生だけで良いと思うんだが..............

 もしかして、裏世界?妖怪?を知ったお前たちは生かしておけないとか言われるのかな?それとも、記憶をイジられて忘れさせるのかな?


 どちらにしても、警戒しといた方が良さそうだ。



 そうして、僕は数十分の時間をかけて階段を上りきった。

 足はガクブル、今にも倒れそうな疲労感に襲われている。



 「ふぅ............ハァハァハァハァハァ..............」

 「懐かしいな神棲神社。中学以来かな?」


 階段を上りきった先にはそこそこ大きなお社が建っていた。

 莉桜と幽華先生は近くのベンチに腰を掛けており、僕に気付いたのかニコニコと手を振っている。

 僕は目の前の鳥居に一礼してくぐり抜け、駆け足でベンチに行った。


 あれ?昔来た時のお社はもっとこぢんまりとしたお社だった気が?

 ..............改築でもしたのかな?



 「おぉ〜い!!レンレンこっちこっち~!!!」




 「はいはい、分かってる分かってる」

 「ん?あれ?幽華先生の先輩は?」


 そういえば、幽華先生の先輩がいない。

 ここにいるのは、僕と莉桜と幽華先生だけだ.........


 そう言えば、待ち合わせの時間とか決めてなかったよな?

 あれ?でも、直ぐに来いとか言われたよな。

 じゃあ、なんでいないんだろう?呼び出した相手のほうが遅刻するなんて...............



 「うん、私と幽華ちゃんも探したんだけど何処にもいなかったんだよね。人が1人もいなかったよ」

 「ねぇ、レンレン?本当にここで合ってるよね?」




 「あぁ、というかお前も聞いていたし見ただろ?電話とメールで神棲神社集合って...........」


 僕はスマホでメールを開く。そこには、先程と同じように神棲神社集合のメールがある。

 間違えていない。それに、直ぐ集合とも言われた。


 でも、先輩はいない。どうなってんだ?

 実はこのメールは暗号だったとか?


 「あの、幽華先生?このメールが暗号だったりは.........」




 「いや、それは無いな。私から見ても何か隠されていると言うことはない。それに、先輩はそんな回りくどいことはしない人だから.........」




 「おやおや?こんな早い時間にお客さんだ♪」


 その時、僕でもない莉桜でもない幽華先生でもない、全く聞き馴染みのない明るい愉しそうな声が聞こえてきた。


 「ようこそ、歓迎するよ♪」

 「僕の名は盤面ばんめん 遊戯ゆうぎ。呼び方は好きに呼んでくれ♪」


 「さぁさぁ、久しぶりの参拝客だ。上がって上がって♪」

 「ちょっと、小汚いかもだけど♪」



 その愉しそうな子は僕達を引っ張ってお社の中に連れて行く。

 中は畳の床で奥には神社の祭壇が置かれている。所々にロウソクが置かれていて、日が灯っているのもあれば燃え尽きているのもある。


 「さぁさぁ、お客なんて珍しいからね♪」

 「今日は奮発して団子以外のお菓子を開けよう!!あと、お茶っ葉あったっけ?この前、全部使い果たした気がするなぁ〜」



 そう言いながら、その子は部屋を出ていった。

 残された僕達は出された座布団にそれぞれ座る。


 あの子は明るい色の着物を着ていて、中学生くらいの身長だった。

 今日出来た友達サクより少し大きいくらい。


 そして、その子は絶対に人ではないと思う。

 それは、本能が告げている。本能がこの子は人ではないと告げている。それに、あの子の目の中にあるサイコロが人ではない証拠だと思う。


 最初は僕はそういうコンタクトを付けているのかと思った。だから、目の中にサイコロがあるのだと。しかし、サイコロは目の中で転がっていた。

 あの子が話す度に。あの子が歩く度に。サイコロは転がる。

 そして、サイコロが転がる度にあの子の目の色が変わっていく。


 最初は赤。次は白、銀、青、紫、緑............



 「ねぇ、幽華ちゃん?あの子がもしかして先輩なの?」




 「い、いや違う。あれは、私にもわからない..........」

 「だが、神社にいるのだから..........」




 「そう、あれは正に土地神!!しかも、彼の気をみる限りどうやら変質した土地神だろう」

 「まぁ、土地神としてこの地に長く居座った事が変質した原因だろうが..............」


 いきなり、後ろから声がした。

 その声は女性の高く柔らかな声で安心感があった。


 そして、僕はその声を聞いたことがある。携帯電話越しだったがはっきりと覚えている。



 「やあ、久しいね幽ちん♪」

 「そして、初めましてだね蓮くんと莉桜ちゃん。私は天宮あまみや 紅葉くれは、幽ちんには先輩と呼ばれてる」

 「よろしくね!!」



 後ろにいたのは、長い金髪の髪を持った女性。

 片目には眼帯を付けており、丈にあってないブカブカの服を着た女性。

 その人は、莉桜と同じような元気一杯のやんちゃな気配を纏った美しい人だった。




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