放課後の時間。
6月7日(金)午後16時44分頃
私立神見高等学校2年3組の教室にて.........
▽
「莉桜ー」
「起きろー、もう学校終わったぞー」
僕は隣の席で爆睡している幼馴染の莉桜の肩を揺らして起こす。
しかし、莉桜の眠りは深いのか中々起きてくれない。
まぁ、莉桜がこの程度で起きてくれるはずがないよな。
僕は机に広げてあった莉桜のノートを丸めてメガホンにし、息を吸いあげる。そして、莉桜の耳元で思いっ切り叫ぶ。
「ヒャっ!?」
すると、莉桜は飛び起きる。
これが、ほぼ絶対に起きない莉桜の唯一無二の起こし方なのだ。
「うぅ........耳が痛いよぉ.........」
「レンレンのいじわるぅ..........」
「お前がさっさと起きないのが悪い」
「ったく、帰るぞ莉桜。もう学校は終わったぞ」
「...........へ?」
「あ、本当だ〜」
「よし!じゃあ、帰るよレンレン!!」
莉桜はいきなり飛び上がると同時に荷物を持ち、僕の手を引いて走り抜けて行く。
「おいコラバカ!!いきなり引っ張るな!!それと、僕の荷物がまだ教室に.............」
「っておい聞けぇ!!!引っ張るのやめろー!!!」
僕は莉桜に引きづられながらも何とか莉桜を制止させ、莉桜にここで待つよう言い聞かせて教室へと戻っていく。
まったく、3階の教室から1階の昇降口まで僕を引きずりやがって......
お陰で、全身が痛い痛いだ。服も埃だらけで汚いし.........
大バカ幼馴染のせいで大変だぜ、まったく。
「ん?あれは.......」
荷物を取りに廊下を走っていると、遠くの方にサクが歩いているのを見つけた。
あれ、サクじゃん!!何してるんだろう?
「おーい!!サークー!!」
僕はサクに向かって叫ぶが、サクは聞こえてないのかスタスタと廊下を歩いて行く。
あれ?聞こえてなかった?
結構大声で呼んだんだけど.........
それになんか考え事してる様な、悩んでる様な感じだったな............
どうしたんだろう?何か悩みごとでもあったのかな?
「お~い!!サ.......ク........?」
あれ?そう言えば、この先って旧校舎だよな?
旧校舎しかなかったよな?
なんで、サクは旧校舎へ?
旧校舎はボロだから物置にもならないし、立ち入りも禁止だ。もうすぐ旧校舎は取り壊しをするとか莉桜から聞いたが............
そんな旧校舎になぜ向かってる?
そうだ、それに幽華先生のこともある。
...................怪しい。
なんか、怪しいぞ。よし、ついて行ってみよう!!!
あ、でも莉桜を待たせてるしなぁ〜
ま、いっか!!
そうして、僕は旧校舎へと向かうサクを尾行する。
僕の心はドキドキとワクワクが支配する。そこには、強い好奇心とこの非日常感に僕の胸が高鳴る音がした。




