ピカッ
私たち3人の話は 盛り上がった。
その横をちょろちょろしながら様子を伺うタヌ族4人。
あまりにもひどい。
そこで 私は中座して、4人に注意することにした。
「客人との歓談中に 覗きに来るのはやめなさい。
お二人がお泊りになれるように 夕餉の支度と 客間に布団の用意を」
源吉が 控えめに反論してきた。
「雪が降り出すと困りますから、今すぐにでも帰ってもらった方が」
「遠路はるばる来た方に 食事も出さずに追い返すことはできません。
それに 夜道は危ないから 泊まっていただきます。
そもそも あの二人が ここに来たのは神の導きです。
それとも 今夜にでも雪が降り出して積もりそうな気配があるのですか?」私
「昔、落ち人さんが持つ知識を求めて、都人が このあたりをうろうろしたことがあるんです。
中には タヌ族の者をつかまえて、『白状しろ!』とかって 私たちを攻め立てた者もいて。」お紋
「私たちは 善意から人命救助をしているのに、
欲得にかられた人間から、責められるいわれはありません!」ポン
「それで 神様に、邪な者がタヌ族に近づかないようにお願したんです。
すると神様は
『邪かどうかを見極めるのはむつかしいから、 よそ者が 街道からこっちへ入ってこれないようにしてやろう。
しかし 落ち人やその子孫を 完全にはじくことはできないから、
霧や靄が何日も不自然に溜まっているのを見かけたら、
その中に倒れている人間を見て、自分達で街道まで送ってやるなり 放置するなり、そこは好きにするが良い』、っておっしゃったんです。
それで 街道に近いタヌ村の者達は、時たま 行き倒れの人を見つけては
街道まで運んで行ってました。
そもそも コンタさんや あのお二人のように ここまでたどり着く人がいることじたいが、おかしいというか 珍しいんです」お紋
「それで あの二人に対しても不信感あらわに覗きに来ているのですね」
「そうです、だから 早く追い返してください。」ポン
「私が お二人を街道まで馬車送ります」源吉
「先ほども言いましたが、お告げがあったのです。
人を送るから仲良くする用にと。
それに 再度確認しますが、この館の主はだれですか?」私
「お嬢さんです」4人
「ならば、私の決定に従ってください。
異論は聞きますが、決定を下すのは私です。
それに 客に対する礼儀・礼節は守るように」
それでも不服そうな顔をして動こうとしない4人。
すると 突然、タンタンそっくりの人が現れて、ピカッと小さく光ると4人が一斉に気絶した。




